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夢幻水滸伝

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第二百六十二話 退魔師の努力その十一

 そうするとだった。
「その政策が評判になりですね」
「張様のところに入りたいという街や村が増えましたね」
「もう四川省だけでなくです」
「チベットにも及んでますね」
「そやな、ただわっちは勢力を派手に拡大させるつもりはないから」
 張は報告する官吏達に成都の官邸で話した、もう四川盆地は完全に掌握し省全体の掌握も間近になってきている。
「ヒマラヤを越えるとかはな」
「されないですか」
「あの険しい山脈はですね」
「そうされますか」
「あんなとこ越えるとか無理やしな」 
 この世界でもヒマラヤ山脈は険しい、しかも環境は起きた世界よりも遥かに過酷なものになっている。
「そやからな」
「そこからインドには入られないですか」
「決して」
「そうされますね」
「しかも今のインドはやばい人が治めてるな」 
 張は官吏達に顔を暗くさせて述べた。
「タゴールさんがな」
「ロシアのトルストヤ様と結婚され」
「同君連合としてですね」
「あちらを治めておられますね」
「そや、あの人エカチェリーナさんも敵には容赦せん」 
 微塵もとだ、こう言い切った。
「そやからな」
「インドには進出されないですね」
「そうされますね」
「ないと思うがあちらの降りたいっていう街や村が出てもな」
 インドからというのだ。
「断わるで」
「あちらはそうされますね」
「インドの街や村は勢力に入れないですね」
「そうされますね」
「カシミールの方もな」 
 そちらもというのだ。
「決してや」
「進出されない」
「インドのものとする」
「その様にされますね」
「そや、絶対にや」
 インドの方にはというのだ。
「入らん、国境でも刺激せん」
「警備を固める」
「それだけですか」
「間違っても国境は越えないですね」
「越えた兵は皆殺しにされるで」
 張は真顔で話した。
「確実にな」
「そうなりますね、確かに」
「タゴール様の苛烈さは我々も聞いています」
「敵に対しては微塵も容赦されません」
「徹底して無慈悲です」
「エカチェリーナさんもな、お二人の軍師のターリヤさんもな」
 この二人もというのだ。
「敵にはそうする方々や」
「そうですね、ではです」
「あちらには入らない様にしましょう」
「間違ってもインドまで勢力を拡大させない」
「四川省とチベットだけですね」
「そや、ただ貴州省と雲南省はな」
 この二つの省の話もした。
「どうするかはな」
「これからですね」
「決められますね」
「そうされますね」
「そうするわ、それぞれ星のモンもおるし」 
 花華と緑麗の話もした。
「どないするかはな」
「これから次第ですね」
「では今はですね」
「四川省とチベットに勢力を拡大し」
「そしてですね」
「政を行ってくで」
 こう言ってだった。
 張は四川省を治め省の全ての街や村が降ってもそれを進めてだった、チベットでもそうしていったが。
 どうしても降らない町や村は攻めた、だがその時もだった。 
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