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やはり俺がink!な彼?と転生するのは間違っているのだろうか

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パラディ島編 第13話 トロスト区襲撃③ ~巨人とヒョウの謎~

ヒョウが呼び出したAU達が本部に向かう訓練兵を喰おうとする巨人達を
 屠っている頃、その呼び出した本人であるヒョウとそれと共に
 行動しているハチマンは、本部奪還のため、他の所に散らばった訓練兵に
 奪還作戦について知らせようとしていた。

 ヒョウ「・・・なかなかいねぇな・・・。」

 ハチマン「上手いこと、巨人と戦闘しているところを
      発見できたらいいんだが・・・。」

 ヒョウ「まぁ、そんなに上手くいかnパシュー・・・いっちゃった。」

 ハチマン「・・・取り合えず、救援要請の元まで行くか。」

 ヒョウ「・・・あぁ。」

 2人が信煙弾の所まで行くと、案の定、訓練兵が巨人と戦っていた。

 訓練兵1「やだっ!誰か助けてよぉ・・・!」

 ハチマン「よし、俺が殺る。援護を。」

 ヒョウ「あぁ、任せといてよ。」

 そういい、ヒョウは訓練兵1を襲う巨人の足を斬った。

 訓練兵1「!?」

 ヒョウ「ハチマン!いまだ!」

 ハチマン「・・・フッ!」ザシュッ

 巨人は足を斬られ、バランスを崩して地面に倒れる。
 そんな状態の巨人をハチマンが見逃すわけがなく(元々見ていたが。)、すぐに
 項のところまでアンカーを刺し、勢いのままに項を削いだ。

 ヒョウ「おい、大丈夫か?」

 訓練兵1「・・・!う、うん。・・・あ、ありがとう。」

 ヒョウ「別にいい、って言いたいところなんだが、ちと、手伝ってくれ。」

 訓練兵1「?何するの?」

 ヒョウ「多くの訓練兵が、ガス補給のために本部奪還作戦を決行している。
     その作戦にあんたも参加してほしい。」

 訓練兵1「・・・うん。分かった。どっちみち、私もこのガス量じゃ、
       壁を上れないしね。協力するよ。」

 ヒョウ「ありがとな。」

 訓練兵1は、その言葉を聞いた後に立体機動装置で本部の方に向かった。

 ヒョウ「これで一人目・・・。」

 ハチマン「他にもいるか探した方がいいか。」

 ハチマンがそう言った途端に挙がる3つの信煙弾。

 ヒョウ「・・・お前、なんか持ってんじゃねぇの?」

 ハチマン「・・・そうかもしんない。」

 2人は少し遠い目をしながら、信煙弾のほうへ向かった。



 ヒョウ「ッラァ!」ザシュッ

 ハチマン「・・・!」シュッ・・・バァァァァ!

 項を削ぐ音とGasterblasterが発射される音が響く。

 今、彼らの周りは多くの巨人で溢れていた。

 3つの信煙弾が挙がり、その挙がった地点にそれぞれ出向いて、作戦に協力して
 もらえるようになったのはいいが、トロスト区本部に向かう途中に、
 巨人に囲まれてしまった。

 ハチマンはブレードが今使っている1本、ガスが20%をきる状態になったため、
 審判者サバクモノの空間操作で巨人の掴み攻撃を避けたり、重力支配で巨人を地面に
 叩き付けたり、Gasterblasterで攻撃したりして、巨人の数を減らしていた。

 ここで思うだろう。重力支配を使って、巨人を地面に叩き付け、動けなくして
 逃げればいいと。

 しかし、ハチマンは度重なる戦闘で、心と体に疲労が溜まっていた。

 その上、少し前にユニークスキルを獲得したため、心核ココロの中の魔素も
 あまり残っていない。

 この状態では、到底増え続ける2,30体の巨人を一度に地面に叩きつけることは
 出来ないであろう。

 ヒョウは、ブレードは今使っているのを抜いて1本、ガスは携帯用ガスボンベという
 小さいガスボンベを使い、ガスを補給したおかげでまだ戦えているが、
 この調子では、最終的にガスが切れて、戦えなくなるだろう。

