凍って動けなくなっても
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二章
すぐに鳥の足の雪を取ってやった、すると。
「ククッ」
「よし、飛んだな」
「仲間達が飛び去った方に行ったな」
「早く合流しろよ」
「元気でな」
二人で飛び立った鳥を笑顔で見送った、そのうで車に戻りドライブを再開し自宅に戻ったのだった。それも笑顔で。
三つ目の話はカナダアルバータ州ドレイオンバレーでのことだった。
こちらで油田作業員として働いているケンドール=ディヴィッシュ顎と口の周りに黒い髭を生やした逞しい身体つきの若い男性が冬のある日にだ。
家の井戸から水を汲み出そうとするとその裏にだった。
「ニャア~~~・・・・・・」
「ナア・・・・・・」
「ウニャア・・・・・・」
三匹の子猫がいた、三匹共グレーと黒の縞模様である。見れば三匹共だ。
「外の雪が凍っていてか」
「そこに足や尻尾を取られてなの」
ディヴィッシュは家に帰ると彼の両親自分そっくりの外見の父と小柄でブロンドを短くしている青い目の母に話した、すると両親は事情を確認して言った。
「動けなくなっているのか」
「そうなのね」
「捨て猫か」
「三匹共子猫だとね」
「このまま放ってはおけないな」
「三匹共この寒さで動けないなら凍死するわよ」
「すぐに助けよう」
息子は両親に言った。
「それで三匹共首輪していないし」
「それじゃあな」
「助け出した後はね」
「里親探すか」
「そういえばご近所のアルベットさんのお家が猫飼いたいって言ってたし」
「じゃあアルベットさんにも連絡してね」
家族でこう話してだった。
ディヴィッシュはすぐにお湯を魔法瓶に入れて猫達のところに持って行った、そうして猫達が凍り付いて動きを取られている足や尻尾にだった。
そのお湯をかけると雪は面白い様に解けてだ。
猫達は解放された、ディヴィッシュは三匹をすぐに抱き上げて家の中に連れて行き。
やがて家に来た近所のアルベットさんの家族に猫達をを紹介した、すると猫達は三匹共雌であることがわかり。
アンヌ、エバ、マリアンと名付けられてだった。
三匹共家族に迎えられた、そうして幸せに暮らせる様になった。
寒い中でその話を聞いてだった、その者は自然と心が温まった、窓の外は大雪で一面銀世界だったがそうなっていた、そして笑顔で家の愛猫を撫でたのだった。
凍って動けなくなっても 完
2023・2・15
ページ上へ戻る