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英雄伝説~灰の騎士の成り上がり~

作者:sorano
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西ゼムリア通商会議~インターバル・後篇・後半~

~エルベ離宮・客室~



「な――――――」

「あの”リベル=アーク”と同規模の浮遊要塞だと……!?」

「それも”黒の史書”によれば、その”幻想機動要塞”とやらを顕現させる前にサンドロット卿が命を失う事が予言されていたとは………」

「ま、まさか”地精”が1200年前にそのような兵器を築き上げていたなんて……!」

「そんなとんでもない存在が今まで判明しなかったのも、本拠地の時のように異空間に隠し続けていたからでしょうね。」

ミルディーヌ公女が口にした驚愕の事実にその場にいる全員が再び血相を変えている中オリヴァルト皇子は絶句し、ミュラーは厳しい表情で声を上げ、ラウラは真剣な表情で呟き、エマは信じられない表情で、セリーヌは目を細めてそれぞれ呟いた。

「ちなみに本来はその”幻想機動要塞”への侵入を阻む絶対不可侵の結界を展開する為にかのノーザンブリアの災厄となった”塩の杭”と名付けられた巨大な”杭”を数ヶ所に設置する予定であったが、本拠地襲撃後”長”の黒のアルベリヒが長期間の意識不明の重体の為実質作業ができるのは”銅のゲオルグ”のみだった事もそうだがシュバルツァーやミルディーヌ様達”灰獅子隊”による”黒の工房”の本拠地以外の各拠点への襲撃並びに爆破によって”地精”は本拠地を含めた全ての拠点を失った事で、”幻想機動要塞”への侵入を阻む絶対不可侵の結界を展開させ続ける為の”塩の杭”の顕現は不可能になっている可能性が極めて高いとの分析だ。」

「よりにもよってあの”塩の杭”と同じ名前を付けるなんて、相変わらず悪趣味な連中ね、”地精”は……!」

「……”裏の決戦の地”がその”幻想機動要塞”とやらなら団長やレオも間違いなくそこで待ち構えているだろうね。」

「当然”地精”であるジョルジュもそうだが、黒のアルベリヒもオズボーン宰相までの道を阻むつもりだろうね。」

「それにひょっとしたらクレア達”鉄道憲兵隊”もオジサンを守る為にそこで迎撃態勢を取っているかもしれないね~。」

オーレリア将軍の説明を聞いたサラは怒りの表情で、フィーとアンゼリカ、ミリアムは真剣な表情でそれぞれ呟いた。



「確かにとんでもねぇ話のようだが………幾ら連中が追い詰められた状態だからと言って”黒の史書”通りの展開になっていないのに、その浮遊要塞とやらを本当に出してくるのかよ?”黒の工房”の連中は予定外の出来事や存在を嫌っているんじゃねぇのかよ?」

「そ、そういえば………リィン達の行動もそうだけど、連合の事も想定外(イレギュラー)と言って、忌々しそうな様子を見せていたよね……?」

「ああ。そもそも”地精”は遥か昔から”巨イナル黄昏”や”相克”に備えて計画や暗躍をし続けたのに、その全てが想定外(イレギュラー)の出来事によって無駄になる事は避けたいと考えてもおかしくないな。」

「私も”大勢は決した”状態で、今更そんな兵器を投入した所で結局宰相閣下達が敗北する事は元正規軍の将校であった宰相閣下も理解していると思われるのに、あの冷酷に確実に物事を推し進め続けた宰相閣下がそんな”せめて一矢は報いる”みたいな”玉砕覚悟の最後の抵抗”をするとは思えないんだが……」

アッシュの疑問を聞いたエリオットは目を丸くして今までの出来事を思い返し、ガイウスとレーグニッツ知事は考え込みながらそれぞれの推測を口にした。

「ふふ、その心配は無用かと。オズボーン宰相達が現状をどう考えた所で、オズボーン宰相達は”既に幻想機動要塞を出さざるを得ない状況へと追い詰められているのですから。”」

「す、”既に幻想機動要塞を出さざるを得ない状況へと追い詰められている”って事は、まさか連合が既に何かしたのか……!?」

意味あり気な笑みを浮かべて答えたミルディーヌ公女の答えが気になったマキアスは驚きの表情で訊ねた。

「ああ。連合―――――というよりもメンフィル軍が、帝都(ヘイムダル)を包囲する形でエレボニアの各地で”転位”を封じる結界を展開する魔道装置を設置し続けている。」

「ちなみに転位封じの魔道装置を開発したのはかの”匠王”―――――ウィルフレド・ディオン卿との事ですわ。」

「メ、メンフィル軍が”転位封じの魔道装置を帝都を包囲する形で設置している”って事は……!」

「敗戦を悟ったオズボーン宰相達が再起の為の逃亡に必要な転位を封じる事で、まさに逃亡する事もできない正真正銘追い詰められたオズボーン宰相達が時間稼ぎや苦し紛れ等の理由で”幻想機動要塞を顕現せざるを得ない状況に陥らされる”という事ですか。」

