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看板娘だから

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第一章

                看板娘だから
 そのショッピングモールのぬいぐるみ屋は三姉妹で経営されている、沖田家の三姉妹であり上の二人は社会人だが末の妹はまだ小学六年だ。
 だが三人共顔立ちは整っていていてだ、長女の由以子黒髪を短くしきりっとした顔でアーモンド形の目と一六五位の背に見事な形と大きさの彼女は末妹の美佐子にこう言っていた。
「あんたもよ」
「お店に出てなのね」
「働いてね」
「うちのお仕事だから」
「そう、あんた可愛いから」
 黒めがちの大きな目とピンクの可愛らしい唇を持ち色白で小柄で奇麗な長い黒髪を持つ日本人形の様な彼女に言った。
「看板娘だからね」
「私達も奇麗って言われるけれど」
 次女の早紀子も言ってきた、優しい感じの垂れ目でやはり色白で赤い大きめの唇である。やはり胸は大きく黒髪をウェーブにさせ胸まで伸ばしている。
「あんたが一番可愛いからね」
「学校から帰ったら」
「そう、まずはね」
「お店に来て」
「働いてね」
「それから帰ってよ」
 また由以子が言った。
「三人でご飯食べるのよ」
「晩ご飯ね」
「三人で作ってね」
「そうするのね」
「うちもうお父さんとお母さんいないからね」
 去年不幸な事故で世を去っているのだ。
「だからよ」
「私達三人でなのね」
「何でもしていかないといけないから」
「それで私もなのね」
「そう、私達の中で一番可愛いし」
 また美佐子にこう言った。
「いいわね」
「お店になのね」
「看板娘として出て」
 そしてというのだ。
「働いてね」
「うん、お家のお仕事ならね」 
 美佐子もそれならと頷いて応えた。
「私も頑張るわ」
「宜しくね、三人でやっていくわよ」
「ただね、お店の中と帰りとお家ではいつも一緒にいるけれど」
 早紀子はここで美佐子に真剣な顔になって話した。
「いいわね、防犯ブザーとか持たせてるでしょ」
「危なくなったらよね」
「学校からお店に行く時とかね」
「出来る限り一人でいないで」
「何なら私かお姉ちゃんが迎えに行くしね」
「学校まで」
「車でね、そうもするし」
 それにというのだ。
「怪しい人を見かけたら」
「お巡りさんに言うのね」
「そうしなさいね」
「うん、それじゃあ」
 美佐子は早紀子の言葉にも頷いた、そうして店で働き家事も頑張りつつ身の安全にも気を使った。そんな中で。
 朝三人で食べている時に姉達に尋ねた。
「何でお姉ちゃん達私に防犯ブザーとか持たせてるの?」
「怪しい人を見たらお巡りさんに言う様にとか」
「あと一人でいない様にすることね」
 姉達もわかっているという返事だった。
「そのことね」
「どうしてか」
「うん、どうしてなの?」
 このことを尋ねるのだった。
「この前不審者出たって聞いてから実際にお姉ちゃんのどっちかが車で学校に迎えに来てくれる様になったし」
「それは決まってるでしょ」
 由以子はトーストを食べつつ答えた。
「理由はね」
「どんな理由なの?」
「あんたが可愛いからよ」
「だからなの」
「普通に可愛かったらね」
 美佐子のその整った美少女と言うしかない顔を見て話した。 
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