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真恋姫を駆けた男

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楽進、于禁、李典に会う。

~真紅狼side~
出来あがった武具を特殊な袋に入れ、陳留に向けて帰ってた時、近くの集落で黄巾党の連中が襲っていた。
助けようと思って向かったら、三人の女性が追い払っていた。
だが、黄巾党の一人が何か叫びながら逃げていった。


「おい、大丈夫か?」
「貴方は?」
「・・・真紅狼だ。」
「真紅狼さんですか。」
「今の連中は黄巾党だよな?」
「ええ、連日襲撃してきてます。」
「じゃあ、お前らは毎日ここで追い払ってんのか?」
「最初は、陳留に行くために少し休むために寄ったのですが、黄巾党の連中が攻めてきて、それからずっとここに留まってます。」
「陳留に目的があるのか?」
「曹操に仕えようと思いまして・・・」
「・・・へぇ。そう言えばさっき一人の男が叫んでいたが何言ってたの?」
「なんでも「明日、この近くに居る仲間を呼んで攻めてやる!!」と言ってました。」
「ふむ・・・俺が一人で相手をしよう。」
「無茶です!!」
「曹操に仕える前に死ぬかもしれないんだ。嫌だろ?」
「確かにそうですが・・・でも一人は無理だよ。」
「そんなに無理だと思うなら、明日集落の入り口付近で見ていればいい。この世とは思えない光景を見せてやるよ。」


三人の女性は半信半疑になっていたが、納得してくれた。
さて、使う武器は・・・ガンブレードと“カーネフェル”で対応できるだろ。
~真紅狼side out~


~楽進side~
毎日のように黄巾党の連中が攻めてきて、表情には出てないが私たちはかなり疲れていた。
そこに旅の者が来た。
真紅狼さんは旅の者だと言っていた。
私たちの事情を話すと「一人で相手をする」と言いだした。
私は正気の沙汰ではないと思い、必死に止めたが「大丈夫だ」と押し切られてしまった。


「あ、そうでした。私たちの名を言っておきます。私は楽進です。」
「私が、于禁だよ♪」
「最後にあたしが李典や!よろしくな、真紅狼。」
「おう。んじゃ、寝てろ。見張りは俺がやっとくから。」
「ですが・・・」
「寝 て ろ!!」
「「「・・・ハイ」」」


一瞬、般若の顔が出ていたが、気のせいと信じたい。
そんなことを思いながら、私たちは落ち着いて寝た。
~楽進side out~


次の日・・・


~真紅狼side~
昼よりの時刻に連中は来た。
俺は少し集落から離れて、一人のんびりとガンブレードを肩に担ぎながら待っていたとき、向こうから「ズドドド・・!!」という地響きが聞こえてきた。


「お前、誰だ?」
「あの集落に雇われた用心棒さ。」
「あの集落にはガキが三人居たはずだが?」
「彼女たちなら、集落を護ってるよ。俺の役目はアンタ等をここで潰すことだ。」
「お前、正気か?たった一人で、俺達を潰すってか?」
「ああ。」


そう答えた瞬間、黄巾党の連中は全員笑っていた。


「馬鹿じゃねぇか、お前。行くぞテメェラ!!」
「「「ウオオオオオォォォ!!」」」
「本当にバカだよな。・・・お前らがな。」
向かってくる黄巾党の連中は真紅狼の行動が分からなかった。
なんせ、武器を上に向けていたのである。
「どうせ虚勢だ。」と思いそのまま進軍を続けていたが、次の出来事により全てが止まった。


『ブラスティングゾーン』!!


俺はガンブレードを高く上げ、『ブラスティングゾーン』と言った。
次の瞬間、魔力で生成した光りの刃が黄巾党を真っ二つに両断した。


「2,30人しか殺せなかったか、縦に並んだところを狙った方が効率がいいな。」


とのんきなことを呟いていた。
黄巾党の連中は今の出来事が理解できてなかったらしく行動が出来ていなかった。
次はコレだな。


『リボルバードライヴ』!!