「そして前半の会議の時にアルトリザス―――――サザ―ラントの守りについていた正規軍も降伏した事で、サザ―ラント側からも転位封じの魔道装置を設置する事が可能になった事によってオズボーン宰相達は帝都に封じられる状態に陥らされるのでしょうね……」

オーレリア将軍とミルディーヌ公女の説明を聞いて察しがついたアリサは驚きの表情を浮かべ、シャロンとセドリックは推測を口にした。



「……そして”裏の最後の戦いにしてこの戦争の真の最後の戦い”である幻想機動要塞への突入並びにオズボーン宰相を含めた敵対勢力の殲滅がミュゼちゃんやリィン君達―――――”灰獅子隊”の”要請(オーダー)”でもあるんだよね?」

「はい。そこに加えてメンフィル側はロゼさんにサンドロット卿、リフィア殿下直轄の親衛隊にリフィア殿下ご自身、クロスベル側は”特務支援課”に”傭兵契約”を交わしたジェダル・シュヴァルカ一行並びにセリカ・シルフィル一行、遊撃士協会からは皆さんもよくご存じの遊撃士協会史上初の”SSランク正遊撃士”エステル・ファラ・サウリン・ブライト一行、そして七耀教会からは”空の女神”エイドス様ご自身やその一族、更には”守護騎士”が数名加勢する事が決まっていますわ。」

「ちなみにヴァイスラントからはミルディーヌ様の護衛という名目で、私自身がシュバルツァー達に加勢する事になっている。」

「な、何なの、その超過剰戦力メンバーは~~~~~!?」

「ギリアス達の方が”哀れ”に見えて来るほど”英雄”や”化物”揃いの面子じゃねぇか………」

「……大戦の件から予想はできていたけど、やっぱりロゼの2度目の加勢は決戦―――――それもリィン達に加勢する件だったみたいね……」

「……………………」

トワの確認に対して答えたミルディーヌ公女とオーレリア将軍がそれぞれ答え、二人の話を聞いたミリアムは表情を引き攣らせて声を上げ、クロウは疲れた表情で呟き、複雑そうな表情で呟いたセリーヌの話を聞いたエマは複雑そうな表情で黙っていた。



「ちなみにオズボーン宰相達……というよりもオズボーン宰相が地精の反対を押し切って”幻想機動要塞”を顕現させるという”盤面”もありますが、正直言ってその”盤面”はオズボーン宰相の性格やリィン総督閣下に対する今までの言動や態度を考えれば”あまりにもありえない可能性の盤面”ですから、気にする必要はないかと。」

「え……オズボーン宰相が地精の反対を押し切って”幻想機動要塞を顕現させる可能性ですか?”」

「しかもリィンが関係しているようだけど……一体どんな理由なのよ。」

苦笑を浮かべて答えたミルディーヌ公女の説明が気になったセドリックは戸惑い、サラは真剣な表情で訊ねた。

「”巨イナル黄昏”を利用して世界を”終焉”に導こうとした事もそうですが、今回の戦争の件でエレボニアという国をゼムリア大陸全ての国家・人々に仇名す存在にしてでも”大陸統一”を果たそうとしたにも関わらず、その結果エレボニアが敗戦してしまい、敗戦後のエレボニアにかつて経験した事がない”冬の時代”を到来させてしまった”元凶”としての責任を果たす為に、逃げも隠れもせず連合を迎え撃ち、”皇家や政府をも自身の野望の為に利用した世界の敵として討たれる事”で戦後の世間によるアルノール皇家や新政府への批判を少しでも抑える為ですわ。」

「それは…………」

「百歩譲ってその推測が当たったとして、そこに何でシュバルツァーが関係してくるっつーの。」

ミルディーヌ公女の推測を聞いたミュラーは複雑そうな表情を浮かべて答えを濁し、アッシュは呆れた表情で指摘した。

「皆様も既にご存じのようにオズボーン宰相は自らの野望の為に幼いリィン総督閣下をシュバルツァー卿に委ね、リィン総督閣下との親子の縁を完全に切りました。そして成長したリィン総督閣下に対してあくまで”鉄血宰相”として接し、内戦後は自らの野望の為に利用しようとされていました。ですが”非情”には徹してはいても、リィン総督閣下に対する”父親としての情”が残っていたとします。幼いリィン総督閣下を切り捨てた親としての罪悪感もそうですが、リィン総督閣下をシュバルツァー卿に委ねた事によってリィン総督閣下が味わった様々な苦難――――――自身が捨て子である事によってご両親であるシュバルツァー男爵夫妻がエレボニアの社交界から爪弾きにされた件や血統主義の貴族達から嘲笑されて耐え続けた件、内戦の件、そして今回の戦争の件に対して実の父親として何のフォローもしてこなかったせめてもの”罪滅ぼし”として”自らが世界の敵を演じてリィン総督閣下に討たれる事”で、リィン総督閣下が今の祖国であるメンフィル帝国もそうですが世界からも”世界を救った英雄”として賞賛を受ける事でリィン総督閣下に”栄光の未来”を歩ませると同時に、”リィン総督閣下と自身の親子の縁を真の意味で断ち切り、リィン総督閣下にとっての真の家族とはシュバルツァー家である事”をリィン総督閣下ご自身に思い込ませる為ですわ。――――――最もこれらの件は先程も言ったように、オズボーン宰相の今までの行動や言動を考えれば”あまりにもありえない可能性ですわよ?”」

