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八条学園騒動記

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第六百七十二話 朝はそうなったその六

「キザでもじゃ」
「格好良さを意識することですね」
「恰好をつけてこそな」
「マッドサイエンティストですね」
「軍人さんもそうであろう」
「あの人達は恰好つけるのも仕事ですね」
「恰好悪い軍隊なぞじゃ」
 博士は軽蔑しきった声で話した。
「それだけでじゃ」
「駄目ですか」
「失格じゃ」
 その時点でというのだ。
「こんな無様なものはない」
「恰好悪い軍隊なんて」
「弱いと言われてもな」
「連合軍なんかそうですね」
「中央政府軍も各国軍もな」
「兎に角言われますね」
 連合の軍隊はというのだ。
「弱いって」
「しかし恰好はつけておるな」
「軍服いつもアイロンかけていて」
 これは作業服もである。
「靴もいつも磨いて」
「整理整頓もしてな」
「恰好つけてますね」
「ああして恰好をつけてこそな」
 まさにというのだ。
「軍隊じゃ」
「恰好悪い軍隊はそれだけで失格ですか」
「あの規律正しい格好良さがあってな」
 そうであってこそというのだ。
「軍隊はいいのじゃ」
「だらしない汚い服装だと」
「それで規律が悪いとな」
「ソ連軍みたいに」
 野上君はこの軍隊を思わず出した。
「あの軍隊ですか」
「そこでソ連軍か」
「規律悪かったですよね」
「いや、命令違反どころか作戦失敗でもな」
 博士はそのソ連軍について答えた。
「進まんでも死刑であった」
「規律ですか?それ」
「規律と言うか党の命令じゃな」
「もっと言えばスターリンですね」
「革命の頃からじゃ」
 まさにその頃からだった。
「無能だとみなされるとな」
「死刑ですか」
「トロッキーもそうしておった」
 スターリンの政敵であった彼もというのだ。
「無能とみなした者はじゃ」
「死刑ですか」
「その場で銃殺であった」
「特撮かアニメの悪の組織みたいですね」
「実際そうしたことをする国や組織は滅多にないがな」
「失敗したからって抹殺じゃ誰もいなくなりますからね」
「片っ端からそうするとな」
 博士もそれはと答えた。 
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