 彼のインク移動は、ハチマンの空間操作と違って、勝手が良くないのだ。

 一応、彼もGasterblasterは使えるが、あまり使っていないので、
 練度?が低い上に、前衛でずっと戦い続けているため、体力を消耗している。

 この状況でヒョウがGaterblasterを使ったら、エネルギー効率が悪すぎて、
 すぐ体力が尽きてしまう。

 その状況でハチマンが戦い続けるのは、無理に等しいので、地道に巨人を
 減らすことしかできず、攻めることが出来ないでいた。

 ヒョウ「チッ!こんなことになるなら、もっとGasterblaster
     使っとくべきだった・・・ねっ!」ザシュッ

 ハチマン「そんなこと、言ってる場合じゃない・・・だろっ!」ガコンッ

 ヒョウはハチマンに巨人の項を削ぎながら話し、ハチマンは返事しながら、
 重力支配で4,5体の巨人を地面に叩きつけ、骨で止めを刺す。

 少しずつ巨人の量を減らしてはいるが、補充とばかりに巨人がこちらに
 寄ってきて、喰おうとしてくる。

 そんな状況が続く。

 しかし、彼らは諦めなかった。

 ・・・ヒョウの場合は、何故か生き残れると確信していたからだが。

 そして彼も諦めなかった。・・・いや、諦められなかった。

 それは、ユニークスキル『決意のソウルケツイ』影響である。

 ユニークスキル『決意のソウルケツイ』は、権能として、
 魂喰い、save&load、輪廻転生、ケツイを持っている。

 魂喰いは、その名の通り、魂を食らい、それを保護して、輪廻転生で
 新しい肉体に魂を入れ、生きながらえさせたり、逆に敵の魂を手に入れ、
 それを自身のエネルギーとして吸収することができる。

 save&loadは、時間軸をセーブ。そしてロードすることができる。

 死ぬ前にセーブをしておけば、セーブした時間軸をロードして、
 生き返ることが出来る。

 しかし、勿論デメリットもあるわけで、時間軸をセーブ、ロードしすぎると、
 その時間軸が負荷に耐え切れず、壊れてしまう。

 時間軸そのものはほとんどのものには直せないので、やりすぎてはいけない。

 輪廻転生は、体を作り、その体に魂を宿すことができる権能だ。

 これを使えば、心核ココロが死なない限り、永遠に生きれる。

 最後に、ケツイ。これだけ強力なスキルには、勿論弱点やデメリットがある。

 このケツイはどちらかというとデメリットよりで、内容は
 『一度すると決めたことをやり遂げるまでケツイを抱き続ける。』というもの。

 つまり、決めたことをやり遂げるまで、死ぬことが、諦める事が許されない。

 どれだけ辛かろうとどれだけ傷を負おうと死ぬことができないのだ。

 だから、これだけ絶望的な状況でも、諦める事を許されない。

 目的を果たす(今回の場合、訓練兵たちを無事に壁を上らせる)まで、
 永遠に死ねない。

 そんな恐ろしい効果が、『決意のソウルケツイ』には有ったのだ。

 そんなことを知らず、ただひたすら刃を振るい、骨で巨人にとどめを刺す。

 そんな状況がしばらく続いたころ。

ダッダッダッ

 巨人が走ってくる音がした。

 ヒョウ「チッ!まだ増えるのか・・・。」

 ハチマン「ハァハァ、もう大分きついんだが・・・。」

 巨人「ウゥウォォォォッ!!」

 巨人は叫びながら、俺たちの周りにいた巨人に攻撃を仕掛ける。

 ハチヒョウ「「・・・は?(へ?)」」

 その巨人(次から謎の巨人と呼ぶ)は、他の巨人の腕を掴んで投げたり、
 頭を掴んで地面に叩きつけたりしたあと、最後に巨人の項を踏み潰して、
 止めを刺した。

 ハチマン「!?巨人が、巨人を殺して・・・。」

 ヒョウ「・・・ぁ。・・・進・・・撃の・・・巨人・・・。」

 その巨人に対する反応はそれぞれで、ハチマンは巨人が人の興味を示さず
 巨人に襲い掛かっている様子に驚愕しており、ヒョウはその謎の巨人のことを
 知っているような声で何かつぶやき、その巨人を期待と同情の目で見ていた。

