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麗しのヴァンパイア

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第四百九十二話

              第四百九十二話  推理は正しかった
 華奈子が実際に梨花達クラウンのメンバーにどうして家の人達に車で送ってもらったか聞いた、すると。
「皆そうだったわ」
「ヒールに慣れてなくてなのね」
「物凄く歩きにくいし」
「痛いから」
「だからね」
 まさにその為にというのだ。
「皆よ」
「私達と同じ理由でなのね」
「送ってもらってたわ」
「皆そうだったのね」
「赤音ちゃんと美樹ちゃんなんてね」 
 クラウンの中で華奈子の次に活発な二人はというと。
「もう二度とよ」
「ヒール履きたくないって言ってるの」
「そうなの」
 これがというのだ。
「実際あたしもね」
「二度と履きたくないのね」
「大人になったらそうも言っていられないみたいだけれど」
 それでもというのだ。
「正直こんなに歩きにくいとね」
「そうなのね」
「これが正装の時って」
 繭を曇らせてだ、美奈子に話した。
「酷くない?」
「それはそうね」 
 美奈子も否定しなかった。
「事実歩きにくいわ」
「何でこんな靴があるのかしら」
「ヨーロッパでのことね」
「個人的には厚底靴も嫌だけれどね」
 華奈子はこちらもと言った。
「絶対に歩きにくいから」
「ちょっとしたことでぐねって怪我しそうね」
「それも心配だから」
 それでというのだ。
「余計にね」
「厚底靴も嫌なのね」
「ヒールとね」
「華奈子って不安定な靴嫌い?」
「多分ね、動きやすいのがね」
 そうした靴がというのだ。
「あたしとしてはね」
「一番いいのね」
「やっぱりそうよ、だから今日は」
「あまり歩かないのね」
「そうするわ」
 実際にとだ、美奈子に言ってだった。
 二人で会場となる普段は教室になっている部屋に入った、他の皆もそうしてそのうえで一緒に入るのだった。


第四百九十二話   完


                 2022・7・22 
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