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やはり俺がink!な彼?と転生するのは間違っているのだろうか

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パラディ島編 第19話 調査兵団① 壁外調査と異形の敵

ハチマンside

 ついに、第57回壁外調査が始まる。

 調査兵1「いよいよだ!これより人類は、また一歩前進する!
      お前たちの訓練の成果を見せてくれ!!」

 調査兵たち「「「「おお!!」」」」

 ・・・ドユコト?

 駐屯兵1「開門!」

ゴゴゴ・・・

 門が開く。

 エルヴィン「第57回壁外調査を開始する!進めーっ!!」

 その指示を皮切りに、他の団員たちと共に馬を走らせる。

パカラッ、パカラッ、パカラッ

 壁の外に出ると、やはりというべきか壁の周りに巨人が見える。
 それを援護班がこちらに来ないように討伐している。
 彼らが死なないためにも早くここを通り抜けなければいない。
 そう思いつつ、馬を走らせる。
 その状況で、俺は脳内でGasterと話していた。

 ハチマン『なぁ、Gaster。この作戦は成功しそうか?』

 作戦とは、鎧や超大型がエレンのように人間が巨人になったものだと仮定し、
 この第57回壁外調査で鎧か超大型が襲ってくると予想して
 その2体、またはそれらに協力する内通者をあぶりだすこと。
 俺はその作戦が成功するか、『神智核マナス』であるGasterに聞いてみる。

 Gaster『・・・何とも言えないな・・・。あまりにも情報が少なすぎる。
     もし、森羅万象を使って、この作戦が成功するかどうかを
     計算したとしても、まず元となる情報が少ない。
     そこから紐状に調べていったとしても、現実的な予測は不可能だろう。』

 ハチマン『・・・そうか・・・。』

 確かに情報が少なすぎる・・・。
 アニからも、一切聞いていないし、というか聞ける時間無かったし・・・。
 判断材料が少なすぎる・・・。

 Gaster『作戦の心配をするのもいいが、自分の身のことも考えろ。
     ソウルたちを統合して得た『七個之魂セブンスソウル』。
     君がこの作戦で生き残れるか、それがこのスキルを使いこなせるかで
     決まってくる。
     使いこなすために、リボルバー・オセロットやビッグボスから
     射撃、体術等を習ったんだろう?』

 ハチマン『ああ、まぁな。』

 Gasterにそう言われ、新しく手に入れたユニークスキル『七個之魂セブンスソウル』の
 権能を思い出す。

 ユニークスキル『七個之魂セブンスソウル』は、
 ―――渇望具現、法則操作、個性表現、魂器化、魂実化、道具箱―――
 の6つの権能を含んでいる。
 なお、この『七個之魂セブンスソウル』は、『渇望之ソウルクレイヴィング』、『忍耐之ソウルにんたい』、
 『勇気之ソウルゆうき』、『誠実之ソウルせいじつ』、『不屈之ソウルふくつ』、
 『親切之ソウルやさしさ』、『正義之ソウルせいぎ』をGasterが全て統合して進化させたものだ。
 本当なら、『渇望之ソウルクレイヴィング』ではなく、『決意之ソウルケツイ』を
 使うはずだったのだが、案の定Gasterに止められた。
 まっ、そうだよなぁ・・・。
 Gasterも元は『異常者オカシナモノ』というユニークスキルだった。
 そしてその状態で話していた。
 他のスキル、『親切之ソウルやさしさ』や『誠実之ソウルせいじつ』にも
 その名の通り、やさしさを感じられる時があったり、
 時々、まさに誠実といわれるくらいの行動を無意識でやっていることがある。
 つまり、持つ者の心を現したユニークスキルには、必ず意志が宿る。
 何かをしたい。そんな意志を必ず持っている。
 しかし、確固たる自我は持たないのだ。
 それなのに、何故か『決意之ソウルケツイ』には2つも意志が宿っており、
 確固たる自我とまでは行かないが、うっすらと自我が宿っているように感じる。
 そんな他と違う『決意之ソウルケツイ』をまだ、無くしたくないのだろう。
 ・・・もしかしたら、あの2人・・・・かもしれないな・・・。
 まぁ、兎も角、それぞれの詳しい情報を思い出していく。

