| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

イナズマイレブン~クロスライジング~

作者:shoogel
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
次ページ > 目次
 

新たな挑戦!!

「………ということだ」

(そういうことだったのか……)

俺は初めて父さんという存在の大きさを感じる。

(息子の為にそこまで出来る男だったのか…)

「ん?なんか失礼なこと考えてないか?」

(考えてないよ。……ありがとう。父さんのお陰で俺、さいっこうにサッカー楽しんでるよ…!)

「ふっ…、じゃないと困る」


「……おじさん」

晴矢が俺に声を掛ける。

「何だ?おじさんの生き様に惚れたか?」

「んなわけねえだろ!でもよ、あんたカッケェよ」

「惚れてるじゃん」

「違うっ!」

晴矢をからかうのを楽しむ俺。

「で、その後友達を呼んであげるってのが真紅のことだったわけだね」

「流石風助」

(でも、よく俺…生きれたな……)

「……ああ。お前は生きてる。俺と遥香の…宝」

(さ、流石に照れるって!)

「真紅…俺の力…、よく感じてモノにしろ。お前なら出来る。俺を超えることさえも…」

(…?ああ)

スゥ……‥…

「唐突に変わったな?よし、というわけで父さんに力を借りに行こう!」

「ああ。それに俺たちのレベルアップも必要だ」

ヒロトの言葉に俺たちは頷く。

「ああ。今の俺たちでは勝てない。間違いない。そして俺たちの力だけでも勝てない」

「では、どうする?」

「つまりは………………」









「よ、宜しくお願いします円堂さん!!」

「ああ!試合開始だ!!」

ピーーーーーー!!

《始まりましたぁ!雷門中対陽花戸中の練習試合!!》

雷門中

FW 黒薔薇 アツヤ 染岡
MF 一之瀬 天空橋 鬼道 風丸
DF 小暮 吹雪 壁山
GK 円堂

陽花戸中

FW 戸田 黒田 松林
MF 祭利田 笠山 道端 志賀
DF 石山 玄界 筑紫
GK 立向居

ボールは陽花戸中から。

「雷門中に陽花戸中のサッカーをみせるばい!!」

「「「おおおお!!」」」

戸田くんの声掛けに応じ陽花戸中の選手が声を上げる。
ボールは戸田くんから、黒田くんへ。

「へっ!甘いぜ!」

「うおっ!?」

アツヤくんがすぐさまボールを奪い上がっていく。

「染岡っ!!」

「よし!」

アツヤくんから染岡くんにパスが渡る。

「よおし…立向居!挨拶がわりだっ…!」

染岡くんが蹴りの構えをとる。

「ドラゴンクラッシュ!!」

「こ、これが染岡さんのドラゴンクラッシュ…!!止めて見せるっ!」

立向居は雷門中みんながよく知っている構えをとる。

「ゴッドハンドッ…!!」

円堂くん、お兄ちゃんとは違う。
正真正銘本物の青のゴッドハンド。
染岡くんのシュートの威力すら抑え、その手に収める。

キュイーーーーン パシン!!

「染岡のシュートを止めるなんてやるじゃないか立向居!!」

「あ、ありがとうございます円堂さん!!」

シュートを止められた染岡くんも納得の表情だ。

「威力も本物みてえだな!だが次は決めるぜ?」

「と、止めて見せますっ!!」

立向居くんが蹴り、そのボールを松林くんが受け取る。

「陽花戸中の技みせてやるばい!!」

松林くんがその場でぐるぐると回転し、虹を纏っていく。

「レインボーループ!!」

「ロングシュート!?」

シュートは私たちの上空を飛んで行き、そのままゴールを襲う。

「凄いシュートだっ!止める!ゴッドハンド改!!」

キュイーーーーン パシン!!

