八条学園騒動記
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第六百九十一話 それぞれの鱒料理その三
「生きた熊のお腹裂いてね」
「内臓を食べていたの」
「うん、両手両足も切って」
そうしてというのだ。
「それで裂いたお腹を開かせてね」
「随分猟奇ね」
「それで食べていたけれど」
その内臓をというのだ。
「野生の生きものだし尚更ね」
「寄生虫ね」
「この心配があるから」
だからだというのだ。
「食べたら駄目だよ」
「生では」
「まあ普通はしないけれどね」
「熊のお肉を生で食べるなんて」
「野生のね」
「そういえばホッキョクグマって」
クララはこの熊を思い出して話した。
「絶対に虫いるのよね」
「そうだよ」
「だから食べたら駄目ね」
「絶対に火を通すか」
若しくはというのだ。
「冷凍させてね」
「殺菌ね」
「殺虫でもあるね」
「そうして」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「食べるべきだよ」
「生でそのままは絶対に駄目ね」
「あと肝臓もね」
ホッキョクグマはというのだ。
「危ないんだ」
「毒あるんじゃないわよね」
「毒はないけれど」
それでもというのだ。
「ビタミンAが多過ぎてね」
「危険なの」
「ビタミンも一気に摂り過ぎると」
そうすればというのだ。
「危ないんだ」
「だからなのね」
「しかも煮ても焼いても多過ぎるから」
ホッキョクグマの肝臓にあるビタミンAはというのだ。
「食べたら駄目なんだ」
「食べると危険なの」
「毒ではないけれど」
ビタミン自体はだ。
「過ぎるとね」
「身体に悪いから」
「だからね」
「食べると駄目なのね」
「かなり酷いことになるみたいだよ」
食べればというのだ。
「本当にね」
「ううん、熊の肝臓って滋養にいいィメージだけれど」
「それも過ぎるとね」
その場合はというのだ。
「本当にね」
「毒になるのね」
「そうだよ、だからね」
「熊の内臓は食べても」
「生では駄目で」
「ホッキョクグマになると」
「絶対にね」
それこそというのだ。
「食べたら駄目だよ」
「そうなのね」
「そう、だから」
それでというのだ。
「気を付けてね」
「そうするわね」
兄のその言葉に頷いた。
ページ上へ戻る