 渇望具現は、分かりやすくいえば望むものを叶える事ができる権能。
 うまくいけば、人の命すら操れそうだ。
 ・・・あれっ、なんか・・・、『決意之ソウルケツイ』で
 輪廻転生みたいなことができるような・・・。
 ・・・まぁ、いいか。

 法則操作についてだが・・・、今は使えない。
 Gasterによると、この世界の魔素が無さ過ぎて、操作系は使えないようだ。
 なら、なぜ重力操作や空間移動等は使えるのか疑問に思ったので聞いてみると、
 今俺が持っている操作系のスキルは、他のものと利用しているものが違うらしい。
 普通の操作系は魔素を媒体に事変を操作するらしいが、俺の持つ操作系は
 ソウルの持つ力で事変を操作しているようだ。
 ・・・重力操作は青ソウル、空間移動はsansのちかみちってとこか?
 影移動はGasterのものだろうしな。
 もし、魔素がある世界に行ったら、この法則操作は使えるようになるらしい。
 まぁ、今は関係ないスキルってことだな。

 個性表現は、ソウルたちの経験を俺にインプットさせる権能だ。
 ついでに、ある程度、ソウル自身の人格もインプットされる。
 しかし、彼らの経験、技術を借り受けられるため、今のところメリットは大きい。

 魂器化は、ソウルたちが使っていた武器、防具を具現化することができるものだ。
 『親切之ソウルやさしさ』のフライパンとエプロン。
 『誠実之ソウルせいじつ』のバレエシューズとチュチュ。
 『勇気之ソウルゆうき』の擦り切れた手袋とオレンジのバンダナ。
 『不屈之ソウルふくつ』のノートとメガネ。
 『正義之ソウルせいぎ』のリボルバーとカウボーイハット。
 『忍耐之ソウルにんたい』のプラスチックナイフと赤いリボン。
 そして、俺のソウルといえる『渇望之ソウルクレイヴィング』の
 立体機動装置とサファイアの宝石が付いた黒い腕輪。
 今挙げた武器、防具それぞれ7種を具現化できる。
 ちなみに、魂器化で具現化した立体機動装置は、他の装置よりも、切れ味抜群、
 ガス増量、壊れない、メンテナンス不要といったメリットがある。
 まぁ、代わりに自分の魔素とエネルギーを消費するから、
 どちらかが無くなったらもう具現化し続けられなくなるんだが。

 魂実化は、ソウルたちを人かソウルの状態で実体化させる権能だ。
 これを使えば、魔素をバカみたいに食うが、人数の面で若干有利になる。
 ただし、一度に3人しか呼べない。
 しかも、『渇望之ソウルクレイヴィング』に関しては、俺がソウルを冠するスキル
 と化したようなものだから、実体化させたとしても人数差には影響が無い。
 ので、実質6人しか呼べない。
 その上、一度に呼べる人数に制限がある。
 だが、ソウルの状態では魂器化で具現化したものの能力が上昇するから、
 結構有能な権能である。

 最後の道具箱は、1人8個まであらゆる物質を入れることができる。
 たとえ入れたいものが死に掛けの人であろうと、この中に入れれば、
 俺が出すまで永遠に入れる前の状態で保存される。
 しかも、1人で8個だから、7人で56個。
 56個も物質が入る。
 ちなみに、もうこの道具箱はばんばん使っており、
 7分の1はMAXコーヒーを保存してある。
 これでいつでも、マッカンが飲める。やったぜ。

 これらの権能・・・特に、魂器化と魂実化を使いこすために、
 つい前日まで鍛錬していた。
 そのおかげか、リボルバーとナイフ、手袋、ノートの4つは、
 ある程度使いこなせるようになった。
 ・・・さて、生き残れるか・・・。
 果たして、どうなるかな・・・?

