樽腹
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第三章
「代わりにです」
「このドリアンが駄目ならもう一個あげるわ」
「僕のこれまでのことお話しましたね」
「お魚から鶏で」
「鶏から杵で水牛で」
「ドリアンね」
「そのドリアンを食べたんですから」
だからだというのです。
「今度は王女様がです」
「待って、そのお話の流れだと」
ヤマンサリは驚いて言いました。
「私が貴方の」
「そうです、僕のものになって下さい」
「つまり結婚しろってこと!?」
「そうなります」
「いきなり言われても困るわ」
「けれど僕のドリアンを食べましたね」
「それはそうだけれど」
ヤマンサリもいきなり言われて驚くばかりです、それで二人で言い合いになりますが。
騒ぎを聞いて王宮にいる人達が来て二人のお話を聞いてです、それなら王様にお話を聞いてもらおうとなりました。
それで王様は二人を自分の前に連れて来てお話を聞きました、そのうえで全てがわかったうえで言いました。
「これは王女が悪い」
「それはわかっていますが」
「それならわかるな」
「彼と結婚しなければならないですか」
「そうだ、そなたが悪いからな」
樽腹が持っていたドリアンを食べたからです。
「そうせよ」
「わかりました」
「そしてだ」
ここで、でした。王様は。
今度は樽腹にお顔を向けて彼に言いました。
「そなたは結婚するが」
「はい、何でしょうか」
「家族を迎えるには何かと知り備える必要がある」
「お金をでしょうか」
「違う、人としての資質だ」
それだというのです。
「学問なり武芸なりな」
「そうしたものがないとですか」
「家族を迎えても何も知らず」
そうしてというのです。
「守れずな」
「何も出来ないですか」
「そうだ、だからな」
それでというのです。
「これからそなたは余が紹介する島の長老の一人の弟子となりだ」
「学問を武芸を備えないと駄目ですか」
「そして世も知るのだ」
この世のこともというのです。
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