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ライブジャスティスシリーズ

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五河オリジナル/それでも前へ……


10月

ハロウィンで活気付く街の中、ラタトスク本部でもハロウィンパーティーを開いていた。仮装した面々がスイーツを楽しむ中、士道は一人その光景を見つめていた。虚無の様な笑みを浮かべて……

士道「皆、楽しそうだな」

六喰「主様……」


アイザックとの決戦の後、ラタトスク本部に帰還した士道は変わってしまっていた。十香を助けられなかった事を告げられた際はその衝撃に誰もが涙を流した。でも士道はそんな哀しみを堪え、自らを仮面ライダーとしての使命で虚無の心を満たすべく戦いに身を投じていた。そんな中、精霊の力を失った仲間たちは士道によって守られている状態が続き、六喰はこの事を憂いていた。

六喰(むくにも……主様に何か出来れば……)

すると六喰は部屋を出て士道の部屋のスペアカードキーを手にする。

六喰(余り、気の利いたやり方ではないが……)





その後、パーティーを終えた士道は一人、後片付けをしていた。そんな中、士道は一人、紫のフェザーの袖を握り締める。

士道「十香……俺、わかんないよ……お前がいない世界に、だいぶ慣れてきたはずなのに……」

士道はポケットからサンダルフォンメモリを取り出すと語りかける。

士道「そこにいるなら、教えてくれよ……俺は、お前を取り戻す為に戦っている。俺にはお前しかいない、ずっとそう考えて戦ってきた。勿論、他の皆も大切だけど、俺にとって隣に居るべきは十香だけだ。ごめんな、弱き誰かの剣となり続ける事、お前が残した約束。もしかしたら、叶えられてないかもしれない。情けないよな、俺……」

断ち切れない未練を語った後、士道は部屋に戻り、眠ることにした。

部屋のカードキーをスキャンし、一歩踏み込む、その瞬間。

士道「う、うわああああ!!」

突然歪んだ空間に引き摺り込まれる。

六喰「ここなら誰も邪魔は入らぬ、2人きりで話が出来る、主様」
士道「!!!!」

そこには黄色のネグリジェを身に着け、ベッドの上を陣取る六喰がいた。

士道「なんて格好してるんだよ!!それにこの力って……」
六喰「すまぬ、使わせてもらった」

六喰の手にはミカエルメモリの刺さったマキシマムスロットが握られていた。

士道「勝手に俺のガイアメモリを使うなよ」
六喰「この力の本来の持ち主はむくじゃ、使っても悪く無かろう」
士道「まあ、それもそうだな。でもガイアメモリを身体に刺すような事だけはするなよ。取り返しがつかない事になるから」

すると六喰は士道に近付くと強く抱き寄せる。

士道「六喰……」
六喰「今、むくが主様に出来るのはこんな事しかないのじゃ」

士道をベッドに抑えつけると六喰は語る。

六喰「あの日、むくの本心に向き合い、解放してくれたのは主様じゃ。そして今の主様はむくの前では嘘つき、心を閉ざしている。あの時のむくのように」
士道「そっか、今の俺、お前と同じなんだな」
六喰「だから、今度は……」

すると六喰はマキシマムスロットからミカエルメモリを引き抜く。

六喰「むくが……主様の心を開いてやるのじゃ!!」

ミカエルメモリを振りかざし、士道に刺そうとする。

だが、士道は抵抗せず……

胸にミカエルメモリが突き刺さった。

士道「あ……あ……」
六喰「主様……」

士道の心が開かれ、士道の中の十香への想いが解放される。

士道「何で……俺は……救えなかった……」

士道は抱えきれない想いに感情が崩壊する。

士道「あああああああああああ十香!!会いたいよ!!十香!!俺、お前に何一つ残せてないよ!!いっぱい行きたい所、食べたい物、欲しかった物、もっとたくさんのやりたい事、果たせてないよ!!話したい事も、あったはずなのに、お前がいなくちゃ、誰に話せばいいんだよ!!辛いよ、哀しいよ、帰って来てくれよ十香!!ああああああああああああああああ!!」
六喰「主様!!」

号泣し、気持ちを吐露する士道を抱きしめ、語りかける。

六喰「主様、もういい、もういいんじゃ!!一人で抱え込まなくて良い、一人で辛かったじゃろう、でも主様を悪くない、本当に……苦しくて、それでもむくたちのために、ありがとう……」
士道「六喰、ありがとう……俺の為に……」

歪んだ空間の中で心に封じ込めていた感情を解放した士道は六喰の手の中で泣き疲れ、静かに眠るのだった。




その夜

???「どこにいる、メガ・ネ」

一人街の中を徘徊する少女、その目の前に現れたのは……

狂三「ごきげんよう、旧世界以来ですわね、イースナさん」
イースナ「まさか、ここで会う事になるとはな。ナイトメア」


翌朝

士道「なんか、完全に助けられたな」
六喰「ようやくいつもの笑顔に戻って何よりじゃ」
士道「おかげさまで」

すると六喰は士道の腕を掴む。

六喰「どうじゃ、いずれ、主様からむくの初体験を奪うというのは?いつでも良いぞ」
士道「ごめん、それは無理。俺は、十香に自分の初めてを捧げるから」
六喰「叶うと良いな」
士道「ああ、

叶うさ……きっと……」 
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