「こ、これが円堂さんのゴッドハンド…!!」

立向居くんは憧れの存在に感動しっぱなしみたいだ。
円堂くんはゴッドハンドの感覚を確かめた様な仕草をしている。

「やはり正義の鉄拳はグーのゴッドハンドなら…、うん、この感覚で…!」

「円堂さん…正義の鉄拳に挑むんですね…!見せてください…円堂さんの技を…!」

両キーパーから凄く気合を感じる。
純粋な練習試合ということもあり選手はイキイキとしている。

「一之瀬くん!!」

「良いパスだよ天空橋さん!」

一之瀬くんは私からボールを受け取るとそのままシュートに回転を掛け放つ。

「スパイラルショット!!」

「ゴッドハンドッ!!」

キュイーーーーン パシン…!!

一之瀬くんのシュートも見事手に収める。

「やはりスパイラルショットではゴッドハンドは厳しいか」

鬼道くんは冷静に判断する。
そのままボールは陽花戸中サイドへ。

「「ニニンサンキャク!!」」

「う、うわあああ!」

陽花戸中の連携技で小暮くんが抜かれる。

「今度こそ!レインボーループ!!」

円堂くんが上に手をあげる。
それを立向居くんがキラキラした目で見つめる。

「正義の鉄拳…!?」

「パッと開かず…グッと握って…!ダン!ギューン!」

《な、何と円堂の新キーパー技かぁ!?》

「ドカアアアン!!」

円堂くんの動きと同時にグーのゴッドハンドが現れる。
しかしまだまだ完成には程遠くすぐに消えてしまった。
レインボーループは円堂くんの拳に直撃。
しかし流石の円堂くん必殺技を拳で弾く。

