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おぢばにおかえり

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第七十二話 キャンバスライフその十八

「参考にしないの」
「そうですか」
「だから部活もね」
「入った方がいいですか」
「その方が楽しいでしょ」 
 学校生活はです。
「だからね」
「僕中学もこれで楽しかったですし」
「今もなの」
「充分楽しいですから」
「部活は入らないのね」
「別にいいです」
 こう言うのでした。
「正直に申し上げて」
「これからも入らないの」
「そのつもりです」
「新一君って一度そうだって決めたら変えないところあるわね」
 ここで私はこの子のこの属性に気付きました。
「意志が強いわね」
「人の話聞かないって親には言われます」
「悪く言うとそうなるかしら」
「僕は聞いてるつもりですが」
「好き嫌いも中々なおらないしね」
 さっきの長池先輩に対してもです。
「もうこうだって決めたら」
「変わらないですね」
「そうよね、まあそれでも今からね」
 物凄く立派な、壮麗と言っていい図書館の前に来て言いました。
「図書館に入るけれど」
「凄い図書館ですね」
 新一君はその図書館を見て言いました。
「建物の造りが違いますね」
「何か西洋の神殿みたいな」
「寺院みたいな感じですよね」
「デザインがいいのよね」
 この大学の図書館はそうなのです。
「中の造りもいいし」
「そうですよね」
「それでね」
 私はさらに言いました。 
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