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夢幻水滸伝

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第二百九十一話 列車砲の攻撃その四

「一体」
「日本の国土ではそうですね」
「鉄道は大いに使うがのう」
 事実極めて発達している、こちらの世界においても綾乃は太宰の政策で鉄道の施設を大いに行い他の勢力もそうしている。
「列車砲はな」
「持っておられへんですね」
「地下世界でもじゃ」
 こちらでもというのだ。
「愛ちゃん達は線路は敷いてじゃ」
「列車を動かしていますね」
「そうしちょるが」
「列車砲はですね」
「地下世界の誰も考えとらんわ」
 全くという言葉だった。
「ほんまのう」
「そうですね、ですが実は我が国ではです」
 ボームはアメリカの事情を話した。
「実は起きた世界では列車砲を多く用いていました」
「そうだったんか」
「はい、広大な海岸線を守る為に」
 そこに敵が攻めてきた時に備えてというのだ。
「海岸線沿いの線路を走らせて」
「砲撃か」
「それを考えまして」
 それでというのだ。
「列車砲を多く建造し」
「使っちょったんか」
「そうでした」
「そうだったんか」
「欧州ではドイツが有名ですが」
 この国がというのだ。
「ヒトラーも造らせていましたし」
「髭のおっさんもか」
「はい、画家志望でワーグナー好きの」
 こうしたことで知られるというのだ。
「彼もそうでしたし」
「列車砲をよお用いちょったか」
「平野部で線路を敷いて」
 そうしてというのだ。
「敵の街や拠点を攻撃するにもです」
「ええんか」
「そうです、列車砲は」
「そうじゃったか」
「それで、です」 
 ボームは碧にあらためて話した。
「ワテクシはこの度は」
「列車砲を用いてか」
「そしてです」
 そのうえでというのだ。
「チャールストンを攻撃しようと考えています」
「そうなんじゃな」
「はい、この発想は」
「わらわ達には全くじゃけえ」
 碧は腕を組んで難しい顔になって答えた。
「まさにじゃ」
「考えられなかったですか」
「列車砲は過去の遺物とじゃ」
 その様にというのだ。
「思うちょった」
「うち等もです」
「あの、列車砲って使い勝手悪くて」
「何の為に使うか」
「わかりませんでした」
「周囲が海に囲まれ山岳が目立つ島ばかりでしかもトンネルも多い国なら」
 ボームは述べた。
「当然ですね」
「大砲は使いますけど」
「あと戦車や装甲車も」
「鉄道自体も」
「そやけどほんま列車砲は」
「国家が違えば重要視される兵器も違います」
 その地理的環境があってだ。 
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