まともに相手にしてもらえなくて・・ おまけにブスといわれて
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6-9
夏休みが終わろうかとしている時、講習中に久美からラインがきた。私は、無視をしていて、講習が終わった時に見ると「瑠衣が大変なんよ 東公園に来て」とあった。30分前の話なんだけど、塾を出て急いで行ってみると、久美と2年生の瑠衣が公園の屋根付きのベンチの下で並んで座っていた。
「ごめん 久美 講習中やったから・・遅くなってー」
「よかった 来てくれたんやー あんなー 瑠衣がなー イジメにあってなー」
見ると瑠衣が下を見つめているが涙ぐんでいるようにも思えた。
「サダ姉さん 事情は瑠衣から聞いてー ウチ 自転車で来てるから、戻ってスカート取りに行ってくるわー」と、言うなり、久美は自転車置き場の方に走って行ってしまった。
「瑠衣 どうしたん? なんかあったんかー?」
「・・・あのなー 今日 クラスの女の子から夏休みの宿題見せあおうよーって誘われたんやー 今まで、ウチなんか・・相手にされてへんやってんかー それで、ウチ嬉しっくってー ここで 見せあいっこって感じで・・ そしたら、ウチの宿題のノートを見せてなーって、取り上げて、そのうち、コーヒーがこぼれたって・・ 汚されてしまって・・ みんなは、たまたまやからごめんなって言ってたけど・・ ほんでなー ウチもわからへんかってんけど、誰かに、知らん間にお尻のほうから、水を垂らされてたんやー そしたら、みんなでオシッコ漏らしてるって、はやしたてられて・・」
瑠衣は思い出したのか、涙が出てきてしまってたみたい。だけど、我慢して遠くをみつめているようだった。
「あっ ごめん 思い出さしてしもたなー 悔しかったんやなー」
瑠衣は1年の時に、グループに久美がみんなから相手にされないんだってと連れてきた子だった。だから、2年になってもいじめられてることが度々あったんだろうと思っていた。だけど、辛抱強くって、優しいとこもあるから私も仲間に入れていたのだが、おとなしい性格だから不思議といじめの対象になってしまったんだろう。
テーブルの上には、コーヒー色になったノートと、それに、ブルーの短パンのお尻の部分が濡れて、前の方まで色が変わって、確かに、オシッコを漏らしたようになっていた。
「あのさー こんなひどいことする奴って 誰やねん?」
「うぅーん ウチが悪いねん みんなに打ち解けないから・・ せっかく誘ってくれたのに・・」
「瑠衣 アホかー こんなことされてー ええ加減にしーやー 我慢するのもー」
「サダ姉さん ほんまにええねん・・ このままじゃぁ 帰られへんやろー どうしたらええんかと 久美姉さんに連絡したんやー」
「そうかー それで スカートを・・ でもな 瑠衣 あんた なんで、そんなにいじめられるんやろなー おとなしくて、ええ子なんやのにー」
「わからへん たぶん ウチ 人見知り激しいから、1年の時から、あんまり話出来ひんやったんやー それで、仲間はずれになってしもたんやろなー 2年になって、女の子とは誰とも話せーへんし、男の子とばっかー話してたから、男に色目ばっかー使いやがってーとも、さっき言われたわー」
「・・ ひがんどんちゃうかー そいつらー」
その時、久美が戻ってきて、瑠衣にスカートを差し出していた。久美にしたら、長めのものだった。
「サダ姉さん 話 聞いたやろー 仕返しして、とっちめてやろうぜー 瑠衣をこんな目にあわせやがってー やった奴の名前聞いた?」
「ウーン 待ちいなー 久美 瑠衣の今の気持ち考えるとなー それにな 仕返ししたって、瑠衣はそいつらと、これからも同じクラスやでー ちょっと 考えるし、ウチに任せといてーナ なっ 久美」
「うー サダ姉さんが そーゆうんやったら・・」
「ウン 瑠衣 ええなー あんたは、なんもせんでええからな 今までどおり せやけど、強い気持ちでいるんやでー 負けたらあかんでー いざとなったら、ウチ等がおるからな!」
「ウン サダ姉さん、久美姉さん ごめんなさい ウチ こんなんで迷惑かけてしもてー」
「ええよー 仲間やんかー そんなんで謝らんでええよ それより、ノート困ったなー」
「ウン あと1日あるしー 新しいのに書き換えます」
「そうかー 今日のことは もう 忘れ ナ!」
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