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八条学園騒動記

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第六百八十話 食べてみてその一

                食べてみて
 カルボナーラを食べつつだ、トムは言った。
「この濃い味がいいよね」
「カルボナーラはね」
 シッドも食べながら応えた。
「そうだよね」
「ベーコンに生クリームに卵の黄身」
「その組み合わせがいいよ」
「元々アメリカのだよね」
「あっ、アメリカ軍だよ」
 シッドはそこは突っ込みを入れた。
「アメリカ軍が二次大戦でイタリアに入って」
「その時になんだ」
「イタリア人に自分達の物資からスパゲティを作ってもらったら」
「こうなったんだ」
「だからね」
「アメリカじゃなくて」
「アメリカ軍だよ」
 軍隊だというのだ。
「そちらだよ、ただアメリカっていうと」
「軍隊もアメリカだからね」
「そうなるね」
「じゃあアメリカ料理かな」
「そうなるかな、作ったのはイタリア人でも」
「元々あったっていうお話もあるわよ」
 メアリーはワインをさらに飲みつつ二人に話した。
「カルボナーラって炭焼きのことで」
「イタリア語だよね」
「それだよね」
「そう、それで元々ピザでこういうのがあって」
 それでというのだ。
「スパゲティに応用してね」
「カルボナーラになったんだ」
「そうだったんだ」
「そうした説もあるのよ」
「成程ね」
「その可能性もあるんだ」
「どうもね、けれど連合だとね」
 自分達の国ではというのだ。
「アメリカ料理になっているわね」
「そうだね、連合じゃ」
「エウロパじゃイタリア料理になってるらしいけれど」
「それでもね」
「連合じゃそうだね」
「エウロパの言うことは全部嘘だから」
 連合ではこうなっている、兎角連合のエウロパへの偏見は強い。ただしこれはエウロパにおいても連合に対しては同じである。
「だからね」
「アメリカ料理だねカルボナーラ」
「そうだね」
「アメリカ軍で生まれたら」
 それならというのだ。 
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