夢幻水滸伝
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二百六十二話 退魔師の努力その十三
「そこが限度や」
「今は」
「そうなのですね」
「今の張様は」
「そう言われますね」
「そやからな」
だからだというのだ。
「四川省とチベットを掌握したら」
「そこから先はですか」
「考えられますか」
「そうされますか」
「そうするわ」
こう言うのだった。
そしてだった、張は四川省を統一し。
チベットもそうした、それを祝ってくれる民達を見たが。
ここでだ、彼は言った。
「この世界の危機が何かわからんが」
「やがて来るという」
「その危機はですね」
「一体何か」
「まだわからないですね」
「しかしな」
それでもとだ、周りの者達に話した。
「皆守らんとあかんな」
「そう思われますか」
「この世界の危機を退け」
「そのうえで」
「その為にこの世界に招かれたんや」
星の者としてというのだ。
「それやとな」
「必ずですね」
「この世界を救う」
「そうされますね」
「そや、この笑顔守る」
飲んで食べて楽しむ民達のそれを見て話した。
「そうするわ」
「その言葉有り難いです」
「是非そうされて下さい」
「皆内心怯えています」
「その危機に対して」
周りも話した。
「宜しくお願いします」
「やがて来る危機からです」
「我等もこの世界もです」
「お護り下さい」
「そうするわ」
こう言ってだった。
張は酒を飲んだ、その酒は桂花陳酒だった。彼はその酒を飲んで酔いが回るのを感じつつさらに話した。
「美味い酒もな」
「それもですね」
「生きていてこそですね」
「それで、ですね」
「楽しめますね」
「危機で世界が滅んだら」
そうなればとだ、張は話した。
「もうな」
「それで、ですね」
「美味い酒も飲めなくなりますね」
「そうなってしまいますね」
「その時は」
「そやからな」
だからだというのだ。
「やったるで、ちょっと花華ちゃんそれに緑麗ちゃんと話すか」
「お二方とですか」
「貴州省と雲南省をそれぞれ統一された」
「お二方とお話をされますか」
「そうしてな」
そのうえでというのだ。
「これからのことを決めるわ」
「そうですか、ではですね」
「とりあえず貴州省と雲南省に使者を送りますね」
「そうしますね」
「そうするわ」
こう言ってだった。
張は二人の星の者にそれぞれ使者を送った、そうして会談を申し入れるのだった。
第二百六十二話 完
2022・6・15
ページ上へ戻る