麗しのヴァンパイア
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第五百話
第五百話 時に戦い
カーミラは警戒を解いていないクラウンの面々に話した、見れば他の塾の生徒達も彼女のことを知っていて警戒している。
パーティーの場の雰囲気は一変していた、だが。
カーミラは優雅に笑って彼女達に話した。
「言ったわね、戦う時は戦って」
「そうでない時はなの」
「楽しむわ、それでパーティーに呼ばれたら」
その時はと言うのだった。
「応じるわ」
「そうするの」
「勿論私もパーティーを開いたら」
カーミラはその時の場合も話した。
「お二人に貴女達をね」
「招待してくれるの」
「そうするわ」
「血は吸わないのね」
「吸血鬼は血を吸っても栄養を得られるけれど」
カーミラは華奈子の今の問いにも答えた。
「それだけでないのよ」
「っていうと?」
「ちゃんと人間と同じものを食べても栄養を摂れるし」
この場合もというのだ。
「特にワインを飲んでもよ」
「ワイン?」
「とりわけ赤いものを飲んだらね」
即ち赤ワインをというのだ。
「健康な人の血、新鮮なそれを飲んだ時と同じ位によ」
「栄養を得られるの」
「しかも美味しいし酔いもするから」
このこともあるからだというのだ。
「血は飲まないわ」
「そうなの」
「だから安心してね、戦わないし」
それにとだ、カーミラはさらに話した。
「血を吸うこともね」
「しないの」
「そうよ、今言った通り絶対にね」
「じゃあ私達は」
「安心していいわ」
そうだというのだ。
「私はワインとご馳走を楽しむわ」
「そうだといいけれど」
「ではワインを頂くわ」
「今からそうするのね」
「そうよ、ワインは最高の血に等しいから」
それ故にというのだ。
「飲むわ」
「それじゃあね」
こう話してだった。
華奈子は頷き他の生徒達も警戒の念を解いた、そうしてカーミラをパーティーに心から迎え入れたのだった。
第五百話 完
2022・8・21
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