「確かにそうですね………それに例え宰相閣下にリィン君の父親としての情が残っていたとしても、”親として”そのようなあまりにも惨い事は考えないでしょうね。」

ミルディーヌ公女は推測を答え終えた後すぐに苦笑しながら念押しをし、ミルディーヌ公女の念押しに同意したレーグニッツ知事は静かな表情で答えた。





女神よ!!いや、悪魔でも何でもいい――――――この身がどうなろうと構わないから俺達の息子を助けてくれええっ……!





いいだろう――――――この魂と肉体、貴様に()れてやる!代わりに息子を、リィンを助けろ!!”黒の騎神”――――――イシュメルガああああああっ!!!





「……………………」

「……”世界の敵を討って世界を救った事で手に入れる栄光の未来”、か。確かにそのような”偉業”を成せば”実力主義”のメンフィルでなくても、その偉業を成した”英雄”が所属している国は”英雄”を賞賛し、厚い待遇をするだろうな。」

「そうだね………それこそ爵位や領地を授かったりすることもそうだが、皇族との縁談によってその”英雄”が皇族の一員になったり、皇族を伴侶に迎えた事によって”公爵”等の上級貴族になってもおかしくないだろうね。」

「………リィン………」

「……………………」

一方”月の霊場”での水鏡が見せたオズボーン宰相が”黒の騎神”の”起動者”になった経緯の幻視を知っていた為、オズボーン宰相にリィンに対する父親としての情がまだ残っている可能性がある事に気づいていた紅き翼の面々はそれぞれ重々しい様子を纏って黙り込み、ユーシスとアンゼリカは重々しい様子を纏って呟き、アリサは辛そうな表情を浮かべてリィンを思い浮かべ、アリサ達の様子に気づいたミルディーヌ公女は真剣な表情で黙ってアリサ達を見つめた。

「―――――次が最後の質問だ。今更な質問かもしれないがミルディーヌ君はメンフィルが要求した賠償条約をエレボニアが呑む事でエレボニアが存続できることに納得――――――いや、満足しているのかい?」

「ふふっ、”満足”どころか私が目指していた”最高の盤面”と比べるといくつかの想定外(イレギュラー)はありましたが、それらも含めてむしろ”大満足の結果”ですわ。」

「だ、”大満足の結果”って……」

「恐らくミュゼ君が目指していた”最高の盤面”は戦争前の3度目の賠償条約と賠償金の支払いをエレボニアが呑む事でエレボニアを存続させられると言った所だろうから、それを考えると”大満足の結果”なんだろうね。」

オリヴァルト皇子の質問に対して笑顔を浮かべて答えたミルディーヌ公女の答えにエリオットが信じられない表情を浮かべている中アンゼリカは複雑そうな表情で推測した。

「その……賠償条約によってラマール州の領土の一部を失う事になっているのに、その事もラマール州の統括領主でもあるミルディーヌさんにとっては思う所等はないのですか?」

「はい。むしろ、ラマール州の統括領主として管理する範囲もそうですがラマールの発展の為に開発する領土の範囲が狭まった事によって、ラマール州の治安維持や経済の流れの監視・管理もそうですが、領土開発の負担も減りますもの。」

「……領土を失った事によってラマールの統括領主としての負担が減少する事もそうですが、領土割譲される事になる領土の開発の為に投入する予定だった資金を他に回せるというメリットがあると考えられているようですね。」

複雑そうな表情で訊ねたセドリックの質問に答えたミルディーヌ公女の話を聞いてミルディーヌ公女の思惑を悟ったレーグニッツ知事は静かな表情で呟いた。



「さすがは聡明な知事閣下ですわ。――――――そこに加えて領土割譲された元ラマールの領土の統括領主はユーディお姉様達”クロスベル側のカイエン公爵家”なのですから、”カイエン公爵家全体で考えれば何も失っていませんわ。”」

「なるほどね~。クロスベルに併合されるラマールの領土の統括領主をクロスベルに寝返った前カイエン公の娘達が務めるんだったら、”カイエン公爵家全体で考えれば領土は失っていない事になるね~。”」

「それどころか、カイエン公爵家を二つに割って片方がクロスベル――――――他国に所属する事で他国にもカイエン公爵家の血を残せる事によって、様々なメリットが発生するな。」

