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夢幻水滸伝

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第二百六十七話 徐州に向けてその十二

「そやからな」
「それで、ですね」
「移動が速い、馬とかで運ぶとな」
「休憩時間も必要なので」
「基本夜は休む」 
 その様にしなければならないというのだ、馬にしても生物なので休息もまた必要なことであるのだ。
「そうせんとあかんからな」
「人が歩いても同じですね」
「そこが問題や、しかしな」
「船や列車はです」
「夜も昼も進むことが出来て」
 それでというのだ。
「その分速い」
「そうですね」
「そやから船を使って」
 長江とその支流ではというのだ。
「そして列車もな」
「使ってですね」
「どんどん動かしてくで」
「そうしますね」
「いや、鉄道がありますと」
 美蓮はしみじみとした口調で話した。
「ほんまちゃいますね」
「そやな」
 施はにやりと笑って応えた。
「線路の上しか走られへんけどな」
「多くの人やものを迅速に動かせます」
「そやからな」
 それだけにというのだ。
「ほんまにな」
「有り難いわ」
「そうですね」
「産業の育成の為にも鉄道を整備したけどな」
「戦にも役立ちますね」
「そや、移動や輸送にな」
 そちらにというのだ。
「これ以上はないまでにな」
「役立っていますね」
「モルトケやな」
 ここで施はこの人物の名前を出した。
「あの人は正しいわ」
「プロイセンそしてドイツの軍人ですね」
 王はその名前を聞いてすぐに応えた。
「参謀総長やった」
「そや、何故プロイセンが勝ち進んだか」
「それはあの人の戦略故であり」
「鉄道を整備してな」
「それで一度に多くの人やものを運んだからです」
「それが出来たさかいな」
 それでというのだ。
「プロイセンはオーストリアにもフランスにも勝った」
「どちらも快勝でした」
「銃や大砲の性能、将兵の質もよかったが」
「決め手は鉄道でした」
「一度に多くの人やものを迅速に運べる」
 このことはというのだ。
「まさにや」
「最大の武器の一つですね」
「その通りや、今そのことをな」
「実感されてますね」
「ほんまにな」
 実際にとだ、施は述べた。
「有り難いことや」
「ほんまにそうですね」
「船もあるしな」
 こちらもというのだ。
「移動も輸送も楽や」
「実は予想以上にです」 
 王は自分の見立てから話した。
「人やものが動いてます」
「多く迅速にやな」
「ほんまに」
 こう施に話した。 
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