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昼間の公園

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第二章

「そうしてね」
「犬の散歩か」
「ええ、いいでしょ」
「別に一人でもいいだろ」
「夕方雨だっていうし今のうちに行ったら?私これから晩ご飯の用意するし」
「今からかよ」
「手の込んだの作るから」
 だからだというのだ。
「行って来て」
「それじゃあな」 
 卓は妻の言葉に頷いた、そしてだった。
 愛犬を連れて散歩に出た、一緒にてくてく歩いてだ。
 公園に行った、公園にいるのは親子連ればかりであったが。
 ここでふと思った、それでだった。
 家に帰ってだ、妻にこう言った。
「公園に行ったけれどな」
「メリー一緒だったら何も言われないでしょ」
「昼におっさんが公園で一人でいたらな」
「あからさまに怪しいでしょ」
「ああ、失業中かって思われるならましでな」
「今じゃ変質者ってよ」
 その様にとだ、妻も言った。
「思われるわよ」
「そうだよな」
「普通に一人で歩いてもよ」
「おっさんがか」
「言われかねないからね」
「今はか」
「メリーが一緒だったらね」
 それならとだ、妻はさらに言った。
「言われないから」
「その意味でもか」
「お散歩お願いしたのよ」
「そういうことか」
「ええ、それで晩ご飯までね」
「何もないか」
「またゲームする?」
「そうするな、折角の休日だしな」
 それでとだ、夫は妻に言った。
「そうするな」
「それじゃあね」
 育江も応えてだった。
 彼はまたゲームをはじめた、そうしてだった。
 突然の休日を満喫した、そして幸せな一日だったと思って寝たのであった。


昼間の公園   完


                2023・2・18 
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