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神々の塔

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第二話 冒険の準備その七

「得意になって本まで出すなんてな」
「無駄ね」
「この世で最もや」
 それこそというのだ。
「そのうちの一つと言ってええわ」
「考えるだけでも」
「それを書いてな」
 そうしてというのだ。
「読むのもな」
「無駄ね」
「そや、まして買ってや」
 その本をというのだ。
「読むなんてな」
「無駄の極みね」
「おもろい筈がないわ」
 そうした本がというのだ。
「否定しか書いてへん本がおもろい筈あるか」
「その通りやな」
 施も言ってきた。
「否定ってのはな」
「聞いていてね」
「気分がよおないわ」
「ましてやそればかりでね」
「本になってるとかな」 
 それこそというのだ。
「絶対にや」
「おもろないわね」
「そんな筈ないわ、ましてそれがや」
「今の基準で未来を語るなら」
「ほんま意味ないわ」 
 施は実に忌々し気に語った。
「何もな、読んでいて楽しめるどころか」
「あまりにもつまらへんで」
「腹立つわ、多分この世で最もや」
「おもろない本ね」
「そんなん書く奴は天才や」
 施はこうも言った。
「つまらん本を書くな」
「いらん才能ね」
「この世で最もいらんな」
「そうした才能ね」
「そのうちの一つや、しかしな」
 施はここでこうも言った、実に忌々し気な否定の後で幾分か表情を明るいものにさせてその上で言った言葉だ。
「それがや」
「それが?」
「あの漫画はちゃう」
「そうした本で否定されていても」
「そや、どうしたらこんな凄い道具が出来るか」
「そう考えさせてくれて」
「未来の発展をな」
 それをというのだ。
「素直に読んだらやが」
「促してくれるわね」
「そうなるさかいな」 
 だからだというのだ。
「あの漫画自体はな」
「ええ作品ね」
「そや、技術は常に進化してな」
「凄くなっていくわね」
「そしてや」 
 そのうえでというのだ。
「今の技術なんてな」
「もう何でもなくなるわね」
「科学でも何でもな」
 あらゆる技術がというのだ。
「科学は確かに凄いが」
「結局技術や学問の一つでしかないわね」
 アレンカールはこう言った。
「ほんまに」
「その通りやな」
 リーが応えた。 
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