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八条学園騒動記

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第六百七十一話 野上君の戻る先その三

「一体」
「物理の本をや」
「読まれてますか」
「そうしておる」
「物理ですか」
「最近ニカラグアで知られておる学者でな」
 物理学者でというのだ。
「随分と面白い説を出しておる」
「その人の本を読んでるんですね」
「そうしておる」
「物理ですか」
「野上君もわかるであろう」
「理系ですから」
 野上君は即座に答えた。
「大学でも学びました」
「そうであるな」
「ただ僕専門は工学ですので」
 こちらの学問でというのだ。
「ですから物理学は」
「専門でないのう」
「ですから詳しくはです」
 そこまではというのだ。
「申し訳ないですが」
「それでもじゃ、わかるならな」
 それならというのだ。
「読むといいわ」
「じゃあ博士が読破されたら」
「貸すぞ」
「有り難うございます」
「それで読書や風呂も好きであるが」 
 博士は話を戻してきた。
「そうしたこともしておらんとな」
「飲まれますね」
「今の様にな、何もせんことはな」
 そうしたことはというと。
「わしはせん」
「いつも何かされてますよね」
「逆に言うと退屈はな」
 これはというと。
「大の苦手じゃ」
「お嫌いですか」
「何か嫌いかというと」
「退屈ですか」
「巨人と退屈がじゃ」
 この時代も存在している千年連続最下位という『偉業』を達成している日本のプロ野球チームはというのだ。
「あと小悪党がじゃ」
「お嫌いですね」
「巨人は負けるのを観て楽しんでな」
 そうしてというのだ。
「小悪党は殺してな」
「それで退屈はですね」
「常に何かをしてな」
 そのうえでというのだ。
「潰しておる」
「そうですね」
「退屈を感じるならじゃ」
「何かをされますね」
「絶対にな、兎角退屈はな」
「お嫌いですね」
「先に挙げた二つと共にな」
 巨人それに小悪党と、というのだ。 
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