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展覧会の絵

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第十七話 死の島その三

 十字はもう一撃加えた。睾丸は二つあるがそのどちらも潰されたのだ。
 縛られながらももがき苦しむ彼にだ。十字は言った。
「これでもう君の汚らわしい遺伝子は待ち散らされない」
「て、手前何てことしやがる」
「人の金玉何だと思ってやがる」
「悪逆非道の輩は神が裁きを決められる」
 他の三人は一川の断末魔を思わせる声にならない絶叫を見て十字に抗議する。だが。
 十字はその彼等にだ。やはり淡々と言うのだった。
「そして僕はその裁きを代行するんだよ」
「そうして殺すってのかよ」
「俺達をかよ」
「そうだよ。さて」  
 十字は今度は菅のところに来た。今度は。
 無造作に睾丸のところに手をやりだ。一気にだった。
 菅の睾丸を握り潰した。また鈍く嫌な、二つの何かが潰れる音がした。
 そして菅の声にならない絶叫を聞いてだ。十字は今度は。
 鳩山のおぞましい棒を握り引き千切った。血が溢れ出る。その傷口に火箸をやって睾丸ごとその傷口を焼く。肉の焼ける音と匂い、それに煙が部屋の中に充満する。
 最後の山岡は棒も睾丸もねじ切った。こうして四人の生殖能力を完全に、恐ろしい痛みと共に奪ってからだ。彼は失神寸前になり口から泡を吹く四人にまた告げた。
「これからだよ」
「あ、あがががががががががが・・・・・・」
 四人は痛みのあまり十字の今の言葉を聞けなかった。だが。
 十字はその彼等の腹にあるものをかけた。それは。 
 硫酸だった。それをかけると四人の腹が焼けた。痛みと共に。
 その痛みで四人は我に返った。そうさせてからまた言うのだった。
「これからよ。君達の恐怖と絶望、そして苦痛は」
「俺達を殺したら警察に捕まるぞ」
「死刑になるんだぞ」
「それでもいいのかよ」
「どうだってんだよ」
「警察。僕に警察は関係ないよ」
 そう言われてもだ。十字は平気な顔だった。
 それがどうしてかもだ。彼は言った。
「この国の警察がどれだけ優秀でも僕は見つけられないよ」
「それ何でだよ」
「そんな筈あるかよ」
「僕は神の裁きの代行者。そして人には絶対に見つからない」
 それだけのものをだ。既に備えているというのだ。
「何があろうともね」
「だからだってのかよ」
「俺達を殺しても大丈夫だってのかよ」
「そうだよ。君達の心配することではないよ」
 これまでの激痛に苦しみ抜いている四人にまた告げた。
「全くね。さて」
 今度はだ。十字は。
 漏斗を出してきた。それをだ。
 四人の口を、彼の両手で顎を外させて閉じられない様にしてからねじ込みそれからだ。睾丸のところと肛門のところに火箸をやり焼いて塞いでからだ。
 ホースを出してきた。それを出して言うのだった。
「水は悪を清める」
「・・・・・・・・・」
「そう、察したみたいだね」
 四人の恐怖に満ちた目からだ。彼等の言うことを察したのだった。
「今から君達の口に水を注ぎ込んでいくよ」
「・・・・・・・・・」
「それもどれだけでもね」
 何リットル、いや何十リットルという単位でそうしていくというのだ。
「こうしてね。じゃあはじめるよ」
「!!」
 四人の口にねじ込まれていた漏斗のところにそれぞれホースが置かれる。それからだった。
 水が大量に、四人の口に注ぎ込まれる。漏斗で口は閉じられない様にされしかも両手両足は縛られているので動けない。どうしようもなかった。
 水はどんどん注がれていく。しかも睾丸も肛門も焼かれて塞がれているので出ていることはない。気管にも入り四人の腹は忽ち妊婦のそれに様に膨らんでいく。 
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