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子供達を助ける為に必死に

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第三章

「母親はインディラとです」
「名付けられましたか」
「コイヌ達はインドラ、ガネーシャ、シータ、サリー、カーリーとです」
「名付けられたんですね」
「はい、インディラが瓦礫の方を必死に見つつです」 
「地震が起こってですか」
「私達が救助活動を進めている時に」
 まさにその時にというのだ。
「この子がです」
「助けを求めてですか」
「はい」 
 そうだったというのだ。
「それで瓦礫をどけるとその中に」
「子犬達がいたんですね」
「声がしてインディラも瓦礫の中にです」
「鳴いて」
「必死に呼びかけあっていまして」
「そこで、ですね」
「我々が救助しました」 
 そうしたというのだ。
「それで、です」
「どの子もですか」
「幸い皆無事で」
「助かったんですね」
「多くの人を助けられて」
 そしてというのだ。
「この子達もです」
「それは何よりですね」
「全くです」
 ボックスに笑顔で応えた。
「後はです」
「はい、この子達にですね」
「家族を迎えてもらいます」
「そうしますね」
「折角助かったんですから」
 親子全員がというのだ。
「そうなったのですから」
「それならですね」
「もうです」
 それこそというのだ。
「幸せになってもらいます」
「そうですね」
「母親の子供を思う気持ちは犬も同じです」
 人間と、というのだ。
「世の中そうではない人もいますが」
「そんな人はですね」
「こうした母親を見て学んで欲しいものです」
「親とはどうあるべきか」
「心から思います」
「全くですね」
 ボックスもその通りと頷いた、そうしてだった。
 インドでも働きそのうえでだった。
 プエルトリコに満足して帰った、そして団体の事務所でだった。
 ゴージ達が皆心優しい人達に家族に迎えられたという話を聞いた、それで心から笑顔になった。そして後日彼等がそれぞれの家で幸せに過ごしている動画をメールで受け取ってさらに笑顔になったのだった。


子供達を助ける為に必死に   完


                  2023・2・19 
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