ガンブレードを前に突き出し、闘気の力で突っ込んだ。
一人、また一人と体が削れていき、黄巾党の中心に着いた。


「一点突破に使えるな、この技は。」
ようやく、連中は俺が危険だと分かり、一斉に襲いかかって来た。
だが、わざと中心に来たことまでは連中も知らなかった。


『フェイテッドサークル』!!


俺を軸にしてガンブレードを回し、そのとき撒かれた火薬を発火させた。


ゴゴンッ!!
グシャ!!
ビチャ!!


先程撒いた火薬の辺りから、円の形をしたクレーターができ、地面には無数の死体と血の跡が出来ていた。
なんせ、まともに食らえば、膝から上が弾け飛んでるんだからなぁ。
酷くても、上半身が無い状態だ。
この光景を見た、残りの黄巾党は蜘蛛の子のように逃げて行きはじめた。
その中で一人だけ、立ち向かってくる者が居た。
開始前に喋っていたリーダーらしき男だった。


「うおおぉぉぉ!!」
「へぇ、逃げないのか。」
「テメェを倒せば、どうにでもなる!!」
「なら、相手をしてやろう。・・・それでは“カーネフェル”をお見せしよう」
絵札(トランプ)で戦うなんて聞いたことがねぇぞ!!」
「・・・余所見してていいのかな?」


そう言ったときには男の前まで潜り込み、右下、左下へとカードを振り降ろし、切り刻んだ。


「がぁ!!」
「逃げていれば、まだ生きられたものを・・・」

              
               SUPERCANCEL!!!


その隙をついて、乱舞し男の体全体を切り刻んだ。


「ぐあああ!!」
「見せてやるよ、カーネフェルの真髄を!!」


そう言った俺は高速で突進し、みぞおちを叩き込みその場に動けなくなった男に対し、52枚のカードが絶え続けなくなく襲った。


「それでは、ごきげんよう・・・」


と片手を上に上げながら、帰っていった。
~真紅狼side out~


~李典side~
なんやアレ?
いきなり、剣っぽいモノから光が出てきたと思ったら、今度は剣っぽいのを突き出しながら突進してさらに連中を削った。
極め付けが最後の技や。
大きな爆音と衝撃が辺り一帯に影響を出し、あの兄ちゃんが回転した円の部分以外は地面が抉れ、黄巾党の連中の死体が築き上げられていた。


「ありえへんやろ」


そう、目の前の光景はあり得なかった。
そして、宣言通り、この世とは思えない光景だった。
辺りは血の海でちらほらと見えるのは連中の吹き飛んだ体の一部が無残な姿で転がっていた。
その中心に立つのは、黒と白の服を着た男。
まるで獅子のように紅い地面を歩く。


「紅き獅子やな・・・」
「・・・なに?真桜ちゃん?」
「いや、あの兄ちゃん。まるで獅子のように血の海を歩いているから紅い獅子のように見えてな。」


沙和は兄ちゃんの方を見ながら、頷いてくれた。


「・・・確かにそう見えるね。あっちの方から誰か来るよ!」
「また黄巾党の連中か?」


と凪も来た。


「済まない、ここに黄巾党が出現したという報せを聞いて駆けつけた。私は、曹操様の部下、夏侯淵という。・・・黄巾党はどこに?」
「黄巾党なら先程、全滅しましたが?」
「全滅・・?貴方達がやったのか?」
「違うの。真紅狼さんという方が一人でやったの。」
「・・・真紅狼殿がここに居るのか?」


殿?なんや、あの兄ちゃん。この姉ちゃんと知り合いか、なんかか?


「ちょうど、あそこに居ますが?」
「確かに・・・真紅狼殿だ。」


振り向いたときには、血の海を渡り終えた『紅き獅子』はこっちに気が付いた瞬間、気まずそうな表情をしていた。
なんか、あったんかな?


「よう、戻ったぜ。・・!?」
「・・・探しましたよ、真紅狼殿?」
「・・・なんで、ここにいるんだよ。秋蘭」
~李典side out~ 
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