 謎の巨人「ウゥゥゥゥォオオオッ!!」

 ヒョウ「・・・!ハチマン!ボーっとして得る場合じゃない!」

 ボーっとしているハチマンに迫る巨人の手に気付いたヒョウが、
 ハチマンに危険を知らせる。

 ハチマン「・・・ハッ!チッ!」

 それを聞き、意識がはっきりしたハチマンは巨人の手を空間移動で避けた。

 ヒョウ「ボーっとしないでくれよ。」

 ハチマン「オメーも人の事言えねぇだろうが。」

 ヒョウ「はっはっは。」

 ハチマン「オイ。」

 そんな風にじゃれあいながら?巨人を殺し、全部片付けると、
 謎の巨人は巨人が居なくなったからか、別のところに向かい始めた。

 ヒョウ「・・・あの謎の巨人、移動し始めたぞ。」

 ハチマン「そうだな・・・。・・・あいつについて行こう。
      巨人はあいつが倒してくれるだろうし、こいつを本部まで
      連れて行けば、現状を打破するきっかけになってくれそうだしな。」

 ヒョウ「・・・そうだな。」

 ハチマンはヒョウにそう提案し、残り少ないガスを使って巨人の後を追った。



 ハチマンの予想どうり、謎の巨人は道中に会った巨人を片っ端から殺していった。
 そして、その戦いを見て分かったこともあった。

 それは、謎の巨人が格闘術を身に付けており、その格闘術に俺たちが作ったり、
 学んだりした技もあるという事。

 この謎の巨人の中身が編み出したという可能性もあるが、カウンター等の
 反撃技には、アニとハチマンの格闘術に似ている部分がある。

 もしかしたら、この巨人の中身は・・・。

 そう考えているハチマンの横で、ヒョウはこの先のことを考え、
 少し不安になっていた。

 2人はそれぞれの考えを持って、謎の巨人のあとを追う。

 しばらく追っていくと、巨人がいきなり咆哮を上げた。

 謎の巨人「ウゥゥゥゥォォオオオッ!!」

 そしてどこかへ走っていく。

 ハチマン「へ!?ちょっ!」

 ハチマンは驚いて、その後を追っていく。

 ヒョウ「おい!」

 ヒョウもその後に続く。

 何とか謎の巨人を追いかけていると、謎の巨人は他の巨人を思いっきり殴り、
 その首を掴んで握りつぶした。

 ハチマン「うわー・・・。」

 ヒョウ「・・・ヤスラカニ。」

 謎の巨人はその巨人が死んだことを確認すると、通りの向こうに向かった。

 彼らもそれを追いかける。

 追いつくと、先ほどと同じように謎の巨人が他の巨人を殴っていた。

 しかし、彼にとって驚く光景が目に入る。

 ハチマン「!?・・・ミカサ!」

 そう。謎の巨人が他の巨人を殴るとき、足元にミカサがいた。

 なぜミカサがここに居るかは、十数分前に戻る。

 ---

 ミカサ「戦わなければ・・・、勝てない・・・!」

 ミカサはそう言い、同期の訓練兵たちに発破をかける。

 ジャン「っ!オイ!!俺たちは仲間一人に戦わせろと学んだか!?お前ら!!
     本当に腰抜けになっちまうぞ!!」

 ミカサの発破に乗ったジャンが、他の同期に同じように発破をかける。

 それに続く成績上位者たち。

 それを見たほかの同期たちも、叫びつつ特攻を開始する。

 ジャン「急げ!ミカサに続け!とにかく短期決戦だ!
     俺たちのガスが無くなる前に本部に突っ込め!!」

 ジャンが他の訓練兵に言う。

 ミカサはただひたすら目の前に居る巨人を倒している。

 しかし、

 訓練兵1「うわぁぁぁぁあ!」

 ミカサがいくら強かろうと巨人を全て片付けることができるわけでもなく、
 巨人に訓練兵の一人が摑まった。

 訓練兵2「ヴァロット!」

 他の訓練兵が助けようとする。

 だが、

 訓練兵2「!?ぅ・・・。」

 他の巨人にワイヤーを摑まれ、地面に叩き落される。

 それを見た周りも、喰われそうになっている本人も、「もう駄目だ・・・。」、
 「助からない。」、そう思っただろう。

 しかし、

 ???「オラァッ!」

シュッ・・・バァァァァッ!