「もらった!!」

円堂くんが弾いたボールに即座に反応した陽花戸中黒田くんがボールをダイレクトに蹴り込む。

「やらせないよ!!」

そのシュートに合わせて吹雪くんがシュートブロックし止める。

「ナイスカバー吹雪!」

「流石兄貴だぜ!」

「ありがとう吹雪!」

「気にしないでキャプテン」

「そうだ円堂!ゴールは俺たちがカバーする!お前は新たな技への挑戦を続けろ!」

鬼道くんも円堂くんにそう声を掛ける。

「おう!究極奥義…諦めるもんか!」

そんな姿を見て燃える立向居くん。

「円堂さんの熱い闘志…俺にも伝わってくる!俺も…!!俺も負けてられない!!」

「立向居!まだまだ勝負はこれからだ!」


「雷門中は守備力も高いな、俺たちも負けてらんねえぞ!」

「俺たち陽花戸中イレブンのチームワークを見せてやろうぜ!」

「よかよか。円堂くんのチャレンジ精神、大介を思い出すばい…」

そんな陽花戸中と雷門中の試合を見つめる校長先生。
ボールは戸田くんに渡る。

「行かせない!旋風陣!!」

「ナイス小暮くん!」

へへっと嬉しそうな小暮くん。
そのままボールは私に渡る。

「レジェロアクセル!!」

《天空橋も必殺技を披露!陽花戸中を押しているぞ!!》

「風丸くん!!」

ボールを受け取った風丸くん。
陽花戸中の選手は追いつくことができない。

「は、速ぇ……」

ボールは鬼道くん、一之瀬くん、黒薔薇くん達が繋いでいく。

「す、凄いこれが雷門中のサッカー…!雷門イレブン…!!」

「よかよか。この出会い大介が導いてくれたのかもしれんたい…」



「ゴッドハンド!!」

《またしても立向居止めたぁ!!》

「くっ、やるな!」

風丸くんのシュートが止められ前線にパスを出される。

「「ニニンサンキャク!!」」

「やはり相手は俺たちのフォーメーションを読んできてる!」

「強いチームを研究して自分達の力に変える!lそうやって俺たちはレベルアップを図って来たんだ!」

「アイスグランド!」

吹雪くんがニニンサンキャクを止めボールを持って上がる。

「天空橋さん!」

パスを受け取り駆け上がろうとしたが目の前にブロックが入る。

「「ブロックサーカス!!」」

「きゃっ!」

私は思わぬ連携ディフェンスにボールを奪われてしまう。
ボールは再び松林くんに渡る。

「レインボーループ!!」

「来い!!」

「バックアップ行くぞ!!」

「「「おおっ!!」」」

鬼道くんの指示に従い私たちはバックアップに向かう。

「今度こそ正義の鉄拳…!パッと開かず!グッと握って!ダン!ギューン!ドカァン!!」

円堂くんが拳を前に突き出す。
技はさっきと同様に一瞬形を現したがすぐに消えてしまい、またも円堂くんのパンチでシュートが弾かれるという結果になった。

跳ね返ったボールを戸田くんがヘディングで合わせるが、それを鬼道くんが蹴り返す。

「…やっぱり、ギューンって何なんだ…?」




「ヒロトどうだ?実際に円堂を見て」

「ふふ、面白いよね。円堂くんって呼ぼうかな」

「確かに俺の周りでは守って呼ぶやつあんまり居なかったな」




0対0で試合を折り返した私たち。

「流石究極奥義だ…。そう簡単には掴めない…」

「やっぱり彼らは貴方達の練習相手としては不足じゃないかしら?」

瞳子監督がそう私達に話しかける。

「いいえ、陽花戸中はこちらをよく研究しています。彼らと戦うことでこれからの課題が見えてくると思うのです」

「こんな試合も久し振りだしな。みんな楽しんでやろうぜ!」

「「「おお!!」」」




後半も始まり試合は白熱していく。

「レインボーループ!!」

その松林くんのシュートに円堂くんは全力で応える。

「真マジン・ザ・ハンド!!」

グオオオオオオアアアアアアア!!

シュゥゥゥゥゥ…………………

《後半戦の円堂はマジン・ザ・ハンドでガッチリゴールを死守!》

「どうだ立向居!しっかり見たか!?」

シュートを打った松林くんが立向居くんに声を掛ける。

「あれがマジン・ザ・ハンド…、なんてパワーなんだ…!この目で遂に見た!円堂さんの動き!あんな動きだったんだ!!」

「行くぞ!反撃だ!!」

円堂くんがボールを前線に蹴る。
鬼道くんから風丸くんに渡りそのボールが私に回る。

「天空橋行け!!」

「うん!エンジェルティアー!!」

私のシュートが立向居くんに襲い掛かる。

「円堂さんの動きはこうだった…!!」

立向居くんがあの構えを取り、光のオーラを纏っていく。

「なっ!?」

《立向居のあの動き!まさかまさかのマジン・ザ・ハンド立向居バージョンかぁ!?》

「うおおおおお!!」

立向居くんの背後に青い魔神が一瞬現れるもすぐに姿を消してしまった。

「うわああ!」

ピーーーーー!!

《ゴール!!先制点は雷門中だぁ!!》

「いっぺん見ただけじゃ無理かぁ…」

「惜しかったな立向居」

「やっぱり雷門の必殺シュートは侮れないな」

「…はい。ともかく今、俺は本物のマジン・ザ・ハンドを見ました。円堂さんが正義の鉄拳に挑戦したように、俺も諦めません!」

「よし、その意気だ!俺らもお前のパワーアップに力を貸すぞ!」

立向居くんを見た私たちはただ驚きが隠せないでいた。

「見たか円堂?」

「ああ…!面白いぞ立向居!!」





「ふぅん、円堂くんってそんなサッカーをするんだ」

「ああ。面白えだろ?」

「初めて見たよ」





「フレイムダンス!!」

一之瀬くんがボールをカットし鬼道くんにパスを出す。
鬼道くんがボールをキープし、私たちは陽花戸サイドに上がっていく。

「「ブロックサーカス!!」」

鬼道くんは一度見たその技に対応して、タイミングを測りバックパスを出す。
そのボールを吹雪くんが受け取る。

「僕もたまにはシュート打たせて貰おうかなっ…!」

吹雪くんはよく見たことある構えを取り吹雪を起こす。

「エターナルブリザード!!」

「お前も打てるのかよ!?」

吹雪くんのエターナルブリザードに驚く染岡くん。

エターナルブリザードは立向居くんを襲う。

「この動きなら円堂さんのように!!マジン・ザ・ハンド!!」

グオオオオオオオオ!!