「クロスベル側のカイエン公爵家が仲介する事によってミルディーヌ公女殿下がクロスベルとの貿易をする際エレボニアのあらゆる勢力よりも有利な立場になる事は容易でしょうし、ミルディーヌ公女殿下とユーディット公女殿下並びにキュア公女殿下の関係は良好の御様子ですから治安維持や領土開発の連携もスムーズに進む事も考えられますわね。」

「ったく、あのカイエンのオッサンと血が繋がっているとはとても思えない油断も隙もない公女さんだぜ……」

レーグニッツ知事を賞賛した後答えたミルディーヌ公女の話を聞いたミリアムとユーシスは真剣な表情でミルディーヌ公女を見つめ、シャロンは静かな表情で推測を口にし、それらの話を聞いたクロウは疲れた表情で呟いた。

「ふふっ、褒め言葉として受け取っておきますわ。」

「ちなみにこれは余談だがクロスベルはヴァイスハイト皇帝とユーディット様の間から産まれた子供とギュランドロス皇帝とルイーネ皇妃の間から産まれた子供を跡継ぎにすると同時にその子供達同士を結婚させる事で、現在は二人存在するクロスベル皇帝を孫――――――”三代目”の世代で一人にする予定との事だ。」

「ええっ!?それじゃあ、ユーディットさんが産んだ子供が次代の”クロスベル双皇帝の片翼”になるんですか……!?」

「……考えたな。二人存在するクロスベルの皇帝同士を結ばせる事によって産まれる子供を跡継ぎにする事で、クロスベル皇帝が二人存在する事で発生する恐れがあるクロスベル皇帝の跡継ぎ争いもそうだが派閥争いを防ぐ事も狙いなのだろう。」

「”正妃”ではなく”側妃”のユーディット公女殿下の子供をヴァイスハイト陛下の跡継ぎにする理由は恐らく、”偽帝”オルトロスの子孫であるカイエン公爵家の血をクロスベル皇家に入れる事で”成り上がりで建国したクロスベルの帝国としての正当性”が証明できるからでしょうね。」

「皮肉な話ね。他国とはいえ、前カイエン公が目論んでいた玉座を前カイエン公の直系の”曾孫”が手にする事になるのだから。」

「そうね………最も、”血統主義”の前カイエン公が自分の娘が”尊き血を引いていない成り上がりの国の王の側妃”になった事についてどう思うかはわからないけど……」

クロウの皮肉に対してミルディーヌ公女が笑顔で流した後答えたオーレリア将軍の話を聞いたセドリックは驚きの表情で声を上げ、ミュラーとトワは真剣な表情で推測し、疲れた表情で呟いたセリーヌの話を聞いたエマは複雑そうな表情で同意した後前カイエン公を思い浮かべながら答えた。



「そういえばミュゼは”ミュゼにとっての想定外(イレギュラー)を含めた大満足の結果”と言っていたが、その想定外(イレギュラー)とは領土割譲の緩和、第9条と第10条の件だろうか?」

「はい。そこに加えて”リィン総督閣下との婚約も含まれますわ。”」

「え…………」

「あん?元々テメェはシュバルツァーが侍らす女の一人になる為にシュバルツァー達に近づいたんじゃねぇのかよ?」

ガイウスの指摘に答えたミルディーヌ公女の意外な答えにアリサが呆けている中アッシュは眉を顰めて訊ねた。

「ええ。ですがあんなにも多くの様々な魅力を持つ女性達を既に侍らせているリィン総督閣下が、私のような質の悪い小娘の想いに対して”本気で考え、応えて頂けた事は完全に想定外でしたわ。”リィン総督閣下と結ばれる事は叶わなくても、カイエン公爵家当主として良好な関係を築く事ができれば十分な結果だと考えていたのですが………」

「ミュゼ君……」

「という事はミュゼは”リィンがミュゼの想いに応えない可能性が高いと最初から理解していて”、リィンに言い寄っていたのか……」

「……どうしてリィンはミュゼには様々な思惑があって自分に言い寄っている事がわかっていながら、ミュゼの想いに応えたんだろう?」

「それこそリィン自身かベルフェゴールくらいしかわからないわよ……」

寂しげな笑みを浮かべて答えたミルディーヌ公女の本音を知ったアンゼリカが複雑そうな表情を浮かべている中、ラウラは驚きの表情で呟き、首を傾げて呟いたフィーの疑問にサラは疲れた表情で答えた。



「ご要望通り、これで殿下達の疑問には全て答えました。それで交渉の件、いかがでしょうか?」

「……3つ条件がある。一つ目はオルディスとラクウェルで”試験導入”する予定の”娼館制度”を帝国各地でも採用する事を皇家と政府が決めた際、”娼館制度”のノウハウもそうだが採用をしていて実際に起こった問題や気づいた更なる利点を包み隠さず、”対価無しで皇家と政府に開示する事”だ。」

