X ーthe another storyー
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第十一話 地夢その九
「私達は選び損ねてね」
「なったことですか」
「牙暁ちゃんも後悔してるよね」
「僕は貴女を助けたかった」
北斗に目を閉じて答えた。
「どうしても。ですが」
「出来なかったって言うんだ」
「申し訳ありません」
謝罪もした。
「あの時は」
「だから皆がね」
「運命を選び損ねたからですか」
「私も昴流ちゃんも星ちゃんもね」
北斗は自分達の名前を挙げていった。
「勿論ね」
「僕も」
「それだけだよ、けれど今度はね」
「その運命をですか」
「選び損ねない様にしたし、どうなっても」
北斗は牙暁ににこりと笑って話した。
「だから安心して」
「僕達はですか」
「うん、絶対にね」
それこそというのだ。
「間違えないよ、星ちゃんもね。それでね」
「人間も地球も」
「悪い様にはならないよ、世の中って白と黒だけじゃないよね」
「灰色もありますね」
「他の色もね、そしてね」
それにと言うのだった。
「他の色だってあるね」
「世の中には」
「未来も同じだから」
「白か黒か」
「人間か地休かだけじゃないよ」
「そのどれもが幸せになる」
「そんな運命もあるから」
だからだというのだ。
「牙暁ちゃんは希望を見てね」
「夢見をしていっていいんですね」
「うん、よく言うわよね」
北斗はあらためて話した。
「世の中色々悪いことがあるけれど最後は」
「希望ですね」
「そうだよ、悪いことは一杯あっても」
「希望はですね」
「あるんだよ、そしてね」
それにと言うのだった。
「希望はどんなものよりも強いよ」
「よく言われますが」
「その希望があるから」
「僕達には」
「諦めなくていいよ、希望はずっと私達と一緒にあるから」
「諦めないで」
「見ていってね、とはいってもね」
北斗は牙暁にこうも言った。
「難しいよね」
「僕はとても希望は」
「私が星ちゃんに殺されたことも見たし」
「様々な絶望も」
「そうだね、昴流ちゃんの絶望もね」
「そうしてきましたから」
かつてのことをだ、牙暁は北斗に話した。
「ですから」
「そうだよね、けれどあれはね」
「先程お話された通りに」
「皆が運命を選び損ねてのことだから」
「今度はですね」
「むしろあの時失敗したからね」
それ故にというのだ。
「今度は違うよ。それに桃生さんはね」
「あの人は生きていますね」
「牙暁ちゃんは死ぬと思ってたよね」
「夢見ではそう見えました」
彼のそれではというのだ。
「そしてです」
「丁さんもだよね」
「そう見ていました」
彼女もというのだ。
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