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おむつを馬鹿にするな

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第一章

               おむつを馬鹿にするな
 今山吹桃花は夫の光昭と共に子育ての真っ最中だった、二人の息子の秀和はまだ生まれたばかりであり。
 何かと大変だった、桃花はその中で夫に言った。
「いやあ、育児は戦争って言うけれど」
「本当だな」
 夫も同感だった、桃花は一五〇位の背で黒髪を短くしている、長い鼻と垂れ目が印象的で色白ですらりとしたスタイルだ。夫はその妻より頭一つ高く細いが意外と筋肉質で細面で童顔で明るい表情である。夫は公務員で妻は図書館で働いている。ただし妻は今は育児で休職中だ。
「それはな」
「いやあ、お仕事休んでないと」
 休職でないと、とだ。桃花は死にそうな顔で言った。
「もうね」
「身体もたないか」
「ミルクあげて寝かせてお風呂に入れて」
 桃花は育児の具体的な内容も挙げていった。
「おむつもね」
「替えないといけないしな」
「それでおむつを替える時に」
 この時もというのだ。
「ちゃんと拭いてあげてね」
「奇麗にしないとな」
「駄目だからね」
「俺はまだ働いていてな」
 夫は自分のことを話した。
「家にいる時少ないけれど」
「私はいつもでしょ」
「だから余計にだな」
「戦争よ、けれど自分達の息子だしね」 
 ここでだ、桃花は笑顔で話した。
「それならね」
「ああ、頑張って育てないとな」
「そう、そしてね」
「立派に育ってもらおうな」
「赤ちゃんの時は何も出来ないから」
 そうだからだというのだ。
「それでね」
「今は特にな」
「手がかかるけれど」
「それは当然としてやっていかないとな」
「そうだな、じゃあこれからもな」
「二人で頑張っていきましょう」
 夫婦で笑顔で話してだった。
 その上で力を合わせて子育てをしていった、そしてある休日のこと。 
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