オズのボームさん
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第五幕その九
「お風呂に入って毛を洗ってね」
「乾かしてブラッシングをしたらね」
「普段から奇麗だけれどね」
「余計にだね」
「そうなるわ」
こうジャックに言うのでした。
「見違える程にね」
「そうだよね」
「それは僕も同じだね」
「僕もだよ」
「私だってそうよ」
トトとハンク、ビリーナもでした。
「お風呂に入ってね」
「洗ってもらってね」
「ブラッシングまでしてもらったらね」
「もう凄く奇麗になるわ」
「どれだけ泥だらけになっても」
「そうなるよ」
「まさにその通りだね、僕だってこうだよ」
ファイター大尉も主君の樵と同じくブリキの身体に油を塗って磨いています、そして全身ピカピカになっています。
「油を塗って磨いてるからね」
「奇麗だね」
「そう言う君もね」
木挽きの馬にも言います。
「かなりね」
「奇麗だね」
「油を塗って磨かれてね」
「本当にそうするとだね」
「皆奇麗になるよ」
「そうだね」
「どうもーーです」
チクタクもピカピカの身体で言います。
「何をーーしてもーー汚いと言うーー人は」
「間違いだよ」
ムシノスケ教授はその通りだと答えました。
「どんな人でもお風呂に入ればだよ」
「清潔ーーですーーね」
「磨いて洗濯をしてもね」
「奇麗にーーなりーーますーーね」
「清潔にしている人を嫌いだから汚いと言う人はね」
「その人ーーこそーーですーーね」
「心が汚いとね」
その様にというのです。
「言うべきだよ」
「そのーー通りーーですーーね」
「全く以てね」
「私の奇麗な身体も磨かないと曇って汚れるのよね」
ガラスの猫は自分のことから思って言いました。
「それでね」
「全くだね」
キャプテンも同意でした。
「どんな奇麗な外見でもね」
「汚れるものよ」
「そして奇麗にしないとね」
「駄目なのよね」
「不磨の何とかはないよ」
「磨かずとも光ることは」
「そう、だから君もね」
ガラスの猫もというのです。
「汚れてね」
「曇ってしまうわね」
「そうだよ」
「ううん、最初から汚い人はいない」
カルロスは考えるお顔で言いました。
「お風呂に入って洗濯して磨いたら奇麗になる」
「誰でもどんな場所でもどんなものでもそうなって」
恵梨香も思いました。
「奇麗になるのね」
「ずっと汚い人もものも場所もない」
ナターシャは恵梨香に続きました。
ページ上へ戻る