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夢幻水滸伝

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第二百六十話 雲南省掌握その六

「降っています」
「花華ちゃん達は四川省の方に逃れていってるしな」
「あちらも無理な抵抗をせず降る様に言ってますし」
「それでやな」
「雲南省全体で、です」
「街や村が降ってるな」
「そうなっています」
 こう話した。
「今は」
「これで雲南省の掌握は成るな」
「そうですね」
「ほなこっちも使者を出してな」
 そのうえでとだ、施は蒲に話した。
「そしてや」
「そのうえで、ですね」
「次々とな」
「街や村をですね」
「こっちに入れるで、それが済んで落ち着いたらな」
 その時はというのだ。
「川を遡ってな」
「四川省に向かいますね」
「そうするわ、ただ花華ちゃん達軍船は自分達が使う分以外は」
「全部壊してますね」
「敵に使わせる位ならな」 
 自分達が造った軍船をだ。
「壊すわ」
「戦の基本の一つですね」
「そやからな」
「壊していきましたね」
「そや、しかし民間のものはな」
 そちらの船はというのだ。
「壊してへんな」
「そうですね、そこはです」
「見事やな」
「僕もそう思います、戦はしても民に迷惑はかけへん」
 そうした配慮をしていることがというのだ。
「星の人だけはありますね」
「自部等も見習わんとな」
「そうですね」
「人は自分で自分を尊敬しろとか真顔で言う奴は絶対に尊敬せん」 
 施は真顔で言った。
「そうしたこと言う奴は勝手に天狗になっててや」
「それで、ですね」
「成長は止まってる、というかそんなこと言うとな」
 さらに言うのだった。
「自分を一切振り返ってへんと言えることやしな」
「自分の行いをですね」
「そんな奴の行いなんてな」
「碌でもないですね」
「そんなもんや、その行いを人は見てるんや」
「そやからですね」
「そんなこと真顔で言う奴は尊敬されるどころかな」
 その逆にというのだ。
「馬鹿にされるわ」
「逆にですね」
「それも心底な」
 ただ馬鹿にされるだけでなくというのだ。
「そして軽蔑もされる」
「自分で真顔で言えるその無神経さと尊大さも含めて」
「人はそんなん言うたら終わりや」
 自分で自分を尊敬しろなぞだ。
「そうはなったらあかん」
「その通りですね、それでですね」
「花華ちゃんと緑麗ちゃんはな」
「立派に行動で示していますね」
「民に迷惑をかけんことでな」
「そうですね」
「自分等も見習わんとな」
 施はあらためて言った。
「ほんまに」
「そうですね」
「それでや」
 施は蒲にさらに話した。 
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