 それを可能にする者たちがその場にはいたのだ。

 ???「おい、大丈夫か?」

 訓練兵1が、声を掛けられたほうを向くと、黒いパーカーに赤いシャツを着た
 スケルトンが居た。

 訓練兵1「!うわぁぁぁぁっ!ほ、骨が動いてるぅぅぅぅ!」

 訓練兵1は、そのスケルトンに驚き、立体機動で逃げていった。

 ???「あぁ?なんだあいつ・・・。」

 ???「おーい。そっちはどうだい?Fell。」

 Fell「食われそうなやつ助けたら、急に逃げたぜ。
    お前の方はどうなんだ?Dream。」

 Dream「うん。周りに居る巨人はある程度弓で動けなくしておいたよ。
     あとは、NightmareやMuderがやってくれると思う。」

 そんな風に会話する2人。だが、他にも巨人がおり、

 訓練兵2「キャァァァッ!」

 先ほどワイヤーを摑まれて、地面に落とされた訓練兵が地面を滑ってきた巨人に
 喰われそうになっている。

 Fell、Dream「「!」」

 それに気付いたFellは反応が遅れ何もできず、Dreamは弓を構え、矢を撃った。

 しかし、そんなもので巨人の突進を止められるわけもなく、
 その一部始終を見ていた訓練兵2は死ぬ覚悟をした。

 ???「」シュゥッ

 まぁ、その覚悟は杞憂に過ぎなかったのだが。

 ???「」ニィ

シュッ・・・バァァァァッ!

 Gasterblasterが撃たれ、巨人はビームに飲み込まれ消滅した。

 ???「おい、Bruh。だいじょうぶか?」

 訓練兵2「・・・え?」

 困惑する訓練兵2に声を掛ける黒いパーカーにフードをかぶったスケルトン。

 訓練兵2「・・・へ?・・・あ、ありがとうございます!では!」

 訓練兵2は、早口でそういい、立体機動で飛んで行った。

 ???「・・・。」

 なんとも言えない表情をするスケルトン。

 Fell「ま、まぁまぁ、元気出せよ。Epic。」

 Dream「そ、そうだよ!ほ、ほら!まだ巨人が居るから!片付けよう!」

 Epic「お、おう・・・。そうだな、Bruh・・・。」

 特に悲しくないのに何故か慰められ、ちょっと複雑な気分になるEpicだった。



 そんな風に後ろは援護してくれる何かが居るため、訓練兵たちは
 今だ誰も死んでいない。

 しかし、ミカサはそれに気付かず、動揺を隠そうと無駄な動きをしてしまう。

 コニー「しかし・・・、すげぇな。ミカサは・・・。
     どうやったらあんなに速く動けるんだ・・・。」

 コニーはミカサの動揺に気付かず、立体機動の腕に感心する。

 アルミン(いや・・・、ガスを吹かしすぎだ!あれじゃすぐに無くなる。
      いくら腕があっても、機動力が無くちゃ僕らは無力だ・・・。
      やはり・・・、いつもみたいに冷静じゃない。
      動揺を行動で消そうとしている・・・。このままじゃ・・・。
      いずれ・・・。)

 対して、アルミンはミカサの状態をすぐに判断して、不安な目で見る。

 そして、その不安は的中する。

 ミカサのガスが切れてしまったのだ。

 ミカサは、それに気付かず、立体機動を続けようとして、落下してしまった。

 アルミン「・・・!ミカサ!」

 アルミンはミカサを探すため、立体機動で移動する。



 ミカサはガス切れになり、地面に落ちた。

 だが、落ちた場所は運よく露店のテントの上だったため、外傷はひとつもない。

 しかし、

 ミカサ(あぁ・・・。
     ガスが無くなるまで、気付かないなんて・・・。
     まただ・・・。またこれだ・・・。また家族を失った・・・。
     また、この痛みを思い出して・・・。また・・・、ここから・・・、
     始めなければならないのか・・・。
     この世界は残酷だ・・・。
     ・・・そして、とても美しい・・・。)

 ミカサ「良い人生だった・・・。」

 ミカサは、度重なる命のやり取りと大切な家族の一人を失ったショックに
 耐え切れず、生きることを諦めてしまっていた。

 そんなミカサを喰おうと向かってくる巨人。

 気分が沈み、顔を俯ける。

 その時、自身の手に持っている折れたブレードを見て、ミカサは思い出した。

 ハチマン『勝てば生きる。』

 エレン『負ければ死ぬ。』

 ハチエレ『『戦え。戦え!戦え!!』』

 戦わなければ、生きれない。死んだら、このことすら思い出せないことに
 ミカサは気付いた。

 ミカサは立ち上がる。

 ミカサ「ごめんなさい、エレン・・・。あなたとハチマンが教えてくれたこと、
     私は忘れてしまっていた・・・。
     生きなきゃ、あなたのことを思い出すことすらできない・・・。
     ハチマンにも、二度と会えない・・・!
     私は・・・、戦う!生きるために戦う!生きて、あなたの分まで生きて、
     ハチマンと一緒にくらす!そのために、なんとしても生きる!
     ううぅぅぅぅぁぁあああ!!。」

