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ホイールオブフォーチュン

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第二章

 逆だった、速水は居蔵にそのカードを見て話した。
「運命の輪の逆ですか」
「よくないカードですか」
「そうなります」
 自分の話に暗い顔になった居蔵に答えた。
「運命の輪は文字通り運命の転換点となる」
「そうしたものですか」
「はい、ですから」
 それ故にというのだ。
「これが逆になりますと」
「運命は悪いものになりますか、つまり」
 居蔵は暗い顔で述べた。
「私は次の選挙では」
「落選するとですか」
「実は選挙区に今度野党から有名な大学教授が立候補するので」
 それでというのだ。
「私も内心です」
「危ういとですか」
「思っていまして」
 それでというのだ。
「お伺いしたのですが」
「そうでしたか」
「やはりですね」 
 暗いが達観した様な顔で述べた。
「そうなりますか」
「いえ」
 ここでだった。
 速水は一呼吸置いてだ、居蔵に話した。
「占いは道標です、悪い結果が出てもです」
「それでもですか」
「気を落とさずにそうならない様にです」
「やっていくことですか」
「他のカードも見て気をつけて」
 そうしてというのだ。
「ことを進めて下さい、またこの占いは次の選挙だけのことで」
「他のことには関係ないですか」
「何でしたら貴方の全体の運命も占いますが」
「お願いします」
「それでは」
 彼も頷いてだ、そうしてだった。
 速水は今度もケルト十字でそのうえで居蔵のこれからの人生全体を占うと。
 非常にいいカードがかなり出た、最後は世界の正で速水は言った。
「貴方の人生全体はいいです」
「そうですか」
「とても、ですがこれは無料で占わせて頂きますが」
 こう前置きして居蔵に話した。
「対立候補のお名前を教えてくれますか、経歴も」
「和多明樹、東京大学教授でした」
「あの人ですか」
「ご存知ですか」
「聞いています、よくない噂が尽きない人ですね」
「まことに。ですがマスコミや市民団体という特定の人達に人気がありまして」
 それでとだ、居蔵は答えた。
「今度の選挙で私は」
「そうですね、ではその人のことも占います」
 こう言ってこれまたケルト十字で占うとだった。
 恐ろしい程悪いことを示すカードが出てそうして最後はだった。
 塔の正だった、速水はここまで見て言った。
「ご安心下さい、あの人は根っからの悪人で」
「そうですか」
「そしてその結果です」
 まさにというのだ。
「やがて破滅します、貴方が若し悪いことになるとしても」
「今回の選挙だけで」
「そうです、貴方の人生自体は素晴らしいもので」
「あの人は悪い人で破滅するので」
「大筋で安心していいです、一時期悪くとも」
 それでもというのだ。
「必ずいいものになります」
「そうですか、ではお礼を」
 占ってくれた代金をと言ってだった。
 居蔵はそう言ってだった、速水に報酬を払って店を後にした、速水はそのすぐ後で次の客の占いをした。
 そのうえでだ、次の都議会の選挙では居蔵は和多に敗れたのを見た。都議会は和多が所属していたマスコミやプロ市民が贔屓している政党が与党となった。 
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