「フフ、なるほど。オルディスとラクウェルに採用される”娼館制度”が成功した際、その成功によって帝国各地にも採用する事を決めた皇家と政府がカイエン公爵家(わたくし)にノウハウ等の開示を要請した際、私が対価を求めてくる事を想定されているようですわね。―――――二つ目の条件とはどういった条件でしょうか?」

オリヴァルト皇子が出した条件の一つを聞いてオリヴァルト皇子の考えを悟ったミルディーヌ公女は静かな笑みを浮かべて呟いた後続きを促した。

「二つ目の条件は皇家・政府がメンフィル帝国から飛行騎獣を購入する際の仲介もそうだが、飼育・騎乗方法を教えてもらう仲介をカイエン公爵家が対価無しで行う事だ。」

「まさか帝国正規軍に新たに”飛行騎士”によって構成された部隊を結成するつもりか?さすがにゼムリア大陸にとってはメンフィル帝国軍専売特許と言ってもおかしくない”飛行騎士”を他国―――――それも戦争相手国に誕生させる事は許さないと思うが。」

オリヴァルト皇子が出した二つ目の条件を聞いてオリヴァルト皇子がやろうとしている事を察したミュラーは複雑そうな表情で指摘した。

「メンフィルがエレボニア所属の飛行騎士の誕生を許さないのは飛行騎士の所属が軍だからだろう?”飛行騎獣を扱う部隊は軍に所属させない事もそうだが軍事関係に決して関わらないという制約”を科してのメンフィルとの交渉を私は考えている。」

「え……”飛行騎獣を扱う部隊”を軍に所属させないのでしたら、一体どのような部署に所属させるつもりなのですか、兄上。」

オリヴァルト皇子の答えを聞いて新たな疑問を抱いたセドリックは不思議そうな表情で訊ねた。



「消防機関やレスキュー隊の新たな部隊として結成するつもりだ。」

「なるほど……消防機関にしてもレスキュー隊にしても、軍事関係には決して関わらない事もそうですけど、彼らの存在理由は”災害に巻き込まれた人々の救助”ですから、人道的な面でメンフィルを説得させやすくなりますね。」

「はい!エレボニアが飛行騎獣を欲する理由が”人命救助”で、”軍事関係に決して関わらせない”という制約を科せばメンフィル帝国もエレボニアの交渉に耳を貸してくれる可能性は十分にありますよ……!」

「せっかくの飛行部隊を”軍事関係には決して関わらせない制約”を科すなんて軍の関係者はいい顔をしないかもしれないけど、いざとなったらバレないように利用すればいいだけだもんね~、ニシシ♪」

「このガキは………」

「もしバレたらよくて罰金、最悪は国際問題に発展するのがわからないのか………」

「しかもメンフィルは諜報活動にも長けている”斑鳩”と本格的な契約を交わす可能性が高いだろうから、間違いなく”斑鳩”の諜報部隊にエレボニアの動向を見張らせると思うから絶対バレると思うよ。」

オリヴァルト皇子の考えを知ったサラとトワは明るい表情を浮かべ、ミリアムの言葉を聞いたその場にいる全員が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中ユーシスは顔に青筋を立ててミリアムを睨み、マキアスとフィーは呆れた表情で指摘した。



「フフ………――――――それで最後の条件とは?」

「最後の条件はミルディーヌ君は賠償条約第10条によって求められる政府の負担をカイエン公爵家が全て負担すると言っていたが、全てを負担する必要はない。半分は私達皇家や政府に負担させてもらう事を承諾する事だ。」

「ハ?せっかくそのゆるフワ女がアンタ達が負担しなければならなかった大金を代わりに負担するって言っているのに、何で自分からわざわざ半分は負担するなんて提案をしたんだ?」

オリヴァルト皇子が口にした意外過ぎる条件に眉を顰めたアッシュはオリヴァルト皇子にアッシュ自身が抱いた疑問を問いかけた。

「恐らく”世代”が交代する事によって、先程殿下が危惧した件――――――”カイエン公爵家が第10条によって求められる政府の負担をカイエン公爵家が全て負担している事”を理由に駐留軍による災害派遣をラマール州に優先させる事を殿下は危惧され、それを防ぐ為に半分は政府や皇家が負担する申し出をされたのだろう。」

「なるほどね。その公女はともかく、公女の子孫まで皇家に忠実とは限らないでしょうから、揚げ足を取られかねない為の予防策は必要でしょうね。」

「セ、セリーヌ……そういう事はせめて本人(ミュゼさん)がいない所で言ってよ……」

レーグニッツ知事の推測を聞いたセリーヌは納得した後ミルディーヌ公女をジト目で見つめ、エマは冷や汗をかいてミルディーヌ公女を気にしながらセリーヌに注意した。



「確かに殿下達の懸念に関しては反論できませんわね。幾ら不老不死の身になったとしても、私は永遠にカイエン公爵家の当主を務めるつもりはありませんもの。―――――わかりました。先程挙げた”対価”に加えて殿下達が要求した条件と引き換えに、私の希望に応えて頂けるという事でよろしいでしょうか?」