 ---

 スキルの権能を思い出した後、ひたすら馬で進んでいく。
 俺たちリヴァイ班は、補給班の護衛についているため、
 巨人との戦闘が限りなく少ない。
 そんな状態で走っているからか、結構暇である。
 それに、ヒョウの『学習者マナブモノ』の生命感知で巨人の接近は確認できるしな。
 そんな風に、気楽に馬に乗りながら進んでいると、

 調査兵2「口頭伝達です!右翼索敵、壊滅的打撃!一部索敵機能せず!
      以上を左に回してください!!」

 ハチマン「!?」

 調査兵の1人が、衝撃的なことを伝えてきた。
 それに、リヴァイ兵士長以外全員が驚く。
 ・・・特に、ヒョウが一番驚いていたのが気になるが。

 ハチマン(右翼壊滅か・・・。おそらく、鎧が来たな・・・。)

 リヴァイ「おい、聞いたか。ペトラ、お前が行け。」

 兵長が伝達の指示を出す。

 ペトラ「!はい。」

 ラルさんはすぐに左翼側に馬を走らせて行った。
 ・・・これは・・・、成功するかどうか・・・。
 まぁ、今更か。
 というか、成功するかどうかとかじゃなく、成功させなければいけないんだ。
 そうじゃないと、エレンは間違いなく死ぬ。
 ・・・やれるだけやってやる。



 そんなケツイを滾らせながら、馬で進む。
 すると、巨大樹の森が見えてきた。
 ここで、エレンを奪取してこようとする敵を迎え撃つ作戦だ。
 他の班は、木の上で巨人を惹き付けて貰い、俺たちはその間に事を済ませる。
 勿論、巨大樹の森の中に巨人が入ってきたら失敗だし、
 中で事の状況が悪化しても、成功する確率が下がる。
 だが、成功すれば、巨人について多少なりとも解明できるし、
 人類の敵の戦力の一部を削ぐことができる。
 ハイリスクハイリターンの作戦である。
 ・・・個人的には、あまりこんな作戦はやりたくないし、
 働きたくないが、まぁ、信頼できる仲間を失うのは嫌だしな・・・。
 やれることはやろうと思ってるが・・・。
 そう思いをまとめ、巨大樹の森を進んでいると、
 横から何かが見える。
 それを不審に思ったのか、エレンが兵長に質問する。

 エレン「兵長!ここ森ですよ!中列ですけど・・・、こんな場所じゃ、
     巨人の接近に気付けません!
     右から何か来ているようですし・・・、どうやって
     巨人を回避したり荷馬車班を守ったりするんですか?」

 リヴァイ「分かりきったことをピーピー喚くな。
      もうそんなこと、できるわけねぇだろ。」

 兵長がそういった途端、

パシュー

 奇行種発見の黒い煙弾があがる。

 リヴァイ「お前ら剣を抜け。それが姿を現すとしたら――
      一瞬だ。」

 そういわれ、俺は銃とブレードを、ヒョウはブレードを抜く。
 ふと振り返ると、飛びながら後ろを向く兵士が見える・・・が、
 次の瞬間、肉が潰れる音と共にぐちゃぐちゃに潰された。
 そして、黒髪短髪の肌が他の巨人に比べ薄黒く、
 少し胸の部分が膨らんだ、女型と言えるであろう巨人が
 こちらに向かって、手で項を守りながら全力疾走してくる。

 リヴァイ「走れッ!」

 その指示の通り、俺たちは馬を全力で走らせる。

 ヒョウ「ッ!?・・・フザケルナ・・・。」

 ・・・?ヒョウ?

