八条学園騒動記
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第六百七十八話 従姉と弟と三人でその二
「存在感もないでしょ」
「そうだよね」
「日本も凄いよね」
「連合は只でさえ個性と自己主張の強い国ばかりなのに」
「その中じゃね」
「カナダは大人しいからね」
そうしたお国柄でというのだ。
「もう強烈な個性の国ばかりで」
「自己主張合戦ばかりしているのに」
「こと我が国と来たら」
「個性がね」
こう三人で話した、そしてだった。
トムはあらためてだ、こう言った。
「だからカナダ料理もね」
「正直ないね」
シッドは兄に応えた。
「これといって」
「料理も個性的な国ばかりなのに」
「本当にスモークドサーモン位?」
「あれも何処でもありそうだし」
「そんなお料理だしね」
「他には」
これといってというのだ。
「ないよね」
「そうなんだよね、アメリカなんてね」
トムは昔から付き合いの深いこの国の話をした。事実上兄弟国と言っていい間柄なので思うことはある。
「ハンバーガーにフライドチキン」
「ステーキにサラダにね」
「ナゲットにね」
「色々あって」
「しかも美味しいよ」
「昔は料理まずいって言われたらしいけれど」
シッドは二十世紀までの話をした。
「しかしね」
「それでもね」
「今じゃ充分ね」
「美味しい国だね」
「そうだよね」
「ところが我が国ときたら」
トムはまた自国のことを残念そうに話した。
「そっちでも存在感ないんだよね」
「いや、何でもね」
メアリーが言ってきた。
「連合一お料理がまずい国ってね」
「言われてるんだ」
「色々な雑誌やネットでの統計を取ったら」
そうすればというのだ。
「これがね」
「連合で一番なんだ」
「お料理がまずい国ってね」
その様にというのだ。
「いつも出てるわ」
「よくないことでトップなんだ」
「多分カナダ料理ってマイナー過ぎるから」
それ故にというのだ。
「知られてないのよ」
「そうなんだね」
「しかも来た人達も」
カナダにというのだ。
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