「ああ、これで”交渉成立”だね。」

「―――――だったら、私の方も条件をつけさせてもらっても構わないかい、ミュゼ君。」

「ア、アンちゃん……!?」

「その様子だと公女さんのお前への要求に応える事を決めたのか?」

ミルディーヌ公女の確認の言葉にオリヴァルト皇子が頷くとアンゼリカがミルディーヌ公女に交渉を持ちかけ、アンゼリカの行動を見たトワは驚き、察しがついたクロウは真剣な表情でアンゼリカに確認した。

「正直迷ってはいたけど、先程のオリヴァルト殿下がミュゼ君に条件を出した事でエリオット君の父君を救う”妙案”を思いついてね。その案を実行する為には、ミュゼ君の協力が必要なんだよ。」

「え……と、父さんを……!?一体どんな方法なんですか……!?」

アンゼリカの答えを聞いて驚いたエリオットは真剣な表情でアンゼリカに訊ねた。

「すぐにわかるよ。条件は二つで、一つ目の条件は私達ノルティア領邦軍とナイトハルト教官達”第四”から離反した部隊の共闘による”帝都奪還戦の先鋒戦”の”指揮権”を私達に委ねてもらう事だ。」

「ほう……考えたな。先鋒戦での指揮権を其方達に委ねる事で、連合やヴァイスラントにとっては”敵将”に当たる”紅毛”をわざわざ救う作戦内容に文句を言わせない為か。」

「あ………」

「なるほど……先鋒戦の陣形もそうだが作戦等を私達で決められる事で、軍の協力によって私達がクレイグ将軍閣下に接触して説得、もしくは捕縛する等と言った事が容易になるな。」

「ええ……!陣形や作戦内容をこっちで決められるのだったら、軍にあたし達がクレイグ将軍閣下に接触する為の時間を稼いでもらう事も可能になるでしょうね。」

アンゼリカの条件を聞いてアンゼリカの狙いを察したオーレリア将軍は感心し、アリサは呆けた声を出し、ラウラは真剣な表情で呟き、サラは口元に笑みを浮かべて推測した。



「元より先鋒戦を務めて頂けるのでしたら、当然作戦内容や陣形等はそちらに任せるつもりでしたから”先鋒戦の指揮権”をアンゼリカお姉様達に委ねる事は私としても異存はございませんが……”先鋒戦”に出陣して頂くのはノルティア領邦軍だけでなくナイトハルト中佐達も含まれているのですから、アンゼリカお姉様達がナイトハルト中佐に接触して説得して下さい。」

「勿論そのつもりさ。」

「クレイグ将軍閣下達を救う方法があるのならば、ナイトハルト教官達も間違いなく協力してくれるだろうから、説得の必要もないだろうがな。」

「ああ………!クレイグ将軍閣下を学院長の”二の舞”にしない為にも、何としても成功させないとな……!」

ミルディーヌ公女の指摘にアンゼリカが頷いた後静かな笑みを浮かべて推測したユーシスの推測に頷いたガイウスは決意の表情を浮かべた。

「あの……念のためにもクレイグ将軍閣下達を説得もしくは捕縛によってクレイグ将軍閣下達が投降した後の事―――――戦後の”軍事裁判”でクレイグ将軍閣下達に”処刑”の判決以外の判決にする事も条件に付け加えた方がいいのでは?」

「重要な助言ありがとうございます。―――――という訳で皇太子殿下が仰った件も一つ目の条件に含めている事にしてくれ。」

セドリックの助言を聞いてセドリックに感謝したアンゼリカはミルディーヌ公女にある事を伝えた。



「ふふっ、わかりました。それでもう一つの条件とは?」

「もう一つの条件はジョルジュの”助命”だ。」

「ふえ?ジョルジュ君の”助命”って………あっ!」

「戦後”黒の工房”の一員としてギリアス達に協力していたジョルジュは連合によって処刑されるかもしれねぇな。」

「ええ……それに”黒の工房”―――――”地精”の場合は関係者達は全員連合どころか教会の抹殺対象になっているかもしれないわ。トマス教官達によると教会はオズボーン宰相どころか”表”の役割――――――帝国正規軍の総指揮官の役割を与えられただけの学院長まで”外法認定”したらしいから、それを考えると”裏の協力者達”の纏め役のような存在であるアルベリヒは当然”外法認定”しているでしょうし、遥か昔から”黄昏”に備えて歴史の裏で今まで暗躍し続けた”地精という組織自体を外法認定”していてもおかしくないでしょうね。」