 生きる活力を蘇らせたミカサ。ミカサに巨人が手を伸ばそうとした時、

ドコォッ

 後ろに居た巨人が、ミカサをくおうとした巨人を殴った。

 ミカサ「・・・え・・・?」

 ミカサはそれに驚く。

 謎の巨人「ウウウゥゥゥゥオオォォオ!!」

 謎の巨人は巨人を攻撃しながら、咆哮する。

 ミカサ(一体・・・、何が・・・。巨人が―――巨人を殺している!?)

 ミカサは困惑していた。この目の前の光景に。

 すると、

 ハチマン「ミカサ!」

 ハチマンがこちらに向かってくる。

 ミカサ「!!ハチマン!!」

 ミカサは、愛しい者を見つけたかのような表情でハチマンの名を呼ぶ。

 ハチマン「俺につかまれ!」

 ハチマンにそう言われ、すぐさまハチマンに抱きつくミカサ。

 ハチマンはそのままある程度離れ、家の屋根の上まで飛んでいった。

 ハチマン「ミカサ。大丈夫か?」

 ミカサ「グスッ、うん。大丈夫。」

 ハチマン「・・・。」ナデナデ・・・

 ミカサ「・・・。」スリスリ

 ヒョウ「・・・ねぇ。」

 ハチミカ「「!」」

 ミカサ「・・・いたの?」

 ヒョウ「・・・居たよ!君らがここまで飛んできた時から!
     ハァ・・・。イチャイチャするのは別にいいし、むしろ推奨するけど、
     場所と状況をもうちょっと考えてくれないかなぁ?」

