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仮面ライダーアギト 新しい誇り

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第四章

「総監のところですか」
「そうよ」
 すぐにそう返した。
「それが何か」
「いえ。ただ総監も何か思われるところがあるそうなので」
「何か」
「そうです。まあそこは実際にお会いすればわかることでしょう。それでは」
「ええ」
 こうして二人は別れた。その中で尾室が小沢を追い掛けてきて囁いてきた。
「何なんでしょうね、一体」
「さあ。どちらにしろすぐにわかるわ」
「すぐにですか」
「そうよ。だから気にはしないわ」
 彼女は言う。
「それにしても。相変わらずね」
 そのうえで北條に対して考えを巡らせる。
「嫌味なところは」
「それですか」
「まあいいわ」
 それでも小沢は言った。
「総監のところへ行きましょう、いいわね」
「わかりました」
 こうして二人は総監のところへ向かった。するとそこには総監の他にもう一人いた。
「やあ」
「結城警視監だ」
 署長が彼のことを説明してきた。
「宜しくな」
「はい」
 小沢はそれに応える。そのうえで総監である本郷と正対する。
「既に話は聞いているな」
「ええ」
 小沢は総監の言葉に答える。
「G3Xチームのことですね」
「そうだ、氷川君も既に呼び戻している。また君達に頑張ってもらいたい」
「わかりました。ですが今度の相手はアンノウンではありませんね」
「うむ」
 総監はその言葉に頷く。その通りであったのだ。
「そうだ。実はな」
「どんな相手なんですか、今回は」
「まずはもう一つのアギトと言っていい存在だ」
「もう一つの」
「そうだ、まずは彼等の相手をして欲しい。既に北條君にも戦闘用意を命じている」
「そうだったのですか」
「そうだ。当然君達にもだ。氷川君と合流したならばすぐに」
 総監はこう言葉を続ける。
「向かってくれ。場所はこちらで誘導する」
「わかりました。そしてその敵ですが」
「それもデータをコンピューターに送っておいたよ」
 結城が応えてきた。
「既にね。ただ一つ言えるのは」
「何でしょうか」
「アンノウンとは全く違う存在だ。だがその思考形式は人間と同じだ」
「人間と」
「そうだ。それを念頭に置いて動いて欲しい」
「わかりました」
 小沢は彼の言葉にも頷いた。どちらにしろ今度の相手がアンノウンとは全く異なるのだけはわかった。
「それでは今回も頼む。氷川君とだが」
「はい」
 まだ彼は来ていない。チームの要である装着者がまだ来ていないのが残念と言えば残念なことではあった。
「彼もすぐに来る。そして合流次第」
「現場にですか」
「うん、ではな」
「了解」
 こうしてG3Xチームの行動も決まった。小沢は敬礼の後で尾室と共にトレーナーに戻った。総監は結城と共にそれを見送った後で彼と話をはじめた。
「さて、問題はあの相手を倒した後だな」
「ええ」
 結城は彼の言葉に対して頷いた。
 
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