兎の癒し

　　　　　　　　　　　　　　　　兎の癒し
　カナダのブリティッシュコロンビア州レディスミス在住のビル＝スミス黒い顎髭と口髭そして短い黒い髪の毛と目を持つ優しい顔立ちの長身の彼がだ。
　妻にだ、休日不意に言われた。
「お家に兎がいるわよ」
「兎？」
「ええ、野兎みたいよ」
　茶色の長い髪に青い目の妻が応えた。
「いるわよ」
「ちょっと観に行くか」
「そうする？」
「ああ、どんな子だ」　
　こう言ってだった。
　スミスは妻のケイトと共にだった。
　自宅の庭に出た、すると。
　そこにだ、確かに兎がいた。黒に近いダークグレーの野兎だった。
「キキ」
「ああ、これはな」
「野兎よね」
「そうだな、うちに住み着くつもりかな」
「どうしようかしら」
「いいんじゃないか？それならな」
　夫は妻に話した。
「家族に迎えるか」
「そうする？」
「ああ、それじゃあな」
　夫はさらに言った。
「この子の家も買ってな、餌もな」
「用意して」
「暮らしてもらうか」
「そうするのね」
「ああ、早速保護して家に入れるか」
　妻に話したところでだ。
　兎の後に六匹小さな兎達が出て来てだ、最初に出ていた大きな兎の周りに来た。皆黒に近いダークグレーの色だった。
「キキ」
「キイ」
「チチッ」
「チィ」
「キイキイ」
「チキッ」
「この兎の子供達だな」
　スミスは小さな兎達を見てすぐにわかった、それで妻に話した。
「この子達は」
「そうね、それじゃあね」
「この子達も家族にするか」
「そうしましょう」
「ちゃんと去勢や不妊手術もして」
「そのうえでね」
　夫婦で兎達を迎えた、後で父親も来たが父親はロン、母親はメリー、子供達の三匹の雄はジェームス、ヘンリー、リチャード雌はエリー、マリー、ロリーと名付けて家族に迎えた。それから夫婦そして子供達で兎達と楽しい生活に入った。
　そんなスミスがアメリカのカルフォルニア州に仕事に行った時にだ。