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八条学園騒動記

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第六百七十九話 調理に入りその五

「けれどね」
「それでもね」
「その矛盾がね」
「あるね」
「それで自然食についても」
「矛盾してるね」
「文明を否定するのなら」  
 それならというのだ。
「キッチンだってよ」
「使えないね」
「化学調味料はちゃんと使えば」
「身体にも悪くないし」
「それに味もよ」
 エイミーは言いつつ家にあるそれをソースに入れる。
「よくなるのよ」
「そうだね」
「何でも昔がいいって言ったら」
「美味しいものもなくなるわね」
「まあ流石に私もアメリカのケーキはあまり、だけれどね」 
 エイミーは少し苦笑いになってこちらはと述べた。
「カラフル過ぎて」
「凄いよね、あっお鍋にパスタ入れていい?」
 シッドがエイミーに言ってきた。
「お湯沸騰したら」
「ええ、入れて」
 エイミーもいいと答えた。
「そうしてね」
「それじゃあね」
「それでアメリカのケーキは」
「どう見ても人工着色料がね」 
 それがというのだ。
「使い過ぎだから」
「それでだね」
「私としてはね」
 どうしてもというのだ。
「抵抗があるわ」
「そうなんだね」
「だからね」
 それでというのだ。
「食べられない訳じゃないけれど」
「抵抗があるんだね」
「そうなの」
 ソースを作りつつ話した。
「これが」
「そうなんだね」
「ええ、けれど化学調味料もね」
「あっていいね」
「ハウス栽培とかもね」 
 こちらで作った野菜もというのだ。
「いいわよ、文明の進歩はね」
「お料理にも影響するね」
「そうよ、だから今のカルボナーラもね」
「昔のカルボナーラより美味しいね」
「間違いなくね、しかし自然食を強く言う人って」
 文明を否定してだ。
「大抵短気で無教養な野蛮人よね」
「極端なヴィーガンの人みたいにね」
 トムは皿やフォークの用意をしつつ話した。
「そうだよね」
「知識人だとしても」
「そんな人達だね」
「野蛮人でも悪くないけれど」
 それでもというのだ。 
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