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イナズマイレブン~クロスライジング~

作者:shoogel
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記憶の矛盾

コツン…コツン…コツン…コツン…

俺はシアリアと共に真っ直ぐな廊下を歩いていく。

「私…怖い…」

ふとそんなことを呟くシアリア。
おそらくこの言葉は色んな意味が含まれているのだろう。
これからのこと、みんなのこと、…俺のこと。

「…なるようになるさ」

俺がそうシアリアの肩を軽く叩く。
シアリアも不安そうだが、少し頷き目的の場所の前につく。
俺とシアリアはそのドアを開いた。

ギィィィィィ…

「俺たちを集めるなんてどういう用件だい?」

「ああ。急にすまないな」

俺の目の前にはグラン、ガゼル、バーンのマスターランクのキャプテンが集まっていた。
いや正しくは俺の呼び掛けで集まった。
普段の俺に戻っていることも彼らは気付いているみたいだな。

「シアリアも一緒かい?」

「そいつを連れて来てどうするんだ?」

ガゼル、バーンが俺の隣のシアリアを見てそう話す。

「お前らにはまだこいつがそう見えるか?」

「…どういう意味だい?」

俺の問いに不思議そうにグランが反応する。
俺は少し息を吐き真剣に3人を見つめる。

「…ここからはエイリアではなく、お日さま園の仲間として話したい」

「………」

「話せよ、そいつを連れて来ているのに理由があんだろ?」

俺の言葉にガゼルは沈黙。代わりにバーンがそう応えた。

「…エクレール」

俺がシアリアを見ると少し震えている。
俺は頭をポンポンとすると、3人に話し掛ける。

「…お前らはこいつが誰だと思う?」

俺の問いに3人はポカンと俺を見る。

「何を言っているんだ真紅?城ヶ崎に決まっているだろう?」

「ああ。彼女は城ヶ崎亜利沙ではないのか?」

「んなこと言われなくてもわかってるんだよ」

3人からは何を当たり前のことをと言われる。
そう当たり前になっているって言うことだ。

「本当にそうか?」

俺のその一言は場を沈黙させた。

「何を言って…?」

「見ろ…」

俺はそう言ってとある紙を渡す。
俺がPCから抜き取ったものをプリントしたものだ。

「…これはお日さま園の名簿…?」

「ああ、隅々まで見てくれ」

3人はその名簿に目を通していく。
すると3人は不自然なことに気付いたようだ。

「ない…?ないぞ…?」

「ああ。気付いただろう?」

俺はそう3人に語り掛ける。

「「「城ヶ崎亜利沙という名前がない!?」」」

シアリアはその言葉に俯く。

「じゃ…、じゃあそいつは…!?」

バーンがそう話した時、俺と同じ現象が起きる。

「「「ぐっ…、頭が…!?」」」

あの時俺に起きた頭痛。
いや、記憶の矛盾に脳が気付いたのだろう。

ヒロトは少女を見つめる。

「…ま、まさか…。有り得ない…!有り得たとしても…どう言うことなんだ!?」

「ああ。有り得ない。だがこうして有り得てしまっているんだ」

俺がそう3人に話す。
シアリアは前に出る。

「…こうやってまたヒロトくん、晴矢くん、風助くんと話せるなんて…夢にも思わなかった…!」

そう話す少女からは瞳から涙が流れる。

「本当に…キミなのかい…?…いや、そうなんだろう。記憶の矛盾が戻った今、キミは彼女にしか見えない」

ヒロトはそう少女に話す。
南雲と涼野も信じられないという表情だがヒロトと同様だろう。

「…俺はお前らの力を借りに来た」

「…待て話が追いつかない」

口を開いた涼野からは当然の反応。

「それに俺たちの力を借りるってのはどう言う意味だ?」

南雲も続けてそう質問する。

「正しくはお日さま園のみんなだ。…出来れば父さんの力も借りたい」

「父さんの!?」

俺は頷く。
そしてこれからのことを話す。

「…そしてついて来て欲しいところがある。目を逸らしたくなるような地獄の光景だがな」

俺はそう言い唇を噛む。
俺は先程少女と共に見てきた。あんなのあんまりだ。

「…だからお前らの力を借りたい…。いや欲しい!」

俺の真剣な言葉に感じるところがあったのか3人は顔を見合わせて頷いてくれた。





そして時間は経ち、俺らは例の場所から帰ってきた。

「「「…………………」」」

3人とも真っ青な顔で俺たちを見る。

「あ、あれが……」

ヒロトの言葉に頷く。

「…ああ。頼む…力を貸してくれ。あれが…俺たちの真の敵だ」

その真の敵という言葉に3人は少女を見る。

「…キミは今まで一人で…。凄いよ…いや。…よく頑張ったね、あとは俺たちでこの問題を解決しよう!」

ヒロトの言葉に少女の目に涙が浮かぶ。

「ありがとうヒロトくんっ…!」

そんな少女の姿を見た南雲、涼野も少女に話す。

「ああ。私たちも全力で力になろう」

「俺の灼熱で全て潰すだけだ!」

マスターランクのキャプテンを味方につけられたのは大きい。

「他のみんなにも協力を仰ぐべきだろう」

ヒロトの言葉に俺たちは頷く。

「ああ、勿論だ」

「真紅。聞くタイミングがズレたが元に戻っているみたいだな」

「…ああ。あれは俺の父さんだ」

「「「…は?」」」

急にきょとんとする3人。
まあ当たり前の反応だ。

「まあ何かすまんな。久し振りに成長したお前らに会えて厨二全開のムーブかましてて、正直辛かったわ」

俺のそんな言葉に失笑する3人。

(お、おい厨二全開とはどう言うことだ!?かっこいいだろあれ!)

「あんたは黙ってろ…」

俺はそんなことを言ってくる父さんに内心ため息をしつつ話す。

「父さんはここにいる」

俺はそう言い胸を叩く。

スゥ………

「成長したな。お前らとまたこうして会えて嬉しい」

父さんの言葉に3人は笑う。

「本当におじさんなのか!」

そうやって駆け寄る南雲。

「ああ。大きくなったな晴矢!風助も身長伸びたな!」

「私ももう貴方が見ていた子どもではないからね。だけどまた会えて嬉しい」

疑いもなく父さんと信じる3人。
それほど信用されているのか。

「でも、おじさんは…事故で……。何故真紅の中に?」

「ああ。それも真紅やお前らには話さないとな。この俺、雷藤頼斗のことをな」

そうやって俺たちは父さんの真実を聞くことになる。 
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