夢幻水滸伝
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第二百九十一話 列車砲の攻撃その十四
「特に市街戦をな」
「避ける傾向が強いですね」
「そうじゃ、今回はどうするか」
「そこを見極めて」
「まずは城門を壊すけえ」
こう言って自らも攻撃しつつ軍にも攻撃させた、そしてだった。
城門を揺らした、それを見てだった。
エミリーはウルリクルミからの攻撃を防ぎつつだ、将兵達に話した。
「城門を何とかや」
「守りますか」
「どの門も集中して攻撃を受けていますが」
「そうするんや」
ここはというのだ。
「城門を破られるとな」
「終わりですね」
「私等に城内に入って来る敵軍を凌ぐ戦力はない」
「このチャールストンには」
「だからですね」
「ここはですね」
「何とか守る、凌ぐんや」
こう言ってだった。
エミリーは自分もウルリクルミからの攻撃をかわし防ぎながら軍に術でそれぞれの城門に防壁の術をかけさせたりして攻撃を凌いでいた、だが。
碧はそれを見て正門に列車砲を含む攻撃を集中させた、列車砲は速やかに動き攻撃を開始し碧自身もだった。
正門に突撃し両手の拳にオーラを込めて激しい殴打を繰り返した、すると。
遂に正門が割れた、そして。
割れると共に砲撃と術の攻撃の総攻撃でだった。
遂に正門が崩壊した、碧はそれを見て叫んだ。
「正門に突撃じゃ!」
「はい!」
「わかりました!」
軍の精鋭が応えてだった。
正門に殺到した、エミリーはそれを見て観念した顔になって言った。
「もうこれはあかん」
「ではですね」
「これで、ですね」
「撤退や、ウエストバージニア州からもな」
この州からもというのだ。
「それでや」
「バージニア州ですか」
「そこまで撤退し」
「そのうえで、ですね」
「態勢を立て直しまた戦うで」
将兵達に話してだった。
エミリーは速やかに自身が率いる軍を撤退させ自らもそれにかかった、碧はその状況を見て言った。
「追撃をするがのう」
「それでもですね」
「退路は空けておくんじゃ」
左肩の傍に浮かんでいる因幡の白兎に答えた。
「そしてじゃ」
「そこから敵軍を逃がしますか」
「バージニア州の方を空けてな」
退路はというのだ。
「そうしてじゃ」
「撤退してもらう」
「追撃は仕掛けてものう、ここで囲んでもな」
そして殲滅戦を仕掛けてもというのだ。
「エミリーちゃん達には余力があるけえ」
「だから必死に抗戦されますね」
「そうなったら勝ってもこっちの損害が多くなる」
碧はそのことも見越していた、そのうえでの言葉だ。
「だからじゃ」
「この度は」
「退路を空けてじゃ」
「そのうえで追撃を仕掛け」
「ある程度の損害を与えるだけでな」
「よしとしますね」
「そうじゃ、では街の占領も行うんじゃ」
チャールストンのというのだ。
「ええのう」
「わかりました、では」
「占領じゃ」
こう話してだった。
碧は軍をその様に動かした、チャールストンは占領されエミリーは自軍の損害を出しつつも撤退した、これでチャールストンの戦いは終わったのだった。
第二百九十一話 完
2023・1・23
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