アンゼリカが口に出した意外な条件内容に呆けたトワだったがすぐにある事に気づくと声を上げ、クロウは複雑そうな表情で、サラは厳しい表情でそれぞれ推測を口にした。

「念の為に確認しますが私達ヴァイスラントによる連合への助命嘆願対象は”ジョルジュ・ノームだけ”でよろしいのですか?アンゼリカお姉様の事ですから、その助命嘆願対象の中にアルベリヒ―――――いえ、”フランツ・ラインフォルト”も含むと考えていたのですか。」

「……そうしたいのは山々だけど、以前のエリンの郷でリウイ陛下が戦争を止める条件として”オズボーン宰相とアルベリヒの抹殺は絶対である事”を仰っていたから、例え君達ヴァイスラントの嘆願があっても連合は”オズボーン宰相とアルベリヒを救う事は絶対に認めない事”は理解しているし………そもそも、”全ての元凶”を滅ぼせば”全ての元凶”の”眷属”のアルベリヒも連動して消滅―――――滅んでしまうとの事だからね………」

「ふふっ、さすがに状況がここまで進めば現実から目を逸らす訳にはいかなくなった事は理解しているようだな。」

「…………ッ!」

「お嬢様………」

ミルディーヌ公女の確認に対してアンゼリカはアリサに視線を向けた後複雑そうな表情で答え、アンゼリカの答えを聞いたオーレリア将軍は静かな笑みを浮かべて呟き、辛そうな表情で唇を噛み締めているアリサに気づいたシャロンは心配そうな表情でアリサを見つめた。



「なるほど、わかりましたわ。―――――とはいっても”そもそもジョルジュ・ノームはクロスベル帝国の助命嘆願によって戦後処刑以外の処罰を受ける事は決定しています”から、他の条件に変える事をお勧めしますわ。」

「ええっ!?ク、クロスベルがジョルジュ先輩の助命嘆願を……!?」

「何でクロスベルがジョルジュ先輩の助命嘆願をしたんだ!?クロスベルとジョルジュ先輩は何の縁もないはずだろう……!?」

「どうせ”クロスベルにとっての利”の為なんじゃないの?クロウの時もそうだったし。」

ミルディーヌ公女が口にした驚愕の事実にその場にいる全員が血相を変えている中エリオットは驚きの表情で声を上げ、マキアスは困惑の表情で疑問を口にし、フィーは厳しい表情で推測を口にした。

「先の大戦でイリーナ会長もそうだが、シュミット博士が”特務支援課”によって逮捕された事は其方達も知っているだろうが………クロスベルの上層部達は逮捕後の2人にそれぞれ”司法取引”を行った時に、シュミット博士には”戦後クロスベルにも技術開発の協力をしなければシュミット博士の3番弟子であるジョルジュ・ノームを処刑する”と伝えた所、シュミット博士は”ジョルジュ・ノームの助命と引き換えにクロスベルへの技術開発協力”に応じたとの事だ。」

「なっ!?それは”取引”ではなく、”脅迫”ではありませんか……!」

「元々連合は”地精”の一員であるジョルジュ先輩をこの戦争を利用して殺害するか、戦後処刑するつもりだったでしょうから、クロスベルはシュミット博士の協力を取り付ける為に”敗戦すれば殺される可能性が高かったジョルジュ先輩の状況”を利用したんでしょうね……」

「しかし意外だな。自らの研究にしか興味を抱いていないと思われていたあのシュミット博士に”師”としての”情”があったとは。」

「言われてみればそうだよね~?内戦でもそうだけど、今回の戦争でも自由に動いていたあのシュミットの爺ちゃんがジョルジュの為に他人の言う事を聞くなんて驚きだよね~。」

オーレリア将軍の説明を聞いたラウラは驚いた後厳しい表情で指摘し、エマは複雑そうな表情で推測し、静かな表情で呟いたユーシスの感想にミリアムは意外そうな表情を浮かべながら同意した。



「ジョルジュの命は助けるって言ったが、それでも何らかの処罰をジョルジュに与えるんじゃねぇのか?」

「ええ。技術力は長けている上”地精”の知識も備わっているのですから、その技術や知識を平和利用する事を”償い”にするという事になっていますわ。」

「ジョルジュ君の技術や知識を”平和利用”するという事は、連合は”地精”の知識や技術を利用しての新兵器の開発等は考えていないようだね………」

複雑そうな表情で呟いたクロウの推測に対して答えたミルディーヌ公女の説明を聞いたトワは安堵の表情で呟いた。

「公女殿下。先程ジョルジュ君の件でシュミット博士はクロスベルの技術開発に協力するとの事ですが、博士の所属国家を変える事までは要求されていないのでしょうか?」

「はい。クロスベルも幾らジョルジュ・ノームの件があるとはいえ、そこまで求めるつもりはないとの事です。最も博士の活動拠点であったルーレ大学―――――ルーレ市がクロスベルに併合されますから、エレボニアの技術開発に博士に関わってもらう為には博士にとって興味を抱く何らかの研究内容等を用意する必要があると思われますが。」