 ヒョウ「ふざけるなッ!!何でお前がここにいるッ!!
     何でッ!!こんの・・・ッ!クソ異形がッ!!」

 ・・・どういうことだ?異形?
 ただ分かるのは、ヒョウは後ろの巨人を知っているようだ。
 そして、その『異形』といった後ろの巨人に強い憎悪を抱いたみたいだな。

 リヴァイ「おい、ヒョウ。落ち着け。
      どうやら、奴を知っているようだが、どういう事だ?」

 ヒョウ「・・・!・・・すみません。あいつについては多少知っています。」

 どうやら、後ろのやつについて知っているようだ。

 ヒョウ「ですが、今ここで説明しても意味が無いと思います。
     この状況じゃ、聞こえないし、後ろの奴に聞かれる。
     ですので、奴について少しだけ。
     ・・・あいつは知性を持つ巨人です。
     そして、その行動原理は人間を攻撃する、または殺すこと。
     そうなのに気紛れ。殺さないときもあれば、殺すときもあります。
     何時、何処で沸くか分からない。
     見たことがあるのは壁外とトロスト区のみですが、
     これから先、壁内で沸くかもしれません。」

 リヴァイ「・・・そうか。何故黙っていたかは、今この場で聞かないでやる。」

 ヒョウ「・・・ありがとうございます。」

 ・・・後ろの巨人は相当やばいようだ。
 今の俺で勝てるかどうか・・・。
 って、今はそんなことを考えている場合じゃない!
 時間を稼ぎつつ、目標地点まで移動しないと・・・!

 グンタ「ぐっ、速い・・・!」

 エルド「このままじゃ、追いつかれるぞッ!!」

 !クッ・・・。このままじゃ作戦が・・・。

 調査兵3「逃がすか!!」

 エレン「ッ!」

 その声を聞き、後ろを振り向くと、2人の兵士が異形に向かって、
 攻撃しようとしている。
 増援か・・・。だが、おそらく・・・。

 ペトラ「背後より増援!!」

 調査兵3「ッウゥッ!!」

 調査兵4「ッ!」

 2人の兵士が異形にアンカーを刺そうとする。
 しかし、

 調査兵4「ッ!ああぁぁぁぁ・・・。」

 調査兵3「うわあぁぁぁっ!」

 1人は異形に押しつぶされて、もう1人はワイヤーを引っ張られ、握りつぶされた。
 握り殺した兵士の亡骸をゴミの様に捨てる異形。

 エレン「ッ!」

 ペトラ「ッ・・・。ッ!兵長ッ!指示をッ!!」

 オルオ「殺りましょうッ!あいつは危険です!俺たちが殺るべきです!」

 少し取り乱す先輩方。そんな状況でも関係なく異形はこちらに近づいてくる。
 チッ、仕方ない・・・。

ダァン!ダァン!

 エルド「!?おい、ハチマン!何やっている!?」

 ハチマン「何って・・・、攻撃ですが?」

 俺が撃ったリボルバーの音に反応したのか、エルドさんがそう言って来る。

 ペトラ「兵長ッ!指示を!」

 馬上での射撃は初めてだったため、俺の撃ったリボルバーの攻撃は
 狙ったところに当たらず、なんなら一発もヒットしなかった。
 それも加えて、今危機的状況に取り乱す先輩方。

 ヒョウ(クッ・・・、どうするか・・・。ハチマンはリボルバーを骨で作って
     攻撃し始めてるし、リヴァイ班の人らは取り乱してやばいし・・・。)

 そのとき、今まで動かなかった兵長が動いた。

 リヴァイ「・・・全員。耳をふさげ。」

 それを聞いた5人と俺は耳を塞ぐ。
 そのあと、甲高い音が周りに鳴り響く。

 エルド「音響弾!?」

 ヒョウ「ア”ア”ア”ア”ア”ア”ァ”ァ”ァ”ッ”!?みみぃッ!!みみがぁッ!!」

 ・・・ヒョウは耳を塞いでおらず、音響弾の甲高い音を耳にしたため、
 耳が聞こえなくなっている。
 あいつは、生粋のバカかもしれない。

 リヴァイ「・・・おい、ハチマン。叫んでるあいつはバカなのか?」

 ハチマン「・・・バカでしょうね・・・。」

 ホント、バカだよ・・・。
 後ろの異形も叫んでるヒョウを見て、若干呆れてる目をしてるし。

 リヴァイ「ハァ・・・。おい、お前ら。この班の使命は、そこのクソガキに
      キズ1つ付けない様尽くすことだ・・・。命の限り。」

 エレン(!?俺を監視するためじゃなかったか・・・?)

