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柴犬は猟犬

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第二章

「元気ね、柴犬って」
「そうでしょ」
 瑠衣は微笑んで応えた。
「小さくても力もあって」
「すばしっこくてね」
「そうした種類なのよ」
「そうなのね、それにね」
 由利香はこうも言った。
「体力もあってよく吠えて」
「ワンワン」
「この通りね」
 瑠衣に向かって鳴いたジロを見つつ話した。
「よく吠えるのよ、静かにしなさいって言ったら黙るけれど」
「何かあるとでしょ」
「夜でもね」
「それはね」
 瑠衣は由利香に話した。
「柴犬って猟犬だし」
「そうそう、これがね」
 由利香もそれはと答えた、二人共今は私服で動きやすいズボン姿である。
「元々は狩猟に使う」
「そうした犬よ」
「そうなのよね」
「だからね」 
 そうした犬だからだとだ、瑠衣は話した。
「小さくても力があって体力もあって」
「よく吠えるのよ」
「それで結構ね」
 由利香はさらに言った。
「喧嘩っぱやいっていうか」
「気が強いでしょ」
「他の犬が来たら」
 そうしたらというのだ。
「どんな犬でも最初はね」
「吠えるわね」
「最悪唸ってね」
 そうしてというのだ。
「向かおうとするのよ」
「そうよね」
「いや、可愛いけれど」 
 それでもとだ、由利香は瑠衣に考える顔になって話した。
「攻撃的なのね」
「だから元々は狩猟犬だから」
「気が強くて」
「他の犬にも向かうのよ」
「頭がいいから言うこと聞いてくれるけれど」
「案外そうしたところあるでしょ」
「家族皆で言ってるわ」
 家族内の話もした。
「これが案外ね」
「気が強いって」
「そうね」
 まさにというのだ。
「そうなのよ」
「噛んだりする子もいるから」
 このこともだ、瑠衣は話した。
「うちの親戚の子はないけれど」
「ジロもないわ」
「けれどね」
「そうしたことをする子もいるのね」
「そうよ」 
 柴犬の中にはというのだ。 
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