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まともに相手にしてもらえなくて・・ おまけにブスといわれて

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5-4

 新学期が始まる前、私はぶらっと英語の問題集のいいものがないかと本屋さんで物色していると。

「エロ本はここじゃぁないぞ」と、後ろから声を掛けられた。振り返ってみると、あの殿山覚だ。

「・・・」

「なんやねん 無視かよー サダ姉さん」

「ウチ あんたから、呼ばれる筋合いないでー」

「まぁ そう言うなよー 英語のもん探してるのかー 英語のエロ本ってのもあるのー」

「もー ええからー あっちいけよー 大きな声で エロ本って言うなー 他の人に聞こえるやろー 変な眼で見られる」

「あっ やっぱり エロ本かー」

「このバカ 蹴とばすぞー」

「うふっ 相変わらず 威勢がいいのぉー そんな怖い眼するなよ ブスそのものなんだぞ」

「やかましーわー これは生まれつきや」

「なぁ よく見るとお前 大きくて可愛い眼してるなー うん 案外 可愛いのかもな なぁ 暇やろー お茶でもしようぜー」

「けっこうです 私は忙しゅうございますので・・」

「わかった 外で待ってる なっ」

 仕方なく本屋を出ると、やっぱり待っていた。

「なんやねん ストーカーか?」

「おごるよ フルーツパフェか パンケーキか?」

「いつ 行くって言ったんやー もう、帰るねん あんたと一緒のとこ 誰かに見られたぁーないんや」

「じゃぁ あそこで、シェイク買ってくるわー 待ってろ 公園だったらええやろー」

 私は、しぶしぶ近くの公園のベンチに腰掛けた。強引さに押し切られたのだ。

「殿山さんだよね もっと 離れて座ってーなー ソーシャルディスタンスや」

「わかったよー 冷たいのー」

「あれから 十和姉さんに付きまとったりしてへん?」

「ああ あいつ 先生になるんやろー? もう、切り替えた サダ姉さん 一筋やー」

「その サダ姉さんは止めて! サダでもええからー」

「じゃぁ サダちゃん サダちゃんは男おるんかー?」

「好きな人はおる 真面目やでー 素敵な人」

「やろなー おるんかー もう ヤッタんかー?」

「なにを聞くねん 女の子に聞くことかー あんたはそんなことしか興味ないんかー?」

「ああ 男と女ってそんなもんやろー」

「ちゃうわー 他にもあるわー 殿山さんって・・意外と 経験ないんちゃう?」

「なにを・・突然 あるわー ほんまは 一度だけやけどなー 内緒だぞ」

「そーなんや ねぇー 誰とー 聞かせてーナ」

「なんや お前 興味あるんかー」

「いや べつにー そんなことしか 話すことないやん」

「俺のダチだった奴がな 中学の時、1年後輩の女の子と付き合っていたんやけどな 高校に入ったら、別の子と付き合い出して、その子と喧嘩別れみたいになったんや 俺は、その女の子を慰めていたら、ヤケクソになったんか、俺とそんな関係になっちまった そいつも初めてでなー このことは絶対に内緒にしてくれってんで・・一度切りな」

「へぇー ドラマだね 以外と優しいんや 殿山さん」

「そーやろー しゃぁから サダちゃんも・・俺と・・」

「ストップ それは無い! 調子乗らんとってー 今日も ウチの気分がたまたまやっただけやから じゃぁ 行くね シェイクありがとー」

「なんだよー もう行くのかよー 今度はちゃんとデートしような」

「それも無い! ずーと無い!」
 
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