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夢幻水滸伝

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第二百七十四話 崑崙その十二

「二十万の兵に三重の城壁にや」
「多くの大砲とトーチカを置いてな」
「まさに万全や、しかしな」
「万全には万全やな」
「その備えをせんとや」
 こう施に話した。
「あかんやろ」
「それは当然やな」
「この開封は中原の真ん中にある」
「それだけに守りが不安や」
「そや、周りは平野や」
 守るものが何もないというのだ。
「そんな場所に都を置く」
「経済のことを考えるとええがな」
「しかし守るにはや」
「それだけの守りが必要や」
「それでや」
 まさにその為にとだ、羅は話した。
「二重三重のや」
「守りを敷くな」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「普段はな」
「移動要塞、崑崙を上空に置いてやな」
「そや」 
 そうしてというのだ。
「そしてや」
「守りの要にするな」
「そうしよな」
「そやな、ここはな」
 まさにとだ、施も応えて言った。
「そこまでしてな」
「守りを固めるべきやな」
「ああ」
 羅の言葉をその通りとした。
「やっぱり都の守りはな」
「確かにせんとな」
「あかんわ」
「幸い開封は他国との境から離れてる」
「そのことは長所やな」
「どうしても他国との境に近いとな」
 都がというのだ。
「国防に不安が出来る」
「そうやねんな、これが」 
 施も難しい顔で話した。
「明朝もそれで苦しんだことがあったしな」
「土木の変とかな」
 明代に起こった事件である、北方の遊牧民族達との戦いに皇帝自ら大軍を率いて親征したがあろうことか大軍は稚拙極まる作戦で消滅し皇帝が囚われてしまったのだ。
「あの時はな」
「都に迫られたな」
「北京までな」
「この世界の北京は堺と離れてるが」
 他国と、というのだ。
「しかしな」
「開封の方がやな」
「遥かに離れてる、離れてるということ自体がな」
「国防の利点や、距離はや」
 施は深く考える顔で述べた。
「最大の守りの一つや」
「そや、そうした観点から言うと開封は守りが固い」
「その利点があるさかいな」
「しかしな、万全に万全を期してや」
 その為にというのだ。
「開封の守りはや」
「大砲を用意しトーチカを備え」
「そして大軍も駐屯させてや」
「三重の城壁やな」
「衝撃や術にも強い耐性を持つな」
 そうした技術を用いたというのだ。 
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