 エレンは兵長の言葉に疑問を持ったようだ。
 事実、この班に課せられた最重要任務はエレンの保護みたいな感じだからな。
 暴走した際に殺すために所属していると思ってるエレンにとっては驚きだろう。

 リヴァイ「俺たちはこのまま馬で駆ける。いいな?」

 エレン「駆ける・・・って、いったいどこまで・・・!?
     それに、ヤツがすぐそこまで!
     なぜ・・・!リヴァイ班がやらなくて、
     誰がアイツを止められるんですか!」

 ・・・まぁ、確かにそうなんだが・・・。
 それよりも優先すべきことは、死んでいった先輩方のために
 ヤツの謎を解明することだと思うがな。
 ・・・ヒョウは知ってそうだが。

 ハチマン「エレン!前を向け!あいつは未知数だ!
      散っていった先輩方を思うなら、前を向いて走れ!」

 エレン「先輩方を思うなら!今、戦う方が弔いになるだろ!」

 駄目だ。それじゃ駄目だ。あの先輩調査兵達が死んでいった意味が無くなる。

 エレン(なんで俺は人の力にばっかり頼ってんだ。
     自分で戦えばいいだろ・・・!)

 ペトラ「!やめなさいエレン!
     それが許されるのは、自分の命が危うくなった時だけ!」

 巨人になろうとしたエレンをラルさんが止める。

 リヴァイ「エレン・・・お前は間違っちゃいない。やりたきゃやれ。」

 ペトラ「!?」

 ・・・マジで?作戦どうすんの!?

 リヴァイ「俺には分かる、どんなに力で押さえようとも、
      こいつの意識を服従させることはできない。
      俺たちの判断をアテにしなくていい・・・選べ。
      自分を信じるか、俺やこいつら、調査兵団という組織を信じるかだ。
      ・・・俺には分からない。ずっとそうだ・・・。
      自分の力を信じても・・・、信頼に足る仲間の選択を信じても・・・、
      結果は誰にも分からなかった・・・。
      せいぜい、悔いが残らない方を自分で選べ。」

 ヒョウ(・・・たしかに、自分を信じようが、仲間を信じようが、
     結果は神のみぞしるってものだ。
     実行している時にはどうなるか分からない。
     それが良い選択なのか、それとも自分の首を絞める悪手なのかさえ・・・。
     だから・・・、俺は、『学習者マナブモノ』を手に入れた。
     後悔しか残らない選択ばかり取ってきたから。
     せめて、その後悔から少しでも何かを学びたいと思ったから。
     この思いを抱いたのも、この言葉からだ・・・。
     ・・・そうだ。悔いが残らない方を俺は選ぶ。
     たとえ、俺が隠している権能・・を使ってでも・・・。
     少しでも多く、生かしてやる・・・!)

 兵長の言葉を聞いて、ヒョウが新たなケツイを抱いたようだ。

 ペトラ「エレン・・・信じて。」

 兵長とラルさんの言葉を聞いて、エレンは考えつつ、
 自分の右手を口に持っていって、巨人になろうとするが、
 まだ迷いがあるのか、巨人になるのを躊躇っている。

 リヴァイ「遅い!さっさと決めろ!」

 エレン「ッ・・・!進みます!!」

 どうやら、エレンは俺達を信じると決めたようだ。
 まぁ、それを決めたところで、今の状況は変わらない。
 向かってくる調査兵を粗方殺し終えた異形はどんどんスピードを速め、
 こちらに接近してくる。

