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X ーthe another storyー

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第三話 巫女その五

「機会があります」
「ほなまた行ってきます」
「いえ、貴方には別のことをお願いしたいのですが」
「っていいますと」
「不穏な気配を感じます」
 だからだというのだ。
「暫くこの場に止まり」
「守りをですか」
「お願いしたいのですが」
「わかりました、地の龍がいますか」
「はい、一人見ています」
 丁は空汰に話した。
「間違いなく」
「この前会った兄さんでっか」
「いえ、彼ではないです」
 丁は遊人ではないと答えた。
「また別のです」
「地の龍でっか」
「ですから今はです」
「こっちにおってですね」
「守りをお願いします」
「ほなそうしますわ」
「それで先程新たに天の龍が一人来てくれました」
 丁はこのことも話した。
「それで、です」
「その人がですか」
「貴方と代わる様に出て行きましたが」
「神威の説得にですか」
「赴いてくれます」
「そうでっか」
「彼のことは安心して下さい」
 こう言うのだった。
「是非共」
「ほなそういうことで」
「宜しくお願いします」
 こうしてだった。
 空汰は今は丁の傍にいて彼女とこの場を守ることになった、とはいっても建物から出ることもあってだ。
 その建物の傍にあるお好み焼き屋で食べているとだった、声がかかった。
「混んでいるので相席をお願いしたいですが」
「ええですけど・・・・・・あっ」
「おや」
 遊人だった、二人は思わずだった。
 顔を見合わせて笑った、そうして相席になってだ。
 遊人はお好み焼き、いか玉を食べつつ海老玉を食べている空汰に話した。
「今日はお仕事でここまで来たので」
「戦いはなしやな」
「はい、お互い仲良く食べましょう」
「そうしよな、しかしお仕事って」
「区役所に務めているのですが」
 空汰に食べつつ話した。
「今日はこちらまでです」
「用事があってかいな」
「来ました」
「そうなんやな、しかし公務員かいな」
「そうなんですよ」
「いけてるからホストかいなって思ったけど」
「ははは、よく言われますよ」 
 遊人は屈託なく笑って応えた。
「しかも若いと」
「ってことは」
「これが意外とおじさんです」
 そうだというのだ。
「それで花の独身です」
「もてそうやけどな」
「では誰か紹介してくれますか」
「それはわいの台詞や」 
 空汰は遊人に笑って返した。
「彼女募集中やねん」
「おや、そう言う空汰君こそです」
「もてそうかいな」
「そう思いますが」
「お寺におるとちょっとな」
 空汰は笑ったまま事情を話した。
「周りはお坊さんばかりで」
「それで、ですか」
「そういうつてはないねん」
「そうなのですね」
「しかし遊人さんもてへんのか」
「ですから独身です」
「意外やな」
 彼のその整った顔を見て話した。 
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