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夢幻水滸伝

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第二百五十八話 烏江以東その十

「危害を加えるつもりはないどろか」
「大事にされる」
「そうして下さいますね」
「それやと叛乱起こすか」
 兵達に尋ねた。
「それやと」
「いえ、そこまでして頂けるなら」
「我等も文句はありません」
「いい装備も頂きましたし」
「そうでしたら」
「そやろ、自分達に叛乱を起こさせる様にもしてへんしな」
 その自信もあるというのだ。
「そやからな」
「だからですか」
「先日まで敵兵だった我々もですか」
「率いられますか」
「そうされますか」
「そや、今の自分等はこっちの兵や」
 間違いなくというのだ。
「そやからな」
「信頼してですか」
「率いて下さいますか」
「我等を」
「言いたいことがあれが言うんや」 
 施はこうも言った。
「ええな」
「わかりました、それではです」
「これからもお願いします」
「施様の下で戦います」
「そうさせて頂きます」
「ほなな」 
 兵達とこうした話もしてだった。
 施は貴陽に兵を進めその東に着くとだった。
 すぐにだ、兵達に言った。
「ほな城の正門に攻撃するからな」
「施様がですか」
「そうされますか」
「そして城壁を破壊されますか」
「そや、城門もな」 
 こう言うのだった。
「白澤と共にな」
「この度は急襲ですね」
「正攻法やと準備だけでも時間がかかる」
 施は白澤にも話した。
「そして攻めるにもな」
「今時間をかけるとですね」
「張と緑麗ちゃんが来るからな」
 実際に兵を率いて向かってきているからだというのだ。
「それでや」
「迅速に攻略する為に」
「自分等で攻める、そして貴陽の方もな」
 そちらもというのだ。
「まだ戦の用意は充分やないな」
「まさかこちらがこんなに早く来るとは思っていませんでしたね」
「そやからな」
「今のうちにですね」
「攻める」
 敵の準備が整っていないうちにというのだ。
「そうするで」
「それでは」
「やるで」 
 こう言ってだった。
 施は落日弓を構えてだった。
 如意棒を宙に浮かせた、それからだった。
 如意棒の数を何十二も増やした、そうして乗っている白澤に話した。
「ほなな」
「はい、ご主人様の総攻撃によって」
「城壁を壊すで」
「そうされますね」
「そや、それでな」
 今からというのだ。 
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