「それも難題なんだけどねぇ………それはともかくジョルジュ君の件は心配無用とわかった以上、もう一つの条件内容はどんな内容にするつもりなんだい、アンゼリカ君。」

レーグニッツ知事の質問に答えたミルディーヌ公女の話と推測を聞いたオリヴァルト皇子は疲れた表情で溜息を吐いた後アンゼリカに訊ねた。



「そうですね…………―――――!それなら、毎年年に一度で構わないからリィン君とセレーネ君がⅦ組のみんなとゆっくり過ごせる機会を作る為の協力をしてもらう事に変えさせてもらうよ。」

「え…………皆さんがリィンさんとセレーネさんと過ごせる機会を作る為に、どうしてミルディーヌさんの協力が……」

「……恐らく戦後の二人と彼らは疎遠になってしまう事で二人と彼らの関係が自然消滅する事を危惧し、それを防ぐ為にはミルディーヌ公女の協力が必要と判断したのでしょう。」

「戦後のリィン様は”エレボニア総督”の任につき、”エレボニア総督”の任を終えた後はシュバルツァー公爵家の当主――――――”クロイツェン統括領主”を務める事が内定していますし、セレーネ様はリィン様の補佐をすることが想定されますから、そんなお二人とお嬢様達が共に過ごし、改めて友好を深める事は現状厳しいでしょうね。」

「そうだね……できれば私も力になりたい所だけど、”エレボニア総督”にせよ、”クロイツェン統括領主”にせよ、メンフィル帝国側の立場である二人のスケジュールに都合がつくような手配は私を含めたエレボニア帝国の関係者は”唯一の例外”であるミルディーヌ君を除けば不可能だろうね。」

「その”唯一の例外”であるミュゼだったらリィン達のスケジュールを知る事もできるだろうし、いざとなったら”英雄王”達にリィン達とわたし達の都合がつくような手配を頼めるだろうね。」

アンゼリカの条件内容を聞いてアンゼリカの意図がわからず、戸惑っているセドリックにミュラーが複雑そうな表情で説明し、複雑そうな表情で推測したシャロンの推測に頷いたオリヴァルト皇子は疲れた表情で呟き、フィーは静かな表情で推測した。

「あ…………だったらエリゼさんとも過ごす為にも、ミュゼに協力してもらいましょう……!エリゼさんが抱いている私達への悪印象を変える為にも……!」

「ついでに黒獅子の学級(ルーヴェン・クラッセ)の連中にも、俺達とリィン達の”絆”は途切れて等なく、連中のように”本物”である事をその目で見せてやるのもいいかもしれないな。」

「そうね。連中もそうだけど、あの女将軍から受けた借りも返していないのだから、”勝ち逃げ”なんて絶対させないわよ……!」

「サラ教官だけ主旨が間違っている気がしますが………僕達やリィン達もそうだが、エレボニアの未来の為にも改めて彼らと交流する事はいいかもしれませんね。」

「あっ!それとアーちゃんも忘れないでよね~!アーちゃんも本来だったら”Ⅶ組”だし、もしかしたら将来トールズに入学してⅦ組の一員になるかもしれないからね~♪」

ミュラー達の話を聞いて呆けた後ある事を思いついたアリサとユーシスは新たな提案をし、ユーシスの提案に頷いた後不敵な笑みを浮かべて呟いたサラに呆れた表情で指摘したマキアスは気を取り直して答え、ミリアムは更なる提案をした。



「―――――そういう訳で頼めるかい、ミュゼ君。」

「フウ………いつの間にか皆さんの同窓会の幹事のような役割を押し付けられてしまいましたが、皆さんとの交流はリィン総督閣下達も望まれているでしょうから、承りましたわ。」

アンゼリカの確認に対してミルディーヌ公女は溜息を吐いた後苦笑しながら同意した。



そしてミルディーヌ公女とオーレリア将軍が退室した後、オリヴァルト皇子達は後半の会議に向けての相談等をしてから後半の会議に参加する為に会議の場へと向かい、席について少しの間待っていると各国のVIP達が揃い、後半の会議が始まった――――――





 
 

 
後書き
西ゼムリア通商会議篇は後1~2話で終わる予定です。西ゼムリア通商会議篇が終わればⅦ組側の話を少しの間した後最終決戦、そしてちょっとだけ創篇をする後日譚をして完結と考えています。灰の騎士の成り上がりを終えたらどうするかはまだ考えていませんが、多分以前導入部分だけ書いた黎篇を本格的にすると思います。ただ黎篇はⅠはともかく、Ⅱは所々端折るか下手したらⅡ篇は全て端折るかもしれません(ぇ)後黎篇は旧作のキャラであまりにも意外過ぎるキャラがリィンハーレムの一員になる事を予定していて、そのキャラが誰なのかはひょっとしたら灰の騎士の成り上がりのエピローグで判明するかもしれません(まだ増えるんかい!?)ちなみに件のキャラは原作軌跡シリーズのプレイアブルキャラです。 
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