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X ーthe another storyー

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第二話 来訪その十七

「守ることだ」
「それが当然じゃないかって思うけれど」
「今はな。だがお前がどうなってもな」
「小鳥はか」
「守れ。約束してくれるな」
 封真を見て言った。
「お前は約束は守るが」
「約束するよ」
 笑顔でだ、封真は父に答えた。
「ちゃんと今」
「そうか、その約束忘れないな」
「忘れないよ」
「何があってもだな」
「そのことも約束するよ」
 やはり笑顔で言うのだった。
「俺は」
「それではな」
「ああ、それじゃあな」
「宜しく頼むぞ」
「俺は小鳥を何があっても絶対に守る」
 封真は確かな声で約束した。
「そうするよ」
「それではな、そしてだ」
「そして?」
「神威もそうしてくれたらな」
 彼もというのだ。
「わしは満足だ、二人がそうしてくれるなら」
「父さんがいいんだな」
「そうだ、三人もそして世界もな」
「世界も?」
「そうだ、大丈夫だ」
「どういうことなんだ」
 封真はまた顔を曇らせて言った。
「一体」
「またわからないこと言うけれど」
 小鳥も怪訝な顔で言う。
「お父さんそれは一体」
「本当にどういうことなんだ」
「だから今はな」
「言えないの」
「いずれわかるんだ」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「そう言っておく」
「そうなの」
「そうなんだな」
「そうだ、悪いがな」
 こう言ってだった。
 父はこの後また沈黙した、それでこの日はもう子供達に話すことはしなかったが。
 夜に眠り夢の中でまた丁にあった、そうして向かい合って座った姿勢で話した。
「わしとしてはです」
「運命は変えられるとですね」
「思っていますので」
 だからだというのだ。
「二人、特に息子である」
「彼にですね」
「今からです」
「言っていますか」
「そうしています、そしてです」
 丁にさらに話した。
「三人の運命もです」
「幸せなものになる様にですか」
「今から導いています」
「そうなのですね」
「いけませぬか」
「いえ」
 丁は首を横に振って答えた。
「その筈がありません」
「そうですか」
「貴方の努力はです」
 これはというのだ。 
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