夢幻水滸伝
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第二百七十九話 二つの会談その十
「純粋に和風の」
「アメリカンやないか」
「ここは堅実に」
モンゴメリーは笑って応えた。
「そうね」
「いや、それが美味いからな」
「そうですよ」
メルヴィルだけでなくボームも言ってきた。
「アメリカナイズドされたお寿司も美味しいです」
「いけるで、これが」
「そのアメリカナイズドがどうも」
モンゴメリーは二人に苦笑いで応えた。
「僕としては」
「抵抗あるか」
「そうなんですね」
「そうなんや」
これがというのだ。
「そやからお寿司やと」
「純和風の」
「それがええですか」
「うん、あかんやろか」
「いやいや、あかんことはないで」
メルヴィルは笑って答えた。
「ほんまにな」
「そうなんだ」
「ニューヨークにもあるし」
「それでは」
「そうしたお店に行くか」
「そこで食べると」
「そうしよな」
こう話してそうしてだった。
メルヴィルはボームと共にモンゴメリーを寿司屋アメリカ風の寿司バーではなく純和風のそうした店に案内してだった。
純和風の寿司を食べることにした、店の中は純和風でだった。
まさに日本の寿司屋であった、三人でその寿司屋のカウンターに座って寿司を注文することにしたが。
モンゴメリーはメルヴィルに微笑んで話した。
「まずは卵かと」
「卵焼きやな」
「それを食べて」
そうしてというのだ。
「どういった味か」
「それをやな」
「確かめたいけど」
こう言うのだった。
「どやろ」
「通やな、日本ではそう言うな」
「そうみたいやね」
「ほなまずはな」
「卵焼きをやね」
「注文しよか、そして」
メルヴィルはさらに話した。
「その後でな」
「他のネタを楽しんでいくと」
「そうしよな」
こう話してだった。
三人でだ、共にだった。
まずは卵焼きを注文した、そのネタを食べてだ。
味を確かめるとこれがだった。
「美味いな」
「そうですね」
「これはええね」
ボームとモンゴメリーはメルヴィルの笑顔の言葉に同じ顔で応えた。
「卵焼きもネタも」
「どっちもええです」
「そやな、ほなな」
「食べていこか」
「他のネタも」
「そうしてこか」
三人で話してそうしてだった。
三人だ、カレイやはまち、鳥貝に赤貝を頼み。
トロや鮭、つぶ貝等を頼んでだった。
次々に食べていった、それと共に酒を飲むが。
「日本酒ええな」
「これ大吟醸やね」
モンゴメリーも飲みつつメルヴィルに飲みつつ話した。
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