 エルド「目標、加速します!!」

 リヴァイ「走れ!このまま逃げ切る!!」

 その指示に従い、全力で馬を走らす。
 そして、ついに目標地点まで着いた。

 異形の巨人(女型)「!?」

 エルヴィン「撃て!!」

 後ろからワイヤーが大量に発射される音が聞こえる。
 あの異形を捕まえたのだ。

 リヴァイ「ヒョウ、お前には俺について来て貰う。俺とヒョウとは一旦、別行動だ。
      適切な距離で、あの巨人からエレンを隠せ!いいな?」

 そういって、リヴァイ兵長は立体機動で樹の上に上っていく。

 ヒョウ「そういう事みたいだ。じゃあ、また後で。」

 そういい、ヒョウも兵長の後に続いていく。

 エレン「・・・まさか、あの巨人を生け捕りに・・・!?」

 グンタ「どうだ、エレン!あの巨人を捕らえたんだぞ!」

 オルオ「これが調査兵団の力だ!ナメてんじゃねぇぞ、このバーカ!
     わかったか!」

 エレン「!はい!」

 元気よく返事するエレン。
 この班とエレンの絆が深まったようで何よりだ。

 ペトラ「そういえば、ハチマン。
     さっき、後ろから銃声の音が聞こえてきたけれど、なんだったの?」

 ハチマン「ギクッ!」

 ヤベッ!

 エルド「いや、さっきな、ハチマンがいつの間にか持ってた銃で女型を
     攻撃してたんだよ。」

 ペトラ「えっ!?銃!?ハチマン、何で持ってるの?」

 ラルさんに黒い笑みで聞かれる。
 や、やばい・・・。権能で作ったものとはいえないし・・・。
 適当にごまかすしかないか・・・。

 ハチマン「え、えっとですね・・・、
      つ、作ってあったやつを持ってきたんですよ。」

 ペトラ「そう・・・。私的にはなんで作れたかが気になるところだけれど、
     今は聞かないでおくわね。」

 ハチマン「はい。」

 あぶねぇ・・・。ばれる所だった・・・。
 次から気をつけよう。

 エルド「さて、移動するぞ。ついてきてくれ。」

 全員「「「「「はい((ええ。)ああ。)!」」」」」

 さて、あの異形はどうなることやら。
 情報を聞きだせるといいんだが・・・。

 このときの俺は知らなかった。
 この後、雌雄を決する、まさに死闘といえる戦闘が続いていくことに・・・。


 補足

 ユニークスキル『七個之魂セブンスソウル』

 ソウルを冠するスキルを7つ統合してできたスキル。
 ユニークレベルでありながら、究極能力アルティメットスキル並の影響力を持つ。
 含む権能は、『渇望具現、法則操作、個性表現、魂器化、魂実化、道具箱』の6つ。
 それぞれ、まだまだ発展途上中である。

 ・渇望具現
  ハチマンを模したソウルの権能。
  使用者が望めば望むほど、望んだものが具現化する確率が高くなる。
  また、失敗しても、渇望を叶えるために必要なものを副次的に具現化し、
  最終的には望みを完全とは行かない程度で具現化できることもある。

 ・法則操作
  7つのソウルが集まってできた権能。
  天候や分子を操ったり、統合分離や異常支配と併用して、
  変質統合や変質分離をすることができる。
  尚、法則に干渉するための媒体として空気中の魔素を使うので、
  媒体となる魔素がないこの世界では使用できない。

 ・個性表現
  統合した自分以外の6つのソウルたちの人格が集まってできた権能。
  自分以外の6つのソウルたちの人格、経験、技術を星幽体アストラル・ボディーに
  一時的にインプットすることができる。
  尚、人格をインプットするため、使った時は一時的に、使用者の人格と
  インプットしたソウルの人格が1つの星幽体アストラル・ボディー、
  精神体スピリチュアル・ボディー、物質体マテリアル・ボディーに共存する、いわゆる多重人格になる。

 ・魂器化
  スキルに宿る自身と他の6つのソウルの意志が合わさってできた権能。
  自身と6つのソウルが生前使用していたものを武器として具現化できる。
  内容は以下の通りである。

