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恋愛スパーク

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第一章

                恋愛スパーク
 舞島絵里奈は今恋をしている、その為でだった。
 頭の中はそれで一杯である、話すこともだった。
「また裕一郎君のこと?」
「今日もその話題?」
「昨日もずっとだったし」
「今日も?」
「いや、もうね」
 茶色のしてワイルドにセットした長い髪の毛とやや吊った大きい目で細くした眉である、顎は尖っていて唇は薄く大きめだ、背は一六四位で通っている高校の制服である紺のブレザーとグレーのミニスカート、赤のリボンとピンクのブラウスから出ている足はすらりとしている。胸は普通だ。
「本当に今ね」
「頭の中が彼のことで一杯で」
「もうそればかりなのね」
「それで口にも出るのね」
「そうなのよ」 
 クラスメイトにのろけきった顔で語った。
「これがね」
「やれやれよ」
「聞かされる方はね」
「何処がどういいかとか」
「ずっと一緒にいたいとか」
「そんなことばかりで」
「いやあ、お家に帰ってもね」
 絵里奈はのろけながらさらに言った。
「携帯でね」
「彼と話す」
「そうしてるのね」
「ずっと」
「メールも二十は送ってるし」
 一日にというのだ。
「本当にね」
「完全に恋愛モードね」
「それも夢中」
「そうなってるのね」
「そうなのよ」
 自分から笑いつつ言った、とてつもなく緩んだその笑顔で。
「これがね」
「全く、はじめての彼氏で」
「完全にそうなってるのね」
「今は」
「そうなの、もうこんな状態になるなんてね」
 にへらとした笑顔で言う。
「思わなかったわ、いいわって思っていたら」
「その子に告白されたのね」
「松井君に」
「そうなったのよね」
「それで二つ返事ではいと言ったら」
 交際することにしたならというのだ。
「もうね」
「それがなのね」
「もうなのね」
「これがなのね」
「性格よし学校の成績よしで」
 それでというのだ。
「スポーツは得意じゃないけれど」
「性格ね」
「それもいいかな」
「こんな子と付き合ってもいいのってね」
 右手を頭の後ろにやって緩みきった笑顔のまま話していった。
「思ってるわ」
「やれやれね」
「全く以て」
「これまでクールだったのに」
「それがだから」
「いやあ、私でもこうなるのね」
 自分でも言うのだった。
「おのろけに」
「全く、どうしたものか」
「これまでのあんたと別人よ」
「そうとしか思えないわ」
「見ていてね」
「そう?いや本当にいいのよ」
 その顔で応えてさらに言う。 
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