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変態奥さんなのか

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第一章

                変態奥さんなのか
 この時黒木公佳は姉の皇佳子のマンションに向かっていた、黒髪をショートにしていて小さなやや頭の先は尖っている、大きく丸いはっきりした目と小さな赤い唇と細長い眉に一六四位の背で長い脚とメリハリの利いたスタイルが目立っている。
 姉共々結婚していて苗字は変わっている、夫は二人共サラリーマンで姉妹もそれぞれパートを持っている。この日は二人共休みでだ。
 姉の家に遊びに行く約束をしていてそれでだった。
 姉の家にチャイムを鳴らしてだった。
 挨拶をして入るといなかった、それでどうしてかと思い。
 姉を探した、トイレかとも思いながらそうすると。
 姉は夫婦の寝室にいた、扉が開いたのでそこを覗くとだった。
 茶色のふわりとした髪を長く伸ばしていてやや細面で切れ長の大きな長い睫毛の垂れ目で紅の艶やかな唇と妹と同じ眉を持ち同じ位スタイルのいい彼女がだ。
 ベッドの上でトランクスを顔にやって恍惚として匂いを嗅いでだった。
 枕にもそうして何か言っていた、それで。
 妹は茫然として姉に言った、見れば妹はジーンズだが姉はロングスカートだ。
「お姉ちゃん何してるの」
「えっ、あんたもう来たの!?」
 姉は妹の言葉にびっくりしてベッドから跳び起きて言った。
「早いわね」
「時間通りよ、それよりもよ」
 跳び起きた拍子にトランクスを頭に置いた形になった姉に問うた。
「何してるのよ」
「ああ、まあね」
「まあねじゃなくて」
「お茶飲みながら話す?」
「ええ、じゃあね」
 妹は姉の言葉に頷いた、そして。
 予定通り一緒にお茶とお菓子を楽しみつつだ、向かい側に座っている姉に問うた。
「あらためて聞くけれど」
「何してたのかよね」
「トランクスや枕の匂い嗅いで」
「どっちも旦那のよ」
 姉はお菓子を食べつつ答えた。
「トランクスは洗濯済みよ」
「いや、それでもよ」
 妹はドン引きした顔で返した。
「何で匂い嗅いでたの?」
「だって私旦那の体臭大好きなのよ」
「それでなの?」
「傍にいたら凄いそそる匂いがするからね」 
 姉はにへらと笑って答えた。
「ベッドの中ではいつも寄り添ったり抱き締めて寝てね」
「そうしてなの」
「それでお仕事がなくて家に一人だと」
「ああするの」
「時々ね、もう旦那の匂いが大好きで」 
 やはりにへらと笑って言う。 
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