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夢幻水滸伝

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第二百八十一話 州の南北でその二

「それも一気に」
「そやな、しかしな」
「しかし?」
「その間どうしても北のヴォネガットが気になる」 
 もう一方の者である彼がというのだ。
「そうなる、そして今エミリーちゃんはペンシルバニアから南にや」
「勢力を拡大させていますか」
「その動きを見せてる」 
 そうしているというのだ。
「わし等に警戒しつつな」
「今はですね」
「エミリーちゃんを攻めることは出来る、しかしな」
「警戒していますね」
「それやとな、下手に直接攻めるとな」
 そうすると、というのだ。
「難儀なことになる」
「警戒している相手を攻めると」
「正面からな、そやからな」 
 メルヴィルはさらに話した。
「今はな」
「攻めへんですか」
「ペンシルバニアはな」
「そうですか、では」
「まずは北や」 
 そちらだというのだ。
「メーン州までや」
「掌握して」
「ヴォネガットも仲間にする」
「戦になろうともですね」
「そうする、あとロードアイランドを掌握してるな」
「はい、そうしました」
「あそこにも星のモンがおるやろ」
 このこともだ。メルヴィルは話した。
「そやろ」
「そうでしたね、ジェーン=アンダーソンさんが」
「あの娘を仲間にするで」
「ここはそうしますか」
「それで三人になってな」
 星の者達はというのだ。
「それから北のや」
「ヴォネガット君ですね」
「そうしてくで、ほなな」
「まずはですね」
「ジェーンちゃんや」
 彼女だというのだ。
「あの娘に会ってな」
「お話をして」
「そのうえで仲間にするで」
「いいですね、では」
「あの娘に会おうな、しかしな」
 ここでだ、メルヴィルは腕を組んで考える顔になった。そのうえでボームに対してどうかという口調で話した。
「あの娘州の掌握やなくてな」
「他の道を選んでますね」
「州の中を回ってな」
 そのロードアイランド州のというのだ。
「人助けをしてるわ」
「そうしたやり方もありますね」
 ボームはその話を聞いて述べた。
「ほんまに」
「そやな、政を行うのとは別にな」
「個々で動いて」
「そうして人の為に尽してもな」
「ええですね」
「ああ、しかしな」
 メルヴィルはさらに述べた。
「わし等としてはな」
「そのジューンさんのお力をですね」
「借りたい、そやからメーンのヴォネガットと対する前にな」
「まずはですね」
「あいつと会うで」
「わかりました、では」
「すぐにグリフォンに乗って行って来る」
 メルヴィルは即断即決といった顔で述べた。 
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