  ・リボルバー
   骨董品のSAA(シングルアクションアーミー)。
   威力は高いが、命中力の低さと扱いにくさが目立っている。
   魔法武器マジックウェポンであり、命中したところにありとあらゆるものを侵食する
   異常バグを発生させることができる。
   等級は近藤中尉が使っていた南部式大型自動拳銃と同じ伝説級レジェンド。
   しかし、生み出すスキルがまだユニークスキルの粋の中なので、
   究極能力アルティメットスキルに至れば、必然的に神話級ゴッズへと昇華するだろう。

  ・カウボーイハット
   西部劇に出てくるような年季の入った茶色の帽子。
   魔法効果が付与されたもので、
   効果としては、リボルバーの威力と命中率を底上げするというもの。
   リボルバーを使う時にこの帽子をかぶれば、ある程度弱点を補填できる。
   等級は伝説級レジェンド。だが、スキル的に最終的には神話級ゴッズへと至るだろう。

  ・ノート
   ぼろぼろになったノート。
   一見、ゴミのように見えるが等級は伝説級レジェンド。
   魔法武器マジックウェポンであり、ノートに書かれた言葉を敵を打ち砕く石意思にすることが可能。
   回復もでき、バフ、デバフも操ることができる。
   神話級ゴッズに至れば、もっと効果を底上げできるだろう。

  ・メガネ
   古いくぐもったメガネ。
   これもゴミのように見えるが、他と同じく伝説級レジェンド。
   魔法効果も付随されており、これをかけるだけで、
   瞬時に解析鑑定、攻撃予測、多重結界、五感上昇、呼吸補助が発動する。
   神話級ゴッズになると、一体どのように変わるのだろうか・・・。

  ・フライパン
   ちょっと焦げてるフライパン。
   魔法武器マジックウェポンで、効果は『このフライパンを使った調理は人を必ず喜ばせる。』
   というもの。
   詳しく説明すると、このフライパンを使った料理を食べた人に
   魔力回復、体力回復、疲労軽減、身体能力上昇、状態異常回復、睡眠促進
   の6つの効果をもたらすというもの。
   等級はまだ伝説級レジェンドなので、神話級ゴッズになれば、
   もっと効果が増えるか、効果が上昇するだろう。

  ・エプロン
   少し汚れたエプロン。
   これも等級は伝説級レジェンド。
   魔法も付与されており、身に付けると、食事による栄養補給に補助が付く。
   つまり、口に入れたものをより消化しやすく、より栄養を取れるように
   自動的に補助効果が付くというもの。
   食事の際は必ずこのエプロンを身に付けよう。

  ・バレエシューズ
   ピンク色のバレエシューズ。
   等級は伝説級レジェンドであり、魔法効果の付与された魔法武器マジックウェポン。
   効果は、移動速度上昇、攻撃速度上昇、足蹴攻撃上昇、平衡感覚向上の4つ。
   まさに、拷問、バレエ、足を使った格闘術に最適な武具である。

  ・チュチュ
   ちょっと古いおさがりのチュチュ。
   見た目に反して、他の伝説級レジェンドの防具より比較的高い防御力を有しており、
   その上、威力軽減と武具軽量化、移動速度上昇の魔法が付与されている。
   神話級ゴッズに至れば、それこそ無敵に近い防御力を得られるだろう。

  ・てぶくろ
   擦り切れた革の丈夫なてぶくろ。
   見た目は普通の子供が身に付けていそうなてぶくろだが、
   武具としての等級は伝説級レジェンドと非常に強い。
   その上、魔法が付与されており、空拳攻撃上昇、反撃威力上昇、攻撃予測、
   拳闘攻撃速度上昇と、まさに殴りあいに特化した武具となっている。
   もし、材質が変質すれば、近接格闘では無類の強さを誇る武具となるだろう。