ピーーーーーーーーー!!

凄い!さっきより完成度が増してる!?
魔神は姿を消しシュートはゴールに突き刺さる。
しかし凄い才能だ。



選手交代で小暮くんが下がって土門くんがイン。

「デスサイスG2!!」

「今度こそ!!マジン・ザ・ハンド!!」

「「「ぐわあああああああ!!」」」

バックアップに来た他の選手達も吹き飛ばし黒薔薇くんのシュートはゴールに突き刺さる。

ピーーーーーーーーー!!

《雷門たちまち3点目!》



「円堂行くぞ!!」

一之瀬くんの言葉に円堂くんは頷き上がっていく。

円堂くん、一之瀬くん、土門くんが交差し炎を呼び起こし不死鳥を顕現させる。

「「「ザ・フェニックス!!」」」

3人で蹴り込む。
やはりそれぞれがレベルアップしたこともありFFの頃より何倍も威力は増している。

「マジン・ザ・ハンドォォォ!!」

立向居くんの未完成のマジン・ザ・ハンドでは止めることは出来るはずなく、不死鳥はゴールのネットを揺らした。

ピーーーーーーーーー!!

「これが…ザ・フェニックス…!!」

ピ ピ ピーーーーーーーーーー!!

《試合は終了!!4対0で雷門中の勝利だぁ!!》




「こんなサッカーもあるんだなぁ」

「ああ。これが本当のサッカーなんだろうな」




「立向居のマジン・ザ・ハンドどう思う?」

「私たちのシュートを受ける度、完成に近付いている気がするよ」

私は率直な感想を鬼道くんに伝える。

「試合の中で進化していく…。まるで誰かさんみたいだな」

「ゴッドハンドをモノにしたほどだ。ひょっとするとマジン・ザ・ハンドも使えるようになるかもしれないな」

「ああ!立向居!!」

円堂くんは立向居くんのところに行き話しかける。

「あ、あの円堂さん…!ありがとうございました…!!」

「こちらこそ!マジン・ザ・ハンドお前なら絶対にできる!」

そう言って立向居くんに手を差し出す。
立向居くんは円堂くんの手を握り嬉しそうに笑う。

「ありがとうございます!!」





「終わったのか?」

「ああ。今終わった」

「彼らが…ねぇ」

「あいつらは強いさ。まあ次に会う時は…円堂。心美。俺は敵だ…」





夕方。
私達は練習を終え休憩していると向こうでは円堂くんと立向居くんがあの特訓をしていた。

「あはは!タイヤの特訓してる!円堂くんらしいなぁ」

あの光景を見ていると私はお兄ちゃんを思い出す。
あの時は円堂くんがマジン・ザ・ハンド。お兄ちゃんはゴッドハンド。
今は円堂くんは正義の鉄拳。立向居くんはマジン・ザ・ハンド。

「…お兄ちゃん。会いたいよ…………」




夜。

「行くのかヒロト?」

「うん、ちょっと話してみたいんだ」

ヒロトはそういうと一人で円堂の場所に向かう。

「やあ円堂くん」

「ん?お前は…?」

「雷門中のサッカー見せてもらったよ。俺はヒロト。サッカーが好きなんだ」

「そうなのか!サッカーが好きな奴に悪い奴はいないさ!!」

ニカッと笑う円堂。

「ねえ。俺のチームと試合しない?」

「え…?チーム?」

「うん、俺のチームと。時間は明日の12時。場所はここのグラウンドでどうかな?」

「そ、そりゃあ良いけど」

「明日。約束だよ?」

「あ、ヒロト!?」

そう言ってヒロトは円堂の前から姿を消した。





「明日って凄い急だな」

「まあ早いに越したことはないだろ?」

「ふっ、まあな。ザ・ジェネシスの初陣と行くか?」 
次ページ > 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