 ハチマン「いや、いちゃいちゃなんてしてねぇよ。」

 ミカサ「ハチマントイチャイチャ・・・、ンフフ・・・♪」

 ヒョウ「ハァ・・・。」

 アルミン「・・・3人とも・・・、何やってるの・・・?」

 コニー「お、お前らって、そんな関係だったのか!?」

 ハチマン「アルミン・・・!」

 ヒョウ「コニー、落ち着け。こいつらはお前が思っている関係じゃない。
     ・・・ザンネンダガ。」

 コニー「?」

 アルミン「ミカサ!無事だったんだね!ハチマンとヒョウも!」

 ハチマン「あぁ。もうガスがほとんど残ってねぇけどな。」

 アルミン「!・・・そう・・・。」

 アルミンは少し残念そうに言う。

 ヒョウ「?何言ってんだ?ガスならまだあるぞ?」

 ヒョウは、そう言いながら、懐から立体機動装置の鞘についているガスボンベを
 少し短くしたようなガスボンベを取り出した。

 3人「「「・・・え?((へ?))」」」

 コニー「おぉ!ガスじゃねぇか!何で持ってんだ?」

 ヒョウ「ふっふっふー。こんなこともあろうかと、ちょっと多めに持ってきた。」

 3人「「「・・・。」」」

 コニー「おー!すげぇな!」

 ヒョウ「ふふん!」ドヤァ

 ハチマン「・・・はぁ。」

 アルミン「あはは・・・。」

 ミカサ「・・・それで、そのガスをどうするの?」

 ヒョウ「ハチマン。ガスは具体的に言えば、どれくらい残っている?」

 ハチマン「・・・10%ってとこだな。」

 アルミン「そんな正確に!?」

 ヒョウ「実は、俺らは結構耳がいいんだよ。」

 アルミン「いや!耳がいいってレベルの話じゃないでしょ!」

 ヒョウ「いいんだよ。そんな話は後で。とりあえず、このガスは、
     ハチマン。お前が使え。」

 ハチマン「!分かった。」

 コニー「?なぁ、ミカサにガスを渡せばよくないか?」

 ハチマン「何言ってんだ、コニー?ミカサは今、情緒不安定の状態だ。
      そんな状態のミカサに立体機動なんかさせれねぇだろ。」

 ヒョウ「・・あっ!ハチマン。ミカサはお前が運べよ?」

 ハチマン「・・・えっ?何で?」

 ヒョウ「いや、コニーはガスがあまり無いし、アルミンはミカサを
     持ち上げられなそうだし、俺は巨人の掃討に当たるから、
     消去法でお前になる。」

 ハチマン「はぁ!?おかしいだろ!?」

 ヒョウ「・・・ハチマン。ミカサのあの表情を見ても、考えは変わらないか?」

 ミカサ「・・・。」ウルウル

 ハチマン「・・・わかったよ。」

 ヒョウ「よし!そうと決まれば、ハチマン!ミカサをお姫様抱っこしろ!」

 ハチマン「はぁ!?なんでぇ!?」

 ヒョウ「いや、それ以外に立体機動で運ぶ体勢は無いぞ?」

 ハチマン「・・・はぁ。ミカサ。ちょっと失礼するぞ。」

 ミカサ「え?・・・/////」

 ハチマン「嫌だったら言ってくれよ。まぁ、嫌といったところで意味無いけど。」

 ミカサ「/////ううん、嫌じゃない。/////」

 ハチマン「そうか。なら良いんだが・・・。」

 ヒョウ「なぁ、イチャイチャしてるとこ悪いんだが、
     アルミンが作戦を思いついたって。」

 ハチマン「だからイチャイチャしてないって・・・。」

 ヒョウ「てか、一度ミカサを降ろしたらどうだ?」

 ハチマン「いや、巨人が来た時すぐに対応できるようにしとくわ。」

 ヒョウ「そうか。まぁ、とりあえずアルミンの話を聞こう。」

 アルミン「みんな。作戦があるんだ。ほとんどやるのはヒョウとコニー。
      君たち2人だ。だから・・・、やるかどうかは2人が決めてくれ。」

 アルミンが出した作戦とは、謎の巨人の周りに居る巨人をヒョウとコニーで
 倒し、本部まで誘導して本部周りの巨人を倒してもらうというもの。

 アルミン「明らかに無茶な作戦だ・・・。でも、ヒョウ「よし、それで行くか。」

 アルミン「・・・え?」

 ヒョウ「?何驚いた顔してんだ?」

 アルミン「いや、そんなあっさり肯定してくれるとは思わなくて・・・。」

 ヒョウ「何言ってんだ?打てる手が少ないこの状況。
     何が何でもやるしかないだろう?」

 アルミン「!・・・そうだね・・・。」

 コニー「まぁ、座学トップのアルミンが立てた作戦だ。大丈夫だろ。」

 ハチマン「そんなあっさり決めるのか・・・。まぁ、俺には関係ないが。」

 ハチマンは、珍しく2人を信じているからか特に不安視していないようだ。

 ハチマン(正直、ヒョウが居れば、この状況をすぐにでも
      打破できると思うんだがなぁ・・・。)

 ハチマンがそんなことを考えていると、2人はアルミンの作戦を決行した。

 ---

 その頃、ジャンたち104期訓練兵たちは、本部手前で進撃を止めていた。

 本部の状態を見つつ、ジャンは今、どうすればいいのかを考える。

 ジャン(ダメだ・・・。本部に近づくことすらできない・・・。
     犠牲を覚悟しない限りは・・・。)

 ジャンのその考えはしっかり当たっていた。

 訓練兵3「うあぁぁぁぁぁぁぁ。」

 ジャン(まずい!あいつ・・・、ガス切れだ!)

 そう思い、助けに行こうとした瞬間、巨人が訓練兵3の周りに集まる。

 訓練兵3「うあああ!」

 訓練兵4「トム!今助けるぞ!」

 訓練兵3を助けようと、2人の訓練兵が巨人の居る中に突っ込む。

 ジャン「よせ!!もう無理だ!!」

 その訓練兵たちを止めようとするジャン。

 訓練兵4「やめろぉぉおおお!」

 訓練兵4は、訓練兵3を喰おうとする巨人の項を削ごうとする。

 しかし、他の巨人に掴まれてしまう。

 訓練兵5「ひっ・・・!!ひっ・・・!!」

 一緒に助け出そうとした訓練兵も巨人に腕や足を掴まれる。

 本人たちが死を覚悟した時、その覚悟をいい意味でへし折る者たちが居た。

 ???「あらあら、俺も混ぜてよ・・・ッね!」ザシュッ

 ???「ッフン!」シュッ!

