夢幻水滸伝
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第二百五十六話 湖南省からその五
「もうそれでその路線は東から西に進めん」
「そうなりますね、確かに」
「駅を複線にしてそこで待ち合わせると行き来は可能やが」
「それやとダイヤルが複雑になりますね」
「そやから最初からな」
線路を敷くならというのだ。
「複線にしてな」
「行き来を楽にしてますか」
「これだけで移動や輸送も楽になってな」
そうなりというのだ。
「そしてや」
「移動量や輸送量が変わりますね」
「それだけで倍以上になるからな」
それ故にというのだ。
「ここはな」
「その様にしていますか」
「これからもそうしてくで」
「そうなのですね」
「そや」
強い声で返事もした。
「線路はな」
「線路を複線にすると確かに大きいですね、それに」
美蓮はこう言った。
「この世界では線路の幅が同じですね」
「全世界共通やな」
「これもええですね」
「線路の幅がちゃうとな」
「同じ車両を使えへんですからね」
「これだけで不便や」
「そうですね」
美蓮は施のその言葉に頷いた。
「確かに」
「そやから線路の幅が全世界同じなのはな」
「有り難いですね」
「道の幅と同じや」
「始皇帝が統一した」
「誰かが一つにしたらしいな」
「あたし達がこの世界に来るまでに」
美蓮は言った。
「度量衡や言葉や文字に」
「そうしたこともな」
「貨幣もですね」
「全部統一した」
「まさに始皇帝の様に」
「それだけに統一しやすい」
施は腕を組み確かな顔と声で話した。
「全くちゃう」
「その通りですね、それは」
「それでな」
施はさらに話した。
「線路の幅はこれからもな」
「今の幅で統一していきますね」
「そうするわ」
「そうして戦にも用いますね」
「そや、しかし線路を使って」
ここで施はこうも言った。
「列車砲もあるけどな」
「その兵器はないですね、こちらには」
王は列車砲と聞いて施に話した。
「僕達の勢力には」
「常に勢力拡大させてるさかいな」
「列車砲みたいな兵器はですか」
「あれは拠点とかを守る為のもんでな」
そうした兵器でというのだ。
「あと敵の陣地、定まったそこを攻撃する」
「そうしたもので、ですか」
「そや、それでや」
「勢力を拡大する僕達にはですか」
「いる兵器やない、今のとこはな」
「そやからないですか」
「持ってへんしこれからもな」
施は王に真面目な顔で話した。
「持つことは暫くはないわ」
「そうですか」
「あれは決まった場所しか攻撃出来んやろ」
列車袍のこのことを言うのだった。
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