  ・バンダナ
   オレンジ色の勇気が湧いてくるバンダナ。
   筋肉の絵がかかれており、子供が身に付けていそうな見た目だが、
   等級は伝説級レジェンドであり、見た目に騙される事が多々ある。
   これにも魔法がかけられており、打撃軽減、一体化、金剛化、防御上昇、
   回避速度上昇と完全に殴り合いの際に有利になるであろう付与効果である。

  ・ナイフ
   見た目はプラスチック製のおもちゃのナイフ。
   実際は異常なほど硬く、耐久力があるが、
   切れ味はなまくら以下のまさに防御特化のナイフ。
   斬撃・打撃攻撃威力軽減、耐久上昇、自己修繕、攻撃予測、防御上昇、
   器用上昇の魔法効果が付与された伝説級レジェンドの武器であり、
   片手にこのナイフを、もう片方に威力の高い武器を持って、
   ナイフを防御に使い、片方の武器で攻撃するという戦法が有効だろう。

  ・リボン
   色あせた赤いリボン。
   見た目はまさに小さい少女が身に付けているであろうリボン。
   中身は斬撃・打撃攻撃軽減、耐久力上昇、自己修繕、防御上昇、麻痺軽減、
   回避速度上昇、金剛化、起死回生、忍耐の効果が付与された、
   完全に防御、回避向けの伝説級レジェンドの防具。
   ナイフと一緒に装備し、戦闘をすると、必ずといっていいほど、
   持久・耐久戦では勝利する。まさに、忍耐の勝利者タンク。

  ・立体機動装置
   対巨人用の高速移動戦術に必要な武具。
   非常に速い速度で移動、巨人の項を一瞬で削ぐという戦術を取れる。
   この世界には魔素が無いため、今まで変質しなかったのだが、
   ソウルたちの覇気オーラで一気に変質。
   ハチマンの使っていた立体機動装置が一気に伝説級レジェンドへと昇華した。
   その上、移動速度上昇、耐久度上昇、消費ガス軽減、規則性付与、
   斬撃威力上昇、投擲威力上昇、換装補助、身体能力向上、自己修繕の
   9つの魔法効果が付与された武具へとなった。
   補給用のガスと換装用のブレードも生成でき、完全に個で
   巨人を薙ぎ倒していける装備へと、この装備は昇華されたのだ。

  ・うでわ
   サファイアの付いた漆黒のうでわ。
   実は、漆黒の腕輪の部分は黒檀が魔素で変質した魔黒檀でできており、
   非常に丈夫で壊れにくく、魔素に馴染み易い為、魔宝道具アーティファクトを作るのに
   最適な素材であるので、他より魔法効果が非常に高い。
   しかも、付いているサファイアに関しても、普通のサファイアではなく、
   優美なサファイアというサファイアであり、魔素との相性も非常に良い。
   伝説級レジェンドを作る素材の中で、最も価値のある宝石だといえる。
   漆黒の腕輪には、耐久力上昇、自己修繕、多重結界の魔法効果が、
   サファイアには、被弾威力軽減、状態異常回復、魔力・体力回復、
   回避速度上昇、攻撃威力上昇、移動速度上昇、身体能力上昇の
   魔法効果が付与され、さらに他の伝説級レジェンドの武具よりも効果が高い。
   伝説級レジェンドでありながら、神話級ゴッズにも匹敵する力を持つ、
   非常に価値ある腕輪であるといえるだろう。

 ・魂実化
  ソウルたちの、子供としての意志が作り出した権能。
  人間体かソウルとして、物質世界に具現化できるというもの。
  つまり悪魔召喚や精霊召喚等の精神生命体を呼び出すのと同じもの。
  この権能を使用することで、多少の人数差を作ることができる。
  尚、副次効果として、魂器化で具現化した武具の性能を底上げする効果もある。

 ・道具箱
  ソウルたちの使っていた道具箱が集まってできた権能。
  1つのソウルにつき、8つまで入る道具箱を持っていたため、
  7人分の道具箱、生物以外の計56個のアイテムが自在に入る。
  非常に便利。


 
 

 
後書き

  
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