俺の彼女に手を出すな

　　　　　　　　　　　　　　　俺の彼女に手を出すな
　大学生の桧木夕実はこの時学生時代からの友人であり近所に住んでいる内牧寧々に相談を受けていた、その相談はというと。
「浮気性の元カレがなの」
「最近やたらよりを戻そうって言ってくるのよ」
　寧々は困った顔で答えた、薄茶色のショートヘアで大人しそうな顔立ちであり目は大きく優しい。唇は薄く背は一六〇位で均整の取れたスタイルだ。
「よりを戻そうって」
「自分が浮気したんでしょ」
　夕実はその話を聞いて目を怒らせて返した、やや面長の顔で大きな切れ長の目で眉は奇麗なカーブを描いていて赤い見事な唇だ。一六七程の背で大きな胸が地味な服装でも目立っている。二人共ズボンである。
「それなのになの」
「そうなの、私はその時別れるって言ってね」
「去ったのよね」
「そうしてたけれど」
　それがというのだ。
「同じ大学だから会うしね」
「そういえば同じ学部だったわね」
「その人ね」
「よく会うわね」
「だから困ってるの、今日なんて」
　寧々は俯いて話した。
「うちにね」
「来るって言ってるの」
「私一人暮らしだしね」
「それで私になのね」
「何とかして欲しいけれど」
「任せてね」
　夕実は不敵な笑みで応えた。
「こうしたことは何度かね」
「経験あるの」
「だからね」
　それでというのだ。
「ちょっと任せて」
「その人が来たら」
「ええ、その時はね」
　一緒に寧々が煎れてくれた紅茶をテーブルに座って向かい合って話をしながら笑った。そしてだった。