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夢幻水滸伝

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第二百七十話 晴れた時にはその八

「どう見ても」
「ほなな」
「そうしていきましょう」
 こうして北軍の騎兵隊はカラコールで攻めていった、そうしてだった。
 右翼の攻防は一進一退となり正面と左翼でもだった。
 両軍は拮抗していた、莫はその状況を見て共にいる呉に話した。
「中々です」
「攻めきれてへんな」
「はい、互角とです」
「そう言ってええな」
「今日もまた」
「そやな、しかしこうした時にな」
 呉は真剣な顔で話した。
「焦ってな」
「そうして攻めるとですね」
「そこに乱れが生じてな」
 そうなってというのだ。
「それでや」
「そこを敵に付け込まれますね」
「そうなるわ」
 こう莫に話した。
「そやからな」
「ここはですね」
「攻められんわ」
「参りましたね、物資もです」
 莫はこちらの話もした。
「集められるだけ集めて」
「自分が活躍してくれたな」
「いえ、とても」
「いや、ものを格安で調達してくれてるんや」
 呉はは莫のこのことを話した。
「それは立派な功績や」
「そうですか」
「そやからな」
 その為にというのだ。
「自分を卑下することはないわ」
「そうですか」
「それに采配も出来てるしな」
 莫はというのだ。
「ちゃんとな」
「そうでしょうか」
「ああ、このまま皆でな」
「戦っていくことですね」
「そうしてこな」
 こう言ってそうしてだった。
 呉は莫を励ましそのうえで戦わせ自分も戦わせていった、そして一騎打ちもするが白と戦ってだった。
 そしてだ、彼にはこう言った。
「やるな」
「それは君も」
「そやな、この戦の後で仲間になってくれると思ったらな」
 それならというのだ。
「有り難いわ」
「それはこちらも。ただ勝つのは」
「そっちやっていうんやな」
「その通り」
 白は笑顔で答えた。
「その為にあらゆる手を尽くしてきたし」
「それはこっちもや、そのせいでか」
「互角やな」
「そやな、しかしそれもや」
 拮抗している状況もというのだ。
「終わるわ」
「隙が出来る」
「そっちにな、その時にはな」
「突っ込むと」
「そうして勝つ」
 こちらがというのだ。
「そうなるさかいな」
「その言葉そっくり返そう、勝つのはこちらや」
 白も負けずに言う。
「そっちに隙が出来たら」
「そこに付け入ってか」
「攻めるで、覚悟するんやな」
「お互い隙は作れんな」
「そういうことやな、こうして完全に互角やとな」
「隙が出来たら」
 その時はというのだ。 
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