好きになったのが女の子でも

　　　　　　　　　　　　　　　　好きになったのが女の子でも
　バスケ部のマネージャーである坂口涼香は黒く長い光沢のある髪の毛と切れ長の黒目がちの目に高い鼻、きりっとした眉と顎が尖った顔を持ち。
　色白で背は一六〇程で胸と尻は大きく脚も奇麗だ、ミニの緑のプリーツスカートとダークグリーンのブラウス、赤いリボンに白のブラウスという通っている高校の制服に緑のハイソックスを合わせている。
　学校でも美人で評判だが浮いた話はない、マネージャーとしての仕事と学業そして趣味の読書とゲームに忙しい日々を過ごしている。　
　だがそんな涼香にその浮いた話の噂が出た。
「えっ、相手誰！？」
「あの坂口さんに恋人！？」
「嘘だろ」
「美人だけれど堅物だからないでしょ」
「あの人はね」
「それはないんじゃ」
　学校の誰もがこう言った、そしてだった。
　同じバスケ部で中学の時から一緒に岡田久代黒の短いおかっぱ頭であどけない表情に大きな丸い目に小さな頭と白い肌に一五五の背とすらりとした脚を持つ彼女が涼香に聞いた。
「涼香ちゃん好きな人出来たって本当？」
「最近噂になってるわね」
　学校の帰り道一緒に歩いている時に聞かれてだ、涼香は答えた。
「結論から言うと内緒だけれど」
「その口調から察するに」
「そうよ」
　まさにとだ、涼香は紅美に答えた。
「実はそうした人いるのよ」
「そうなのね、誰なの？」
「これから塾行くけれど」
　涼香は大学受験に備えて通っているのだ、尚このことは久代も同じで二人は同じ地元の八条学習塾の一つに通っている。
「そこでわかるわ」
「あら、塾にいるの」
「私達が通ってるね」
　自分と同じ制服だがハイソックスではなく白の普通のソックスの久代に話した。
「そちらにね」
「その人いるの」
「そう、じゃあ今からね」
「まずは塾に行って」
「授業受けましょう」
　塾のそれをとだ、こう話してだった。
　二人共塾で授業を受けた、二人共成績は似たもので高校で上位で塾のクラスも一緒だった。それで授業を一緒に受けて。
　その後でだ、涼香は久代に話した。
「それじゃあね」
「今からね」
「その人紹介するわ」
　久代に笑顔で告げてだった。
　涼香は彼女の手を引く様にして塾のビルの一階の出入り口に案内した、そこはいつも二人が通る場所だったが。
　今はそこに中学生位の中学生としても小柄で楚々とした感じの人形の様な顔立ちにふわふわとした茶色の長い髪の毛に白とピンクのドレスを着た少女がいた。その少女の傍に来てだった。
　涼香は彼女の手を握って久代に話した。
「鳳凰寺弘子さん、美麗学園中等部の二年生で私の恋人なの」
「美麗学園って中高一貫の」
「そう、前まで女子校だった」
「あそこよね、お嬢様学校の」
「最近は共学になったけれど」
　そこに生徒数の減少という理由があったことは内緒である。