 急に現れた魚人の女と目から黒い何かを流したスケルトンが訓練兵たちを
 喰おうとする巨人を殺す。

 ジャン「は・・・?」

 ジャンは目の前で一瞬何が起こったかわからなかった。

 死ぬと思っていた仲間が謎の人物たちによって、生かされたのだ。

 驚くのも無理なかった。

 ???「フン。このきょじんとやらも、このUndyneの敵ではなかったな!」

 ???「いや、何言ってるの。Undyne。あんた、大半の攻撃が足止めくらい
     にしか使えないから弱点目掛けて槍投げただけじゃん。」

 Undyne「フン!細かいことにうるさいぞ!sans!いや、Kirrerか。」

 Kirrer「そうだよ。どんだけ名前間違えるのさ。はぁ、まぁいいか。
     こんだけ居たから、LOVEも上がって満足したし。」

 Undyne「私自身、お前にはあまり悪いニンゲンのようには
      なって欲しくないのだがな・・・。」

 Kirrer「悪いが、もう遅いよ。LOVEを上げる事が俺の趣味みたいなものに
     なっちゃったからな~。」

 Undyne「・・・そうか・・・。」

 ジャンはその会話を聞いていたが、言っている意味が分からなかった。

 他の訓練兵たちも会話は聞こえていなかったが、信じられないものを
 見たかのような表情をしている。

 それは喰われそうになった訓練兵たちも同じだった。

 ジャン(何言ってんだ?あの訳わかんねぇやつらは・・・。
     ・・・てか、今だろ!)

 ジャン「今だッ!!!あいつらが巨人を倒した!
     今のうちに全速力で本部に突っ込め!」

 マルコ「今しかない・・・!
     どのみち・・・、ガスがなくなれば終わりだ。全員で突っ込め!」

 ジャンは、他の訓練兵たちに指示を出す。

 マルコもそれに続く。

 それを見たUndyneとKirrerは、

 Undyne「どうやら突っ込むみたいだな。いいじゃないか!私も手伝ってやろう!」

 Kirrer「お、つまりまだEXPが稼げるってこと?いいねぇ!」

 と、彼らの行動に興奮(片方は別の意味の興奮だが)し、彼らの援護をしにいく。

シュゥゥゥー

 訓練兵たちは立体機動で目の前に居る巨人の伸ばした腕や足を避けて、
 本部に向かう。

 ジャンが巨人に足を掴まれたが、自力で脱出したり、喰われそうになった
 訓練兵をUndyneとKirrerが助けたりして、何とか本部にたどり着いた。

ガッシャーン

 立体機動で飛んでいたジャンは、その勢いのまま窓ガラスを蹴破り、
 本部の中に飛び込んだ。

 その後に続くように、多くの同期たちが飛び込んでくる。

 ジャン「・・・全員いるか・・・?」

 マルコ「・・・!ミカサやアルミンが居ない!」

 ジャン「いや、あいつらなら大丈夫だ。おそらくヒョウたちと一緒だ。」

 マルコ「・・・そうか・・・。」

 ジャンは、もう一度全員いるか確認しようとした時、
 机の下に隠れている生気のない訓練兵や泣いている訓練兵が目に入った。

 ジャン「お、お前ら・・・、補給の班・・・だよな!?」

 補給兵1「え・・・、あぁ・・・。」

 その返事を聞いたジャンは補給兵の一人の胸倉を掴んで、顔面を殴った。

 それをマルコが止める。

 マルコ「よせ!!ジャン!!」

 ジャン「こいつらだ!!俺たちを見捨てやがったのは!!
     てめぇらのせいで余計に人が死んでんだぞ!!」

 そう言い、憤怒するジャン。彼の怒りはもっともだ。

 補給兵2「補給所に巨人が入ってきたの!!どうしようもなかったの!!」

 そう言いながら、泣き叫ぶ補給兵2。

 ジャン「それを何とかするのがお前らの仕事だろうが!!」

 ジャンが補給兵2に怒り任せの口調で言う。

 ライナー「!?伏せろ!」

 そのとき、ライナーの声が響いた。

ドコーン

 巨人が壁に穴を開けて、こちらを見ている。

 多くの訓練兵が我先へと逃げる中、ジャンは巨人の顔の手前で、
 放心状態になってしまった。

 ジャンがどうなるか。それは、道